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算数の塾別学習法の提案

女子学院中入試対策・塾ごとの算数の学習法の提案(日能研生)(2ページ目)

②毎週のカリキュラム内容の学習だけでは、既習内容が抜け落ちて行きます。2週間前と2ヶ月前のカリキュラムの復習を日曜日に組み込みましょう。

なお、日曜日のカリテ後に日曜日特別講座が始まります。土曜日に通常授業があるため、日曜日がテストと日特でつぶれてしまうと、まとまった家庭学習時間を確保できなくなるのが日能研生の悩みの種です。日曜日は、その日に受けたカリテないしセンター模試の解き直し、既習内容の復習、苦手分野の理解、後述する「③JG志望者にとって、日能研のカリキュラムでは手薄になるところの補充」等、やるべきことが山積みです。これらを削ってまで日特に参加する意義はあまり感じられません。後期日特はJG対策のため必須ですが、前期日特の受講は生徒の状況に応じて慎重な判断が必要でしょう。

③JGの過去問演習を行う段階で、速さの問題に手こずる日能研生が目立ちます。挙げられる原因は2つです。

まず1つ目の原因は、日能研のカリキュラム上、速さと比の学習時期が他塾に比べて遅いこと。SAPIXでは5年生秋から、四谷大塚では6年生春休み明けから学習するのに対し、日能研は6年生6月からの学習となります。スタートが遅いだけに、それまでの比を用いない解法にとらわれて切り替えが上手くいかない生徒や、入試まで残り8カ月での演習量では仕上げることができない生徒がいます。

2つ目の原因は、上位クラスではダイヤグラムを用いての指導が多いこと。テキストの解説及びテストの解説もダイヤグラム使用が中心です。ところが、「女子学院中入試対策・算数の合格戦略の提案 『実力の差が時間の差になって現れる問題」の攻略法』で述べたように、JGの速さの問題については、ダイヤグラムではなく直線上の進行図の方が馴染む問題が多いため、直線上の進行図を書き慣れていない生徒にはきつい状況になります。

この2つの原因を踏まえて、新6年生の2月から6月までを目途に、四谷大塚『予習シリーズ6年上』の速さと比(1)~(4)、速さに関する問題(2)の例題・基本問題・練習問題に順次取り組み、直線上の進行図の書き方と比の使い方を徹底的に指導し、身につけてもらいます。6月の日能研での授業を終えてからは、JG以外の学校で出題された速さの問題を利用して、演習を継続します。

6年生前期の『本科教室』にはJG頻出の単元につき一通りの問題が収録されているので、前述のように2週間前・2ヶ月前のカリキュラムの復習を組み込めば、極端に手薄になることはないでしょう。それでも、平面図形の演習量は別途に確保した方が良いですし、更に、月刊誌『中学への算数』の「レベルアップ演習」に載っている数・図形・文章題に取り組めれば、十分なアドバンテージとなります。

テスト

JG志望者のカリテの目安は、共通・応用で110点~120点。共通を完璧に、応用は計算問題を正解すれば十分、その他で1~2問拾えたら尚良しです。応用の得点の悪さは気にする必要ありません。

センター模試では癖のある問題が出てくるようになり、高得点が取りにくくなります。5年生の頃は120点超が当然だった生徒が、100点~110点をうろつくことが頻繁に見られるようになりますが、決して学力が低下しているわけではないので、焦らないで下さい。最低でも100点を切らないような学習を心掛けること。また、[2]の一行問題群での失点は典型問題の解法が定着していない証拠ですから、要復習です。

日能研 6年生夏休み

学習スケジュール

夏期講習は大手進学塾の中では最も長丁場です。お盆休みを除き毎日のように授業があるため、授業・その復習・宿題で1日が終わるようになります。

JG志望者にとって最適な講習テキストは『応用1』でしょう。収録されている問題の大部分が、直前期であれば1分半~2分弱程度で処理できるようにしておきたい問題です。そのレベルの問題を、少なくとも夏休み中にすべて自力で解けるようにしておくこと。このテキストを仕上げることでかなり力はつきます。

しかし、大部分のJG志望者の講習テキストは『難問』になるはずです。思考力問題を中心に、JGの出題傾向とはかけ離れた重量級の問題が多いため、併願校に渋谷教育学園附属幕張中を考えていない限り、このテキストに長丁場お付き合いするのは正直辛いところです。心配なのは、算数が苦手でも国語・社会が抜群にできるので最上位クラスにいる生徒の場合です。講習が始まる前に、取り組むべき問題の取捨選択をあらかじめしておく必要があるでしょう。頑張っている生徒自身のプライドが許さないかもしれませんが、合格のためには敢えてひとつ下のクラスで『応用1』を使って夏期講習を受けるのも選択肢の1つです。

『難問』テキストに取り組んでいると大問にじっくり向き合う時間が長くなります。どうしても処理速度が鈍りがちになるので、それを防ぐために、軽めの問題をテンポ良く解き進める作業をどこかに組み込んでもらいます。スキルアップの算数を受講する、『ベストチェック』を1問1分以内で処理する、四谷大塚『四科のまとめ』を右側1ページ10分以内で処理する等、生徒に合わせて選択します。

『難問』テキストで問題の取捨選択を行った生徒、『応用1』テキストで余力がある生徒には、東京出版『プラスワン問題集』を夏休み中に1回転してもらいます。ただし、立体の切断に関する問題の大部分は除外します。スピード練習ではなく、“典型問題+α”の解法定着に向けての問題演習ですから、時間がかかっても正しく理解することが肝心です。正解した問題も必ず解説を熟読し、複数の解法を習得しておくと、JGの過去問を解くときに威力を発揮します。

なお、夏休み中に配布される『中学入学試験問題集』、通称『銀本』ですが、在籍校舎・クラスによって取り扱いが異なります。日能研の授業担当講師から出された指示が負担になるようなものであれば、柔軟に対応していきましょう。

テスト

講習テストは普段のカリテと比べて難易度が押さえ気味ですが、『難問』テキストに取り組んでいると基本問題で足元をすくわれることがあるので注意しましょう。各回のテストで該当範囲の定着具合を確認し、不十分なところがあれば講習テキスト、場合によっては6年前期『本科教室』に戻ってすぐに復習です。

『塾ごとの算数の学習法の提案(日能研生)』 >> 1 2 3
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