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理科の合否を分けた一題

麻布中入試対策・理科の合否を分けた一題(2010年度)(2ページ目)

問3

アリスタルコスは太陽-月-地球のなす角が87°としましたが、当時の測定技術は正確ではなく、実際は約89°だったため、実際の距離とはかなり違ってしまいました。しかし、当時、太陽までの距離は月までの距離の3倍程度と考えられていたため、20倍という数字は間違っていたにせよ、太陽は非常に遠いところにあることを示したという点では大変意義のあることでした。

このような知識がなくても問題は解くことができます。
まず、月が半月に見えるときは、月に対して太陽の光りが垂直にあたっていますから、太陽-月-地球 のなす角は90°です。よって、ア、イ、は答になりません。また、オですが、三角形は2角が決まるともう一つの角も決まり(三角形の内角の和は180°のため)、“三角形の形“が決まり、三辺の長さの比が決まりますので、答になりません。

あとはウとエから選びますが、太陽と地球の距離が長くなるのは太陽-地球-月の角度を大きくしたときですから答はウになります。

答 ウ

問4

問題文の図1で考えてみます。地球を北極から見下ろすと反時計回りに太陽、月、地球が回っています。問題文のポイントをあげるると

・月は1ヶ月で地球の周りを1回転する
・太陽は1年で地球の周りを1回転する

ので、動く早さは月のほうが早く、月は太陽を追い抜きます(①)。

これを地球上から見ると下図のようになります。自分で理解しやすいように図を書き直して見ましょう。

つまり、太陽は西(右)側から欠けてゆきます(②)

答 ① ア  ② ウ

ここで、「月は東から昇り、南の空を横切って、西に沈むのに、上の図は、なぜ西から東に動いているのか」という疑問を持たないといけません。ここが大きいポイントです。これを理解していると問6も解くことができます。

太陽や月が、西から東に動いているにもかかわらず、地球から見ると東から西に動いて見えるのは、太陽や月が動く速さよりも地球の自転の早さが速いからです。

下図を見てください。A地点に人がいる時に太陽と月が一直線上にあるとしましょう。A地点からスタートし、地球上にいる人がB地点まで来る間に、太陽や月は実線の距離しか動きません。太陽や月は点線の距離だけ遅れます。

これを、B地点まで来た人から見ると、自分が動いたという感覚がないため、太陽や月はそれぞれ、点線の距離だけ(遅れた距離だけ)西に動いたように見えるのです。つまり、太陽や月が西から東に動いていても、その速さが地球の自転よりもおそいため、東から西に動いているように見えます。

このことは問6につながってきますので、問6から解説しましょう。

『理科の合否を分けた一題(2010年度)』 >> 1 2 3
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