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理科の合否を分けた一題

開成中入試対策・理科の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 B  問6 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 B

A…開成合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2019年度の開成は例年通り、開成志願者にとっては、易しい問題でした。70点満点で、合格者平均が65.2点(昨年度58.2点)、全体平均が61.7点(昨年度53.5点)ですから、理科では合否が決まらない印象は相変わらずです。
本年は、地学分野からの出題がなく、水に関連した化学分野の問題が2題出されました。生物分野は、昨年に引き続き、昆虫が取り上げられています。

化学分野の問題は、水の状態変化についての問題 と
ペーパークロマトグラフィーについての問題。
生物分野の問題は、アリの行列についての問題。
物理分野の問題は、熱の伝わり方についての問題。

すべての大問が、「実験」を中心に構成されています。
知識に頼ることなく、実験の結果を通して考える力を求める問題の比重が、これまでより格段に増えています。論理的に考える力を、しっかりとつけておく必要があります。
とはいえ、開成受験生にとっては、問題文をきちんと読んでいれば、迷う余地なく解答できる問題といえます。うっかりミスのないよう、落ちついて取り組むことが大切です。

問題構成は、3分野から大問4題、小問25問。
解答形式は、言語が1問、記号選択が20問、数字が4問。作図・記述はありませんでした。
言語は、ごく基本の知識でしたし、計算も平易でした。

問題別寸評

(化学)水の状態変化についての問題です。
どうすれば「透明な氷を作る」ことができるか? という主題にしたがって、「身近に聞いたり体験したりできるもの」を手掛かりに、実験を通して考えを進めていく問題です。4つに分類された手掛かりが、物質のどのような性質に基づいているのかをおさえてから、設問に取り組むと、スムースに対応できます。

問1

②の2番目のエピソードから、水が凍ると膨張して、同じ体積分の重さが軽くなることがわかります。したがって、氷は水に浮かびます。

問2

本文に、「水には水以外の物質を追い出しながら水だけが固体となる性質があります。」「水道水や雨水などに」「含まれている」「水以外の物質」は、「最後に閉じ込められると、白くにごって見える氷になる」とあります。図1の氷は、縁が透明で、真ん中あたりが白くにごっているので、まわりから真ん中に向かって、順に凍ったと考えられます。

問3

A 水道水を沸騰させると、中に溶け込んでいた気体が気体となって出ていきます。①にある、とけていた気体を取り除くことができます。
B ③から、先に凍った部分より、まだ凍っていない部分の方が、溶けこんでいる物質の濃度が濃いと考えられます。

問4

③から、凍らなかった海水は、表面付近にできた氷より塩分濃度が高いとわかります。さらに、②より、濃度が高い海水の方が重いため、下へ向かって沈んでいくと考えられます。

問5

地上にある水が空に移動するのは、蒸発による現象です。このとき、とけていたインクやオレンジジュースの成分は、蒸発せずに残ります。

(化学)ペーパークロマトグラフィーについての問題です。
高校の化学の教科書にのっている実験で、混合物の成分を分離して取り出す方法のひとつです。中学や小学校でも、実験のテーマとして取り上げられること多いので、行ったことがある生徒もいたかもしれません。設問の構成は、「予想」→「結果」→「評価」といった、実験の手順をふんだ形式になっています。

問1

インクが紙の上を移動するのは、毛細管現象によって吸い上げられる水に運ばれるからです。このとき、インクが水に溶けることが必要です。[予想1]では、「どの点も水に溶け」とありますが、図2のCは移動せず、水に溶けていないことになりますから、「間違っていた」と判断します。

問2

図2で移動しているAとBは、水に溶ける性質があるので、水につかった状態にすると、紙に吸い上げられる前に、水の中に溶けだして、色がうすくなってしいます。

問3

「2つ」選ぶ問題ですが、迷うところがありません。
黒ペンDのインクは水に溶け、紙に吸い上げられることによって移動します。水によく溶ける成分ほど、先に進むと考えられます。

