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国語の合否を分けた一題

攻玉社中学入試対策・国語の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類


すべてA
1 B 2 A 3 B 4 A 5 A
問一 A 問二 A 問三 B 問四 A 問五 B問六 A 問七 A 問八 B 問九 B 問十 B
問一 A 問二 B 問三 B 問四 A 問五 B問六 A 問七 B 問八 B 問九 B

A…攻玉社中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

総評

大問五題構成で例年通りの出題内容でした。ただ、大問四と五が「論説文→物語文」の順になっており、そこは例年とは順序が反対です。しかし、攻玉社中の過去問対策をしてきた受験生であれば、二つの読解問題をどちらから解くかは各々決めている場合も多いと思いますので、大きな影響はなかったと思われます。
また、攻玉社は物語文の素材として大正~昭和前期に書かれた近代文学を選ぶことが大きな特徴であるといえます。設問そのものはオーソドックスなのですが、文体に馴染みがないのが原因で取り組みにくさを感じることが多いのではないでしょうか。過去問をしっかりとやり込むのはもちろんですが、その際には答え合わせだけではなく、本文の中の言葉や言い回しで意味の分からない部分を調べたり先生に質問したりして、少なくとも自分が取り組んだ文章の内容については正確に理解しておきましょう。

問題別寸評

一・二

大問一は漢字の読み取り、大問二は漢字の書き取りです。

毎年異なった形式で知識に関する問題が出題されています。今年は条件に従って言葉を分類し、ひとつだけ異なるものを答えるという問題でした。3、4の熟語の問題は、そもそも何を基準に答えを選ぶべきかをきちんと判断できたかどうかが大きな分かれ目となったと思われます。1はやや難しく、2も小学生が苦手とする敬語でした。この中では5が最も易しかったといえます。合計三つくらいは正解できれば、といったところでしょうか。
1[季節] 帰雁のみ春です。残りは秋の言葉です。
2[敬意の表し方] 御社のみ尊敬語で、残りは謙譲語です。
3[熟語の読み方] 音読み・訓読みの組み合わせで分類せよという意味です。消印のみ「けし・イン」で「訓・音」の湯桶読みで、残りの四つは「音・音」です。
4[熟語の構造] 熟語の組み立てと習った人もいるでしょう。それぞれの字がどういう関係で組み合わせられた熟語かを考えます。誕生のみ「似たような意味の字をあわせた熟語」です。その他は「動詞+目的語」の形です。
5[数え方] 豆腐のみ「一丁、二丁……」と数えます。残りは「本」です。

徳田秋声『初奉公』の全文が出題されました。

問一

空欄にあてはまる擬態語を選ぶ問題です。やや古風な「ほろほろ涙を流す」「お酒をちびちび飲む」あたりは少し難しいかもしれませんが、全問正解を狙いたいところです。

問二

「お母さん」という言葉が指し示す人物を区別する問題です。風変わりな問題ではありますが易問です。

問三

「楽」ではないものを答える問題です。「金銭的に・経済的に」楽ではないということは文脈からすぐに判断できると思うので、あとはあてはまる表現を見つければ答えられます。終盤に「東京にこんな暮らしをしている人のあることを見も知らない……」とあり、ここから「暮らし」と書き抜くことができます。

問四

「何かする」の内容としてふさわしくないものを選ぶ問題です。条件さえ見落とさなければ易しかった問題です。

問五

「厭な気」の内容としてあてはまるものを選ぶ問題です。「いや」という言葉のイメージに引きずられず、まずは冷静に傍線部を含む一文に目を通しましょう。すると「……厭な気がしたので、お母さんやお花の顔を見ないようにしました」とあります。「~ので」というのは原因・理由を表しますから、この心情のせいで二人の顔を見られなかったと考えられます。また、直前で悲しくなって涙を流していたことも参考にできるでしょう。

問六

「哀れな身のうえ」の内容を十五字で探し、書き抜く問題です。お父さんが亡くなったという内容であることはすぐに分かるので、あとは該当する箇所を探すだけです。

問七

傍線部のお初の行動の理由を「二つ」選ぶ問題です。誤りの選択肢が分かりやすいため、特に苦労する部分はなかったと思われます。

問八

お初が警戒していたとわかる表現を指定の条件で探す問題です。警戒するというのは「好ましくないことや危険なことを防ぐために用心すること」という意味です。後半は徐々に屋敷に慣れていく様子が描かれていますので、屋敷に連れてこられたばかりの部分から探していきましょう。すると、傍線部④の直前で「まだまだなかなか安心することは出来ないと思いました」という表現が見つかります。

問九

合否を分けた一題で解説します。

問十

小説全体について、適切ではないものを答える問題です。この作品は全体的に地の文で丁寧にお初の様子を追いかけている形をとっており、「主に会話文で成立している」とは判断できません。

