2010年度入試では、国語で出題されないはずの物語文が出題されたり、社会でJG初の出題形式が見られたり、と傾向に大きな変化が見られました。そのため、動揺して立て直せなかった受験生が少なからずいたようです。
算数はと言うと、2009年度・2010年度と2年連続で1枚目に時間を取られる傾向が続き、従来の軽い1枚目からの脱却を匂わせつつあります。来年度もその傾向が踏襲されるのか、従来のスタイルに戻るのか。どちらにしても、これまで述べてきたような学習を積んでいれば、落ち着いて対応できるはずです。
今後、たとえ算数で出題傾向に変化があったとしても、自分一人の身に起きているわけではありません。受験生全員が同じ問題を解くので、条件は同じです。その程度のことでは動じず、逆に「みんな焦っているだろうな~、チャンスかも」と思えるぐらいの図太さが、JG志望者には必要かもしれませんね。
「女子学院中学の傾向分析」の冒頭で述べたように、JGの算数は一見すると取り組み易い印象を抱きます。しかし、ソフトなのは見た目だけ。それに騙され、6年の秋頃になると「算数が苦手だから」という理由で志望校をJGに変更してくる上位生がいます。残念ながら、そのような安易な考えでは、入試本番で容赦なく弾き飛ばされてしまうでしょう。
「算数が苦手だから」ではなく、「苦手な算数を絶対に克服する」という心意気ならば、時期が遅くとも間に合う可能性はありますよ。
JGに心底憧れ、懸命に努力をし、真の実力をつけた皆さんが、合格を手中に収めることを心から願っています。