1 | (1)A (2)A (3)B |
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2 | (1)A (2)B (3)A (4)アC イC ウA |
3 | (1)A (2)A (3)B (4)C |
4 | (1)A (2)B (3)C (4)C |
A…開成中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題
題意の確認問題です。
(C)は約分した後の分子を、4の約数の1・2・4に分けて場合分けすることが必要です。
真分数の場合、帯分数にした時の整数部分が1の場合、帯分数にした時の整数部分が2の場合というように、順序立てて場合分けをしましょう。
(2)と同様に、帯分数にした時の整数部分で場合分けし、順に書き出しましょう。
なお整数部分が3や6の時は分数部分が約分できてしまい、題意を満たさないことに気を付けましょう。
これまでの問題と同じように整数部分に注目して場合分けをすると、最大の数は整数の54と分かります。
念のため2015/27は54より大きいことも確認しておいた方が良いでしょう。
続いて整数部分が52・51・50・・・と約分できないものを丁寧に調べ上げていきましょう。
最後に分母が27の仮分数で答えることにも注意が必要です。
カは正方形の一辺を半径とする中心角60°の扇形から、正方形の一辺と共通する辺を持つ正三角形を除くと考えましょう。
図形として処理できる易しい問題です。
ア+イは、オ+カ×2と等しいことが分かります。
(1) を利用し、カの面積をオとエに置き換えることが必要です。
イ+ウ+オでできる図形を等積変形すれば正三角形エと等しくなります。
(2)と比べて易しい問題です。
ウは非常に易しいので取りこぼしに気を付けましょう。
一方でア・イは柔軟な式変形が求められる難問です。
ア=キ-(イ+ウ)×4とおき、(3)を利用して(イ+ウ)を、エとオの式で置き換えるような発想力と、文字を使った式への慣れが求められます。
問題文の条件を正しく把握できているか確認するだけの問題です。
易しいとはいえ、ここでの数値設定が(4)まで影響するので、慎重に取り組むことが求められます。
なお開成中学の算数の入試問題において、答えが分数になってしまうことは珍しいことではないので、動揺する必要はありません。
基本的な旅人算です。
まさひろ君がCに着いた時を基準とすると、A地点とB地点の間においては2人の速さが等しいため、中間地点で出会うと考えると処理量を減らすことが可能です。
まさひろ君のほうが1周にかかる時間は短いので、次にB地点とC地点の間ですれ違うのは(2)の状況よりもB地点寄りになります。
実際に解く際は1周にかかる時間の差を利用し、計算量が増えないように工夫を心がけましょう。
具体的な方法は後ほど取り上げます。
(3)より2人がすれ違う場所は、毎回同じ距離ずつB寄りにずれていくことが分かります。
また2人が1周する間にB地点とC地点の間のほかに、A地点とD地点の間でも出会っていることに気を付けましょう。
計算量や注意点が多くミスしやすい問題です。
問題の指示通りに計算するだけの問題です。
この問題で失点した受験生は、ほぼいなかったことでしょう。
平行四辺形いかセコを上下で2等分する上側の図形になることに気づきましょう。
問題で与えられている横からの投影図だけではなく、正面からの投影図も利用すれば状況を把握しやすくなることでしょう。
状況を見取り図で図示することは難しいものの、(2)を利用すると、(2)を底面とする高さ2cmの傾いた四角柱になると考えられます。
立体感覚の問われる難問です。
(3)と同様、感覚的にとらえることは難しい問題です。
正面から見た図で状況を整理して、正面から見えるひし形を底面とする、傾いた四角柱と考えましょう。
年度によって出題数や難度が一定しないことが開成中学の算数の出題の特徴として挙げられます。平成24年から平成26年の3年間でも難度は難→易→難と推移してきました。
そして迎えた平成27年、本年度の問題も難度が高い出題になりました。
その結果、受験者平均点、合格者平均点ともに前年とほぼ同じ数字ではあったものの、得点の取り方や難度の質には変化がありました。
まずは出題構成に注目してみましょう。
1番の数の性質と3番の速さにおいては作業の正確さと丁寧さが問われたのに対して、2番の平面図形と4番の立体図形では発想力や柔軟性が問われたように、大問によって受験生に課していたテーマが明確に異なっていたことが例年と異なる特徴として挙げられます。
また各大問において、きわめて基本的な問題が数問ずつ配置されていたことも近年珍しい特徴です。これによって各大問の完答が難しくても、確実に部分点を取ることができ、平均点の底上げにつながったと考えられます。
そんな平成27年の開成中学の算数の出題において合格を勝ち取ることができた受験生は1・3で高得点を上げられる丁寧で正確な作業力と、2・4の片方以上で充分な得点を獲得できる柔軟な発想力を、高度に両立させていたと言うことができるでしょう。
算数の基礎学力が備わっていて当然、思考力や柔軟性、緻密さなど高度な総合力が求められる、学力差の明確に出る試験でした。
そんな今年の開成中学の出題において、努力が報われ、また得点差がついたであろう3番の速さの(3)(4)を「合否を分けた1題」として取り上げます。