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理科の合否を分けた一題

駒東中入試対策・理科の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

(1) A  (2) B  (3) A  (4) A  (5) A  (6) A  (7) A  (8) A
(1) A  (2) A  (3) A  (4) B  (5) B
(1) A  (2) A  (3) B  (4) A  (5) A
(1) A  (2) A  (3) A  (4) A  (5) A  (6) B(7) B  (8) B
(1) A  (2) A  (3) A  (4) A  (5) B  (6) C

A…駒場東邦合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2019年度の駒場東邦は、例年通り、幅広い知識と、論理的思考力をためす問題が中心でした。本年は、80点満点で、受験者平均が45.2点(昨年39.3点)、合格者平均が48.8点(昨年42.4点)と、昨年と比べて上がっています。これは、昨年度の難易度が特に高かったことによるもので、本年度は、問題数、難易度ともに、平年並みにやや戻した印象です。

出題構成は、小問集合が1題と4分野から1題ずつで、変わっていません。
小問集合は、月の見え方・火山・落葉樹・光合成と呼吸・温度と体積・アルコールランプの使い方・てこ・電熱線と水の温度変化と、例年通り、4分野から2問ずつ出されています。
地学分野の問題は、台風に関する問題。
化学分野の問題は、水溶液のこさと中和反応についての問題。
生物分野の問題は、カイコガとクワに関する問題。
物理分野の問題は、磁石による力のはたらきについての問題。

絶滅危惧種・外来生物法など、詳しい知識が求められる一方、問題文や天気図を読み取って活用する力、さらに、問題の流れから、次の結果を予想する力が求められました。
知識については、テキストにあることがら以外のものについては、時事的な内容であればある程度は対策もできるのですが、何年も前の話題であったり、詳しすぎる内容であったりすれば、確実な知識として覚えている生徒は少ないはずで、もはや合否を分ける問題ではありません。
それに対し、本年は特に、文章を読み取る力を見る問題が多くなっていて、問題文の読み落としが命取りになります。しかも、ただ漠然と読んでいればよいのではなく、問題文にそって解釈し、知っている事柄と関連づけて考えを進めることができなければなりませんでした。

問題構成は、4分野から大問5題、小問37問。
解答形式は、記号選択が21問、数字が3問、言語が5問、記述が5問、作図が3問。
昨年なかった言語が出され、小問数は増加しています。
計算を要する問題が3問ありましたが、計算自体は煩雑ではありません。
作図の3問は、シンプルなように見えて、やや迷うものでした。
記述は、2行程度が3問、1行程度が1問、10字程度が1問でした。

問題別寸評

(総合)小問集合です。
小問集合とはいえ、よく練られています。問題文をしっかり読みとって、ミスのないように注意します。

(1)

朝方に見える「半月」は、下弦の月です。見える方位が南であることに注意して、形を選びます。

(2)

活火山でないのは、金時山だけです。木曽御嶽山は、2014年に噴火し、多くの登山客が犠牲になりました。阿蘇山は2016年、伊豆大島は1986年、三宅島は2000年に噴火しました。かなり詳しい知識が求められています。

(3)

こちらも、知識です。陽樹と陰樹、落葉樹と常緑樹については、代表的なものはおぼえておきましょう。
スギ・カシ・シイは常緑樹とおぼえておきましょう。

(4)

実験結果から考える問題です。葉100cm2で、見かけの光合成量が15mg、呼吸量が5mgなので、実際の光合成量は20mg(15+5)です。葉の面積が200cm2のときは、これを2倍します。

(5)

空気も水もふつう、あたためると膨張し、冷やすと収縮します。このとき、水よりも空気の方があたたまりやすく冷めやすいので、短い時間でへこみ、短い時間で戻ります。

(6)

アルコールランプは、ほのおの熱で気化したアルコールが燃えています。このとき、しんの出ている部分が長いほど、多くのアルコールが気化することになるので、ほのおが大きくなります。逆に、しんが短いと、ほのおは小さくなります。

(7)