加藤秀敏『社会学―わたしと世間』より

問一

空所にふさわしい副詞を選ぶ問題です。特に難しいものはありません。

問二

空所にふさわしい漢字一字を考えて書く問題です。答えは「風」で、一般的には「世間の風は冷たい」という言い方をします。「社会の厳しさ」といった意味で用いられます。

問三

脱文挿入の問題です。この種の問題で必ずチェックすべきは「指示語・接続語」。今回は「そんなふうにして」という指示語が含まれますのでここをヒントにします。指示語のあとは「人類史は、そして生物世界はつづいてきた」と続きますので、人類や生物の世界がどうやって続けられてきたのかが述べられている箇所を探しましょう。人類だけでなく「生物世界」までを含むような、大きくまとめられているところが正解になります。

問四

傍線部の理由としてふさわしいものを選んで答える問題です。傍線部は「~である。」と言い切る形ですが、直後の文でも「世間に仲間入りしているのである。」と断定調の文をくり返しており、これは傍線部と直後の文が同内容であるということを示しています。そのまま同段落を読んでいくと、この内容について説明されています。

問五

傍線部の表現について、どういうことであるのか、正しく説明しているものを選ぶ問題です。同心円とは、中心が同じで半径は異なる円のことです。ここまでで、人間は生まれて最初に母親と触れ合ってから、成長するにつれて「すこしずつ世間を広くしてゆく」ということが述べられていますので、それをたとえているのだと読み取ることができます。

問六

傍線部のように筆者が考える理由としてふさわしいものを選ぶ問題です。中略前までで述べられてきた内容と、いまの日本の現状とを比較して、「『世間の風』にあたるのは、ずいぶんおそくなった」と書かれています。中略前の段落末尾の「……そんなふうに世間で揉まれてだんだん一人前になってゆくことを『社会化』という」という表現もヒントになると思われます。

問七

傍線部の内容を説明したものとしてふさわしいものを選ぶ問題です。傍線部を含む一文に目を通すと、「じっさいにはおたがい数ある候補者のなかから好きな相手を『好ききらい』でえらんでいるのである」と、それまで説明して来た男女の「縁」のロマンチックさが打ち消されています。そしてさらに、同段落には「『縁』というのは、……事態を合理化するためのものであることが多いのだ」とも述べられています。これらを踏まえて、同じようなことが書かれているものを選びましょう。

問八

傍線部のように筆者が感じる理由としてふさわしいものを選ぶ問題です。複雑な気持ちというのは、相反する気持ちが入り混じって、説明しがたい気持ちになることです。「相性」のよしあしについて初めて本格的な研究をしたアメリカの空軍に対して、それ自体は素晴らしいことではありますが、その素晴らしい研究の結果として日本が被害を受けたと考えると考えると、手放しでは称賛できない……という、筆者のもやもやした気持ちを読み取りましょう。

問九

本文の内容と合致するものを選んで答える問題です。記憶で解いてしまわず、該当する話題が述べられていた箇所と照らし合わせて、確実に正解しましょう。

合否を分けた1題

問九

傍線部のときのお初の気持ちを書いて説明する問題です。今回の入試の中では間違いなく一番難しかった問題であると言えるでしょう。七十字という指定の割に盛り込みたい内容は多く、的確な言葉に置き換えてうまくまとめる力も要求された一題でした。

考え方

まずは、本文のどの部分を元として考えていくのか、その範囲を考えます。
「お初」が考え事をしている部分は、「するとまた、夢のような一日が……」からであると考えられますので、ここから最後までを根拠として用いると判断することができます。
ではこれらの三文を見てみましょう。
① 夢のような今日一日のことが思い出される
② 妹やお母さんが恋しくなる
③ あの可愛い赤さんをおいて、ここを出ようとは思わない
この三つの要素が解答の根拠となるのです。

次に内容を具体化し、補います。
① 夢のような一日とはどういったものでしょうか。明らかにプラスの表現ですので、今日あったことで良かった部分を振り返りましょう。この日のお初は、見たこともないような立派なお屋敷で、隠居様や奥様、他の女中たちにも親切にしてもらっていました。
② ここは特に補う必要はありません。ただ、寂しい、悲しいというマイナスの要素ですあることには留意します。
③ 一日お世話をした赤ちゃんのことを愛おしく思うようになっています。プラスの気持ちです。

それでは実際にこれらを結び付けていきましょう。
結局のところお初は、ここ(奉公先のお屋敷)での暮らしに対して「がんばっていこう」と前向きな気持ちになっていますので、組み立てとしては最後をプラスで終えられるように、②→①→③とするのがよいでしょう。

解答案: 母や妹が恋しくはあるが、立派な屋敷で優しい一家やその使用人たちと過ごした一日に興奮し、また、お世話をした末の赤ちゃんにも愛情を抱くようになってきて、ここでの奉公生活を頑張ろうと前向きに意気込む気持ち。(98字)

文字数の制限があるため、これをもう一段階まとめます。

解答例 母や妹は恋しいが、立派な屋敷で優しい人々と過ごした一日に興奮し、末の赤ちゃんにも愛情を抱き始め、奉公生活に対し前向きに意気込む気持ち。(67字)

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