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国語の合否を分けた一題

女子学院中入試対策・国語の合否を分けた一題(2013年度)

求められている力

素早く、文脈に沿った正確な読みができる力、につきます。指示語の内容記述、接続語補充、理由、言い換え、語彙、心情把握、といった基本的事項が問われますが、あくまでも論理性を重視した解答を要求し、解答に無駄な発展性を求めないところ、実は一番国語の読解の基礎力が問われるという点で、ごまかしがきかず、レベルの高い良問ぞろいです。作問者の意図は明白で、あいまいさを残しません。迅速に正確に、が求められているので、基礎力の徹底が問われます。

出題分野の特色

今回は震災を題材にした随筆文が出題されています。韻文的要素を含む文体でやや読みづらさを感じたお子さんも多かったのではと思われます。
主に比喩の書き換えが目立ちましたが、イメージの喚起力というよりは、文脈に沿った論理的書き換えを求められている点、やはり比喩の書き換え問題が多発する雙葉と比較すると、学校の求める生徒像の違いが際立ちます。
端的に、的確に、論理的に、を意識する設問が多いのが特色です。

難易度の変化

形式に大きな変化が見られました。
例年大問3題出されていた読解問題が、今年は随筆文一題、物語文一題の計2題となり、例年独立していた漢字の書き取り問題が、読解の大問中に含まれる形となっています。全体の設問数に大きな変化はなく、記述の分量も例年と変わらない印象です
ただ、以前は少なかった字数制限付きの記述が3題あることから、記述の難度はやや高くなりました。
例年、解答欄の大きさから、問われていること以上の余分な情報を記述するのをきらう傾向がありましたが、今年度は端的にとらえる部分と、ある程度解答の幅を見る部分とに分けてきている点、入試問題の質としては生徒の国語力を柔軟にはかる良問になっています。

今年度の合否を分けた一題 選択理由

今年度の入試で、合否を分けた一題を選択すると、一の問五ということになるでしょうか。
人によってはずばりと正答を書け、人によってはあいまいな解答しか書けないという、得点にばらつきが予測される問題です。
具体的事例から筆者が何を言わんとしているのか、自分で抽象化する作業が必要です。
方法さえわかっていれば、正答はかんたんですが、方法を意識していないと、一見もっともらしくともポイントをずらした解答になりやすいのです。

では、解法と採点のポイントをご説明いたしましょう。

解法と採点のポイント

問五 ――⑦とありますが、「海と向き合う」とは海に対してどのような態度を取ることだと筆者は考えていますか。説明しなさい。

――⑦を本文中にたしかめます。
海と向き合うのはそういうことなのだな、とわかる。」
とあります。
傍線部に指示語がある場合、その指示内容が解答を決します。
この場合、「そういうこと」の指示内容が重要です。

ところが、指示内容は実はあいまいです。

なぜなら、この部分、具体的事例しか書かれていないからです。
「卒業したら父の跡を継いで漁師になるつもりだったという高校生」から「だからもう見たくもないとは、いわない。」までの部分、全般を指すのです。
そして、その後、筆者のそういうことに関する感想が続く。

指示語の内容にどこまで考慮すればよいか、境界線があいまいです。
ここは、前後の文脈から、指示語の内容を抽出してくる作業が必要です。

まずはメインとなる高校生の話から「めちゃくちゃな被害を与えた海だけれど」「嫌いになった」「見たくもない」「とは、いわない」。という点をおさえます。
「被害をもたらす海だが、今後も係わりあっていこうとしている」という基本部分をおさえるのは簡単でしょう。
この基本部分に、理由をつけ加え、前後の言葉を足していけばいいのです。

では、理由を考えます。
なぜ「被害をもたらす海だが、今後も係わりあっていこうとする」のか?
「海に限らずなにかと真剣に係わるとはそういうことなのだろう」と筆者が高校生の言葉を解釈しています。
では、「真剣に係わる」とは?
災害と海そのものとは、別高校生の簡潔なひとことは、思いの複雑さを幾重にも滲ませていた。どんなことがあっても三陸の漁業を再興しようと立ちあがる漁港の人々。これまで自分も、この海の恩恵をどれほど受けてきたことだろうと、画面を見つめる。」

複雑な思いとして「被害」⇔「恩恵」の相反する海への思いが取り出せます。
「被害」も「恩恵」も与えるのが「海」。
それとあえて係わっていこうとすること⇒ 「真剣に係わる」⇒ 【あるがままを受け入れてつきあっていくということ】 ・ 【覚悟をもってすべてを受け入れて係わろうとすること】

海と向き合う⇒(解答例)人に恩恵も、ときにはひどい被害ももたらす海だが、そのことを理解し、あるがままを受け入れ屈することなく、海と係わり続けていこうとする態度を取ること

□で囲んだ部分がキーワードとなります。
ポイントの押さえ方で、得点の増減が決まります。

難易度表

【一】 A ⇒ 問一・問二・問四・問七・問九・問十・問十一・問十二
B ⇒ 問三・問五・問六・問八
C ⇒ なし
【二】 A ⇒ 問一・問三・問四・問五・問七・問八・問十二・問十四
B ⇒ 問二・問九・問十・問十一・問十三・問十五
C ⇒ 問六

A・・女子学院中を志望するレベルなら確実に得点に結び付けなければいけないレベル
B・・差がつく問題
C・・女子学院中を志望するレベルでも、得点に結びつけるのは難しいというレベル

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