「おもりの重さ」と「支点からおもりがぶらさげられている位置までの長さ」は、反比例の関係です。アは、「電球からの距離」の2乗と「光の明るさ」が反比例するので、ちがいます。

(8)

電圧が同じとき、細い電熱線の方が、流れる電流が小さくなるので、発熱量も小さくなります。アと同じように、温度が一定の速さで上昇しているグラフのうち、上昇温度が小さいものを選びます。

(地学)台風に関する問題です。
ここでは、特に詳しい知識は必要なく、文章と図をしっかり読み取って考える問題となっています。もちろん、根本原理が身についていれば、よりすばやく対応できたはずです。

(1)

強い雨を降らせる雲は、積乱雲です。台風は、積乱雲が集まったものです。

(2)

『台風に伴う風の特性』の項目に、「反時計回りに強い風が吹き込んでいます。」とあります。南岸の湾で高波になるのは、南からの風が吹き込むときです。南から湾に吹きこむ風は、左へ向きを変え、西にある台風に入る風です。

(3)

『台風とは』の項目に、「台風は暖かい海面から供給された水蒸気が…エネルギーとして発達します。」「移動する際に海面や地上との摩さつにより絶えずエネルギーを失っており」とあります。これを手がかりに、あてはまるものを選びます。

(4)

これも、読み取りの問題です。『台風に伴う雨の特性』の項目に、「台風自身の雨のほかに、前線の活動を活発化して降る雨もある」とあります。また、直前の説明文に、「通常、地上付近では、高気圧から吹き出して低気圧へ吹き込むような向きで風が吹きます。」とあります。台風18号は、九州の西側を北上して通過したので、日本海にぬけたことになります。ここに向かって、日本の東に張り出した高気圧から風が吹き込みます。このときの風は、暖かく湿った空気で、東北地方の停滞前線を活発にして大雨になったと考えられます。

(5)

→合否を分けた一題参照。

(化学)水溶液の濃度と中和反応についての問題。
濃度と、反応に必要な量は、反比例します。うすめたときの処理の基本は、反応に必要な量を、基準となる水溶液の濃度に置き換えて計算ことです。

(1)

2019_gouhi_rika_01

(2)

完全中和する塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の体積の比は、塩酸○ウ:水酸化ナトリウム水溶液○A=5:4です。塩酸の混合液を、塩酸○ウの量に置き換えると、5×100+5×10+5=555(mL)です。また、水酸化ナトリウム水溶液○B45mLは、水酸化ナトリウム水溶液○A450mL(45×10)に相当するので、
2019_gouhi_rika_02

(3)

塩酸に石灰石を入れると、二酸化炭素を出してとけます。塩酸○アの濃度は、塩酸○ウの100倍なので、塩酸○アの方が、さかんに反応することは、一目瞭然のはずです。

(4)

実験2で、色が二層に分かれたのは、水酸化ナトリウム水溶液の方が、密度が大きかったからです。しかし、24時間放置すると、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は、十分混じり合います。塩酸2.5mLと水酸化ナトリウム水溶液3.0mLの混合液はアルカリ性なので、このとき、青色一色になります。

(5)

レモン果汁は、酸性の水溶液です。
アサガオ・ムラサキキャベツ・ぶどうジュース・黒豆には、アントシア二ン系の色素が含まれていて、酸性で赤色、アルカリ性で青色に変化します。また、紅茶に含まれているテアフラビンは、レモン汁と反応して、色がうすくなります。牛乳にレモン汁を入れると、タンパク質がいくぶんかたまりますが、色はほとんど変わりません。

(生物)カイコガとクワに関する問題。
カイコガについては、比較的基本の知識ですが、クワの関連から「レッドデータブック」や「特定外来生物」の話になると、対応しづらかった生徒も多かったのではないでしょうか。

(1)

さなぎの時期のある育ち方を、完全変態といいます。

(2)

カイコガの卵は、球に近い楕円形です。

(3)