問4

図5の①~③すべてで、同じように水が移動しているので、ろ紙を曲げたり斜めにしたりしても、水の移動距離には関係しないことがわかります。

問5

問4から、水につけた部分から同じ距離だけ、水は移動するはずです。イメージではなく、論理的な展開に沿って判断します。

問6

最も外側にくる色は、最も遠くまで移動した色でもあります。図3の「5分後」の図から、水色があてはまるとわかります。

(生物)アリの行列についての問題。
これも、実験を通して、論理的に考える問題です。条件の違う実験の結果を、どう突き合わせて比較すればよいでしょうか。「予想」→「実験」→「結果」→「新たな予想」…と、繰り返えされています。

問1・2

まずは、基本の知識の問題です。アリは、さなぎの時期がある完全変態ですから、同じ仲間の「ハチ」を選びます。幼虫と成虫のすがたのちがいが大きいことも、手掛かりになります。

問3

予想は、「左右に分かれた道にぶつかったとき、必ず右に曲がる」なので、その通りにたどると、ウになります。

問4

[実験2]では、アリの出すにおい物質を、最短距離の直線で引いたため、「においを道しるべにしている」のか、「最短距離を感じ取った」のか、区別できません。[可能性1]を否定するには、最短距離でない線を引いて実験し、[実験2]と異なる結果を得ればよいことになります。
問5
→合否を分けた一題参照。

問6

図4・図5とも、特定の距離で回数のピークが見られることから、何らかの方法で、距離を測っていると考えられます。目ではかっていたり、歩数と歩幅から計算したりしているのであれば、図4のような、足の長さによるちがいは見られないはずです。

(物理)熱の伝わり方に関する問題。
こちらも、実験を通して考える問題ですが、どちらかというと、論理的思考よりも、グラフの読み取りが中心です。

問1

金属の熱伝導は、熱源から順に均等に伝わります。ロウがとける範囲は、熱が金属の中を伝わる距離で決まります。

問2

「容器の外側の温度」と「氷がすべてとけるまでの時間」をかけ合わせると、25200で一定になるので、反比例の関係とわかります。

問3

問2を利用します。「容器の外側の温度」が350℃なので、25200÷350=72 より、72秒後とわかります。

問4

聞かれているのは、残っているロウソクの合計の本数です。
図3から、それぞれの金属について、「温度」が50℃より低い部分の、「左端からの距離」の範囲を読み取ります。金属1は約0.6m以上、金属2は約0.88m以上、金属3は約0.34m以上の範囲です。

問5

加熱をやめると、左端の温度は、600℃からしだいに下がっていきます。
図5で、1秒後のグラフを読み取ります。

問6

左端から離れた位置では、加熱をやめたあとも温度が上がり続けています。
図4と図5の3秒後のグラフについて、「温度」が50℃になる「左端からの距離」を読み取ります。

合否を分けた一題

理科の授業の中で、実験を行うことがたびたびあるかもしれません。机に向かって勉強するよりも、実験室で作業する方が楽しいですし、思い通りの結果が出ると、それなりに充実感もあります。授業で取り上げられる実験のほとんどが、印象づけることで知識の定着をはかったり、興味を引くことで理科への関心を高めたりすることが目的で、理想的な方法で行って、理想的な結果が出るものです。しかし、この問題で取り上げられている実験は、そのような種類のものではありません。
まず、予想を立てて実験を行い、結果から予想が正しかったどうかを判断し、間違っていれば次の予想を立てて、実験方法を考え直す。いくつかの発見をしながらも、果てしなく続くらせん階段を登っていくようです。
この問題では、知識に頼ることなく、実験から「わかること」と「わからないこと」を整理し、論理的に考え抜く力が試されたのではないかと考え、合否を分けた1題としました。

問5

アリをすりつぶしたものには、腹から出すにおい物質もふくまれているはずです。しかし、すりつぶすときにアルコールを加えたため、におい物質とアルコールのどちらが道しるべになっているのかを、確かめる必要があります。アリがアルコールのにおいをたどったとする[可能性2]を否定するには、アルコールだけで線を引く実験を行い、アルコールのにおいをたどらない結果になるものを選びます。[可能性2]が成り立つのであれば、アルコールだけで曲線を引けば、その曲線に従うはずです。逆に、イのように、それに従わなければ、[可能性2]を、否定することができます。

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