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国語の合否を分けた一題

城北中入試対策・国語の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問一A 問二B 問三B 問四A 問五①B ②A ③B
問六B 問七B 問八A 問九A 問十A
問十一A 問十二B 問十三 B
問一B 問二A 問三A 問四B 問五A


すべてA

A…城北中合格を目指すなら、確実に得点したい問題

B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題

C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

ここ数年の出題形式と同じく、読解は物語文一題の出題でした。近年の城北中で出題される物語では、どこか「普通の子」とは違う、ややマイノリティ寄りの人物が登場するものが選ばれる傾向にあります。そのため一読した時点ですんなりと共感できないことは多いかもしれません。とはいえ、入試問題として見た場合には、通常の物語文と同様に、人物の心情を正しく辿っていくという方法で対応できるように作られており、あくまで「丁寧に、客観的に文章を読む力」が求められているといえます。設問内容としては言葉の意味、心情及びその心情にいたった理由、文章内容の把握というオーソドックスなものが出題されました。また、大問二の漢字の書き取りについても、テキストやテストで頻出のものが大半です。過去問をやり込むことはもちろん必要ですが、それ以前の基本的な学習をきちんと行えているかどうかが合否のカギを握っていると言えるでしょう。

問題別寸評

佐藤まどか『一〇五度』より。

問一

文章中に出てくる言葉の意味を答える問題です。知らないものが出てきた場合は、文脈から最もふさわしいと思われるものを選びましょう。

問二

傍線部の理由を考えて答える記述問題です。「今日は、よく笑う」という表現から、何かひとつのことについて反応して笑っているというよりは、その場のやりとり全体が楽しくて上機嫌になっている主人公の様子がうかがえます。「イス」という話題で盛り上がれること自体も楽しく、さらにイスへの感想が早川と一致していることも嬉しいのでしょう。

問三

傍線部の表現が暗示していることを答える問題です。直後の文にもあるように、この文からは早川が力持ちであることが分かります。そしてこのことについて後で早川自身が「体、鍛えてるしさ!」と発言します。なぜ体を鍛えているのか? 将来、モデラ―になりたいからです。

問四

傍線部「彼女はすごいと思う」について、その理由を書いて説明する問題です。傍線部を含む一文が因果関係をつくる「だから」で始まっていることより、その前のモノローグ部分が「すごい」の内容であることが分かります。傍線部前の部分より、「ぼく」を含めて「孤立する勇気がないから、適当にフリをする」人が多い中、堂々とスラックスを履く「個性」と「勇気」を持つ早川が「すごい」ということが読み取れます。

問五

傍線部について、その内容を答える問題です。直後の「ぼく」の「オレの将来、勝手にオヤジが決めちゃってるし」という発言を利用しましょう。

問六

傍線部より、梨々(早川から呼び名が変わる=心理的な距離が縮まっていることを示していますね)の人物像としてふさわしいものを答える問題です。「あのおじょーさま学校には似合わないもんね」という発言に注目します。「おじょーさま」とわざと表記を崩すことで、梨々がいかにも興味なさげに、棒読みで発音していることを表現しています。そして面接で落ちたことを朗らかに笑い飛ばすということは、まったく後悔していないということも読み取ることができます。

問七

傍線部のように思った理由を答える記述問題です。「目標のことを話そうと思う」ようになるということは、大きな心境の変化があったと考えられます。傍線部の前で、「ぼく」がどのようなことを考えていたかを読み取りましょう。

問八

傍線部のときの「ぼく」の心情を答える問題です。傍線部の表現から弱々しい声になっていることが分かりますので、まずウの「意気込み」は当てはまらないと判断できます。また、傍線部の前で家族にも話していないことを「梨々になら、相談してもいいような気がした」とあり、梨々のことは信頼していることも分かりますので、そうなると答えは絞り込めるでしょう。

問九

傍線部の動作の理由を答える問題です。解き方そのものは問八と同様です。「まじまじと見つめる」という動作から「驚き」の感情が分かります。また、前後で根拠として使えそうな表現を探すと「そうか、梨々はモデラ―になるのが夢なんだ。」「でも、大丈夫なんだろうか、技術レベルのほうは?」とありますので、そこから判断しましょう。

問十

傍線部について、このときの主人公の様子を書いて説明する問題です。「走って家に向かう」ということから、何かを楽しみにしているのだと読み取ることができます。ここでは「ぼく」の側の気持ちを答えれば良いので、少し前の「すぐに(梨々に)プロジェクトの相談をしたい」という部分を使って説明すればよいでしょう。

問十一

合否を分けた一題で解説します。

漢字の書き取りです。「善処」「旅路」あたりが、熟語としてはやや出てきづらいでしょうか。それでも全問正解は十分に狙える難易度です。

合否を分けた1題

問十一

主題を問う問題は、苦手としている受験生が多いようです。その場その場での人物の心情を読み取るのとは別に、文章全体から判断する必要があるからなのでしょう。
しかし、今回のようにはっきりと設問として問われる場合、その多くは「主人公が話の前半と後半で変化しているので、その変化を読み取って答えましょう」という形です。では、今回の物語を通し、主人公はどのように変化したのでしょうか。

以上のことを意識しながら、この文章を「どんな物語であったか」と要約してみましょう。
・「ぼく」が、自分と同じくイス好きで、自分の意思を貫いて生きている梨々と出会ったことで、一人では挑戦が難しく迷っていたコンペへの参加に前向きになった物語。
→もちろん梨々と出会ったことそのものが「ぼく」にとっては大きな変化ですが、この文章の中での最大の変化は「コンペに参加することを決断した」という部分であるということができます。このことを抽象化している発言は、ウの「生徒C」です。

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