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算数の合否を分けた一題

開成中入試対策・算数の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

(1)A (2)A (3)A (4)B (5)B (6)A (7)A
(1)A (2)B
(1)A (2)B (3)B

A…開成合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

平成30年度 問題別寸評

(1)

昨年度同様、同じ数が2か所に入る計算問題。( )のなかの比を求めてから計算することに気付ければ、さほど複雑な計算も必要なく難なく求められます。開成合格を目指すならば落とせません。

(2)

球が3色あるので、少しやりづらく感じた受験生も多かったかも知れません。
いろいろと場合分けをして考えることもできますが、手間を考えると素直に樹形図で整理した方が無難な1問です。難易度としては標準的なものですのでしっかりと得点したい問題です。

(3)

基本的な流水算です。この問題は確実に正解しなくてはなりません。

(4)

食塩水のやりとりの問題です。同じやりとりを2回に分けて行っていますが、冷静に「食塩水(食塩)の重さの和は変わらない」ことに注目できるかどうかがポイントでした。このことに気付けなければ難問に感じたことでしょう。ただし、開成合格を目指すうえではしっかりと取りたいところです。

(5)

開成では頻出の、立体の展開図問題です。与えられた展開図を組み立ててできる立体の体積を求める問題でした。組み立ててどのような立体になるのか、気付けなかった受験生もいたことでしょう。ただし、立体の切断問題演習をたっぷりとこなしてきている受験生にとっては、「正方形3枚、直角二等辺三角形3枚、正三角形1枚」からどのような立体なのかに気付いてほしい1問です。

(6)

非常に易しい1題です。正六角形の分割の基本問題でしたので、ここは確実に得点しなければなりません。

(7)

平面図形の問題です。2問ありましたが、どちらもいたって標準レベルの問題でしたので、ここで1つでも失点してしまうと合格はかなり厳しくなったと言えるでしょう。

(1)

数種類の円の弧を組み合わせた図形の問題です。
数値設定を見て、一瞬焦った受験生もいたかも知れません。ですが、冷静に処理すれば暗算でも計算可能な親切な数値設定でした。確実に正解しておきたい問題です。

(2)

循環小数を題材にし、周期をとらえさせる問題でした。
開成合格を目指すうえでは考え方自体はいたってシンプルなものですが、この問題はやや計算処理が面倒だったため、計算ミスなくしっかり得点できたかどうかがポイントとなったことでしょう。

(1)

数の性質を考えさせる数表問題です。
数字と約束記号を使った問題です。図全体のマスの数が「並べた数の平均×個数」となっていることに注目します。このことを利用してすんなりと解いていきたい1問でした。

(2)

(1)同様に、「合計=平均×個数」に注目して考えていきます。10×10=100マスですので「100=平均×個数」を満たす(平均、個数)の組み合わせを求めます。開成合格を目指すためには「100=整数×奇数」あるいは「100=□.5×偶数」の2つのタイプを考える必要があることには気づかなくてはなりません。合格を目指すためには、試験時間内にこの(2)まではしっかりと得点しておきたいところです。

(3)

考える手順は(2)と全く同じです。ただし、数値的に、考えられる場合の数をすべて拾っていくことがやや難しかったと思われます。
この問題は完答ではなく部分点をもらえるだけでも十分合格ラインには到達したでしょう。

合否を分けた一題

今年の開成の入試問題は「非常に易しかった」と言えるでしょう。
過去問などの難問で鍛えてきた受験生たちにとっては肩透かしを食らったような問題でした。それゆえ超高得点争いとなり、例年以上に「つまらないミス」が命取りになってしまう状況でした。
模試の結果から考えると、本番で逆転現象が起こった例も多かったかもしれませんね。
そんな中、合否を分けた1題として、大問3を取り上げます。

(1)

問題の図(数表)と問題文から、「全体のマスの数=並んでいる数の平均×並べた数の個数」となっていることがわかります。
よって、
7×7=49(マス)…全体のマスの数
49=平均×個数
を考えます。
ここで、
「個数が奇数なら、平均は整数」
「個数が偶数なら、平均は□.5」
となることに注意して、あてはまるものを考えると
平均=7、個数=7
の組み合わせしかありません。
7個の平均が7ということは、4から10の7個と求まります。
答え:4から10まで

(2)

(1)同様に考えます。
10×10=100(マス)…全体のマスの数
100=平均×個数
を考えます。
(平均,個数)=(20,5)
=(12.5,8)
のときに成立します。
5個の平均が20ということは、18から22の5個と求まり、
8個の平均が12.5ということは、9から16の8個と求まります。
答え:9から16まで、または18から22まで 

(3)

(1)(2)同様に考えていきます。
30×30=900(マス)…全体のマスの数
900=平均×個数
を考えます。
数値が大きくなって大変ですので、
900=2×2×3×3×5×5
と素因数分解してから
「平均が整数、個数が奇数」
を考えていきましょう。すると
(平均,個数)=(300,3)
=(180,5)
=(100,9)
=(60,15)
=(36,25)
の5通り求められます。
次に、
「平均が□.5、個数が偶数」
になるときを考えます。
この場合は
(平均,個数)=(112.5,8)
=(37.5,24)
=(22.5,40)
の3通り求まり、合計
5+3=8(通り)
となります。
答え:8通りの並べ方があり、それぞれ3,5,8,9,15,24,25,40種類の整数を使う

昨年、一昨年と2年連続で難化傾向が続き、今年はやや易しくなるのではないかと言われることが多かった開成の入試問題。ふたを開けてみると、予想以上に標準的な問題が多いことに驚かされました。ただ、来年度以降はというと、易しかった翌年度はまた難化する傾向が見られるため、やはり数の性質、立体図形、場合の数などの応用問題に対する対策をしっかりとしていく必要はあるでしょう。

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