アは単眼で、頭部に6個あります。イは9対ある気門のひとつです。ウは目のように見える模様で、眼状紋といいます。

(4)

Aは、小枝や葉でみのをつくる、一般にミノムシといわれるガで、チャミノガです。Bは、絹糸をとるために育てられているカイコガのまゆです。Cは、白と茶色の模様が特徴的なイラガのまゆです。

(5)

モンシロチョウの食草は他に、ダイコン・カブ・コマツナ・ブロッコリーなどがあります。他に、アゲハはミカン科の植物、キチョウはマメ科の植物、キアゲハはニンジンやパセリなど、オオムラサキはエノキなどの葉を食草としています。

(6)

やや詳しい知識の問題です。すべて選ぶとあるため、難易度が高くなっています。
カイコガは、古くからヒトに育てられ、絹糸をとるために改良されてきた昆虫なので、絶滅危惧種ではありません。二ホンカワウソは、かつて特別天然記念物に指定されていましたが、すでに2012年に絶滅種に指定さています。ブナは、日本のような温帯の林を代表する樹木で、絶滅危惧種ではありません。カントウタンポポは、セイヨウタンポポに生殖域をうばわれ、数は減少していますが、絶滅危惧種ではありません。

(7)

外来生物法の対象になっている生物には、アライグマのほか、ブラックバス・ブルーギル・ミドリガメなどがあります。ペットとして飼われていたアライグマが野生化し、農作物や家畜に被害がでているだけでなく、感染症を媒介したり、人やペットなどに攻撃したりすることもあります。私たちは、「入れない」「捨てない」「ひろげない」の3つのことを守らなければならないとされています。

(8)

純粋なオガサワラグワの種子を得るためには、純粋なオガサワラグワのめしべが、純粋なオガサワラグワの花粉とだけ受粉するようにします。純粋種子が存在するので、これを集めて、アカギやシマグワのない場所で、ヤギに食べられないように隔離して育てます。

(物理)磁石による力のはたらきについての問題。
実験の結果を予想し、条件を変えてさらに実験を重ねていきます。磁石の引き合う力と反発しあう力が、それぞれの場合について、どのようにはたらくかを、考える問題です。

(1)

円板状の磁石のN極には、方位磁針のS極が引きつけられます。円板状の磁石を、方位磁針のへりまで近づけると、磁針は円板の中央に向きます。

(2)

ほとんどの金属は電気を通しますが、常温で磁石につくものは少なく、鉄・ニッケル・コバルトなどのみになります。アルミニウムは、磁石につきません。

(3)

2019_gouhi_rika_03

(4)

磁石④を磁石①に近づけると、磁石②・③が、磁石④から逃げるように、磁石①のへりにそって動き、磁石②・③・④が同じ間隔になる位置になります。
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(5)

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(6)

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合否を分けた一題

駒場東邦の理科には、どこにも手がかりがなく、答えがわからない難問が含まれていることがあります。手掛かりが本当になければ、もはや合否を分ける問題ではありせん。そう思って、この問題を後回しにした生徒もいたかもしれません。しかし、この問題はちがいます。ちゃんと、手掛かりが示されている問題です。

(5)

『台風とは』の項目に「東風(貿易風)が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し、上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・高緯度に来ると速い速度で北東へ進みます。」とありますが、やや漠然としています。
そもそも台風なんて、どう進むかは、そのとき次第ですし、去年の夏は、台風がぼこぼこ来て、進路もぐちゃぐちゃだったような…
そこであらためて、図2の天気図を見ます。ここで、図1にはないことばがあることに気付きましょう。たとえば、矢印。天気図の台風・低気圧・高気圧に、矢印で進行方向を示す矢印と、速度が書き入れられているではありませんか。これは、大きな手掛かりです。つまり、台風ははじめ,天気図通りに、矢印の向き北西に進みます。
次に、文章にある「偏西風」です。天気図を見ても、日本列島の北にある高気圧や低気圧は、どれも東へ向かって移動しています。したがって、台風は北西に進んだ後、北東へ進路を変えると予想できます。

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