| 新規会員登録

理科の合否を分けた一題

城北中入試対策・理科の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

[1] 問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A  
問7 A
[2] 問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 B  
問7 B
[3] 問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A
[4] 問1 A  問2 A  問3 A  問4 B
[5] 問1 A  問2 A  問3 B

A…城北中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2017年度の城北中は、例年通り、物理(力学)→化学→生物→地学の順の構成で、基本的知識を問う問題が中心でした。
物理分野の問題は、典型的な組み合わせ滑車の問題。
化学分野の問題は、塩酸とアルミニウムの反応についての問題。
生物分野の問題は、ヒトの消化について問題。
地学分野の問題は、月のクレーターについての問題と乾湿球湿度計の問題。
城北中特有の、根本的な知識を確かめる問題と、実験や観察から考える問題が、バランスよく配置されています。
対策としては、頻出の滑車・気体の発生・動物のくらし・地層について、基礎知識をしっかり定着させておくとともに、普段から環境問題や宇宙・自然現象に興味をもち、理科的な視点で考える姿勢をもつことが大切です。

問題構成は、4分野から大問5題、小問26問。
解答形式は、言語が3問、記号選択が8問、作図(グラフ)が2問、記述が1問、数字が12問。
記述は、5~10字の穴埋め的なものでした。
数字は、滑車・気体の発生・湿度の問題で見られ、計算は平易なものでした。
選択肢は、平易なものが中心で、解答やすい問題がほとんどですが、「すべて選ぶ」ものがあり、確かな知識力が必要です。

問題別寸評

[1]

(物理)組み合わせ滑車についての問題です。
どれも典型的な組み合わせ滑車になっていて、見たことがあるものばかりだったのではないでしょうか。計算も平易なので、しっかり得点したいところです。

問1

おもりを、2か所で支えているので、36÷2=18(kg)。

問2

おもりを、6か所で支えているので、36÷6=6(kg)。

問3

ロープを引く距離は、6倍になります。12×6=72(cm)

問4

おもりを取り付けた動滑車を、3か所で支えているので、36÷3=12(kg)。

問5

ロープを引く距離は、3倍になります。12×3=36(cm)

問6

おもりを取り付けた動滑車を、4か所で支えているので、36÷4=9(kg)。

問7

ロープを引く距離は、4倍になります。12×4=48(cm)

[2]

(化学)水素の発生に関する問題です。
塩酸にアルミニウムを、量を変えて加えたときに、発生する気体の体積を示したグラフをもとに、考える問題です。

問1

塩酸にアルミニウムを加えると、水素が発生します。

問2

水素は、無色透明・無臭・最も軽い気体で、水にほとんど溶けません。ポンと音を立てて燃えて、水になります。

問3

塩酸に炭酸カルシウム(石灰石の主成分)を入れると、二酸化炭素が発生します。

問4

グラフから、塩酸A100mLに、アルミニウム2gが過不足なく溶け、このとき発生する気体は2500mLであることがわかります。

問5

塩酸Aの量が2倍になると、溶けるアルミニウムの量も2倍の4gになり、このとき発生する気体も2倍の5000mLになります。

問6

塩酸A100mLを2倍にうすめて200mLにしても、溶けている塩化水素の量は変わらないので、設問のグラフと、全く同じグラフになります。

問7

塩酸が3倍の300mLであるのに対し、アルミニウムは3倍の6gより多いので、アルミニウムが余ります。このとき発生する気体は、2500×3=7500(mL)です。

[3]

(生物)人体に関する問題。
ヒトの消化器官の知識と、だ液のはたらきを確かめる実験についての問題です。

問1

だ液せん(ア)ではだ液、胃(ウ)では胃液、肝臓(エ)では胆液、膵臓(カ)では膵液、小腸(ク)では腸液がつくられます。

問2

アミラーゼは、だ液や膵液に含まれている消化酵素です。

問3

ヨウ素液が青色になるのですから、デンプンが残っていると考えられるものを選びます。
だ液を入れていない試験管A、だ液があるが0℃にした試験管C、だ液を入れて沸騰させた試験管Eは、だ液がはたらかないため、デンプンが分解されずに残ります。

問4

だ液を入れて沸騰させた試験管Eと、同様にだ液を入れて0℃にした試験管Dを比較します。

問5

だ液がはたらく試験管Bの条件のうち、だ液だけがない試験管Aと比較することによって、だ液の有無で結果が変わることを確かめることが出来ます。

[4]

(地学)月のクレーターに関する問題。
月食やスーパームーンなど、月に関する話題は、毎年のように話題にあがりますが、クレーターについて、特に学習する機会はないので、戸惑った生徒が多かったのではないでしょうか。

問1

天体衝突などによってつくられる地形で、円形の盆地のことを、クレーターといいます。

問2

火山の噴火や大きな爆発でも、同様な地形が出来ることがあります。

問3

古いくぼみのあとに、新しいくぼみが重なると、その部分だけ、古いくぼみのへりがなくなります。

問4

→合否を分けた一題参照。

[5]

(地学)湿度に関する問題。
乾湿球湿度計での湿度の観測の方法は、基本の知識です。
さらに、空気に含まれる水蒸気の量と湿度の関係を理解できていれば、迷わす解答できる問題です。

問1

乾球温度計が示す値が、気温です。

問2

表2を使います。「乾球温度計の温度」は17℃、「乾球温度計と湿球温度計が示す温度の差」は2℃(17-15)なので、湿度は80%とわかります。

問3

気温が17℃のときの飽和水蒸気量は14.5gです。いま、湿度が80%なので、実際にふくまれている水蒸気の量は、14.5×80/100=11.6(g)です。これが12℃に下がると、飽和水蒸気量が10.7gとなり、ふくみきれなくなった水蒸気が、水滴となって出てきます。11.6―10.7=0.9より、0.9gの水滴が出ます。

合否を分けた一題

一見、手掛かりが無く、何を根拠に考えればよいか迷う問題です。
これは、どの生徒にとっても、ほぼ同じ条件であると考えると、知識として正確かどうかよりも、何を妥当と判断するか、理科的なセンスを問う問題ととらえることができます。

[4]
問3

クレーターができる原因である天体衝突は、地球でも起こりうることです。実際に隕石も落ちますし、それによってクレーターができることも、めずらしくありません。それでも、月のように、多くのクレーターが残っていない原因を考えるとき、大地の変化に関する知識を思い出してみるとよいでしょう。
たとえば、地層には、断層・褶曲・整合・不整合面など、さまざまな事柄が記録されています。これをみると、プレートの移動をはじめとした、地形の大きな変化が繰り返し起こっていることがわかります。また、風雨によって風化もされますし、流水による浸食・運搬・堆積作用によっても、地表面は変化し続けています。植物の存在も、地表面を変化させる、大きな要因の一つと考えらえられます。地球上に生きる生物もまた、地球環境を変化させ続けています。以上から、地形の変化に関係のないオを選びます。

この記事は役にたちましたか?
全く役に立たなかった役にたたなかったどちらでもない役に立ったとても役に立った (まだ評価されていません)
Loading ... Loading ...


城北中合格対策ドクターのトップに戻る
この記事が気に入ったら是非ご登録を

城北中入試対策・関連記事一覧

城北中入試対策・同じ教科(理科)の記事

城北中入試対策・同じテーマ(合否を分けた一題)の記事

他校の同じ教科(理科)の記事



menu_school

算数

国語

理科

プロ講師募集

お問い合わせ

PAGE TOP