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社会の合否を分けた一題

駒東中入試対策・社会の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

A:駒場東邦中合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:やや難しく差がつく問題
C:難問

問1 (1) a B  b A  c A  d A
(2)A
(3)A
問2
問3 (1)A (2)A (3)A
問4 (1)B (2)B
問5
問6 (1)B
(2)(ⅰ)A  (ⅱ)A   (3)A
問7
問8 (1)あ A い B (2)B (3)B
(4)う A え A お B
問9

出題総評

今年も例年通り、大問が1題の出題でした。小問総数は26問で、うち語句形式の問題が7問。記号選択が12問。記述問題が7問となっていました。記述問題の内訳として、資料・図の読み取りに関する記述は4問。説明型記述が3問となっていました。記述量は例年通りでした。
今年は、瀬戸内地域に関するリード文から、「水資源」や「観光」「地域社会」をテーマとして3分野からの総合問題形式での出題でした。地図、歴史史料、グラフ、統計資料の読み取りは昨年までと変わらず出題が見られました。一昨年、昨年に比べて、難易度に大きな変化はありませんでした。
とても難しい難問はありませんでしたが、3分野から広く出題がみられます。
「素早い処理能力」や「記述をまとめる力」、「読み取る力」など高い社会の力が求められています。
必ず出題される資料や地図に、日頃から触れておくことや、記述を簡潔にまとめる練習が合否を大きく左右するでしょう。特に記述問題は、設問の指示をきちんと整理し、その指示や条件に沿って作成するよう心がけましょう。
複数枚の史料や図の「共通点」を踏まえて答える問題も多いことから、資料集の活用を普段から心がけることも大切です。

問題別寸評

問1
(1)

a 鹿児島県が1位となっていることからぶり類があてはまります。
b 愛媛県は真鯛の養殖がさかんです。
c 広島県が1位になっていることから、カキ類があてはまります。
d 真珠の養殖は、宇和海(愛媛)沿岸や、大村湾(長崎)、志摩半島の英虞湾(三重)が有名です。

(2)

①の地点は日本海側に位置するため、冬に降水量の多いZの雨温図があてはまります。
②の地点は瀬戸内海に位置するため、1年を通して降水量が少ないことから、Xの雨温図があてはまります。
③の地点は、太平洋側に位置するため、夏に降水量が多いことから、Yの雨温図があてはまります。

(3)

図1・2の地図の中で、農業がおこなわれている部分に注目します。
両方の地図に共通して「讃岐富士」や「山北町」付近で水田が確認できます。
水田の近くには「ため池」がいくつか確認できますね。
設問では①気候の特徴②農業を行う際の工夫を答えるよう求められています。
したがって、『降水量が少ないという特徴があるため、ため池を作り、農業に利用している』のようにまとめましょう。

問2

史料1からは「2万人が1900人に減っていた」とあることから、人口が著しく減少していることが分かります。表2からは、女性の「庸」「調」「兵役」がないことが読み取れます。表3からは「租税の負担義務のない人がある人に比べて圧倒的に多いことが分かります。以上の点を踏まえて、「租税の負担義務がない人が圧倒的多数を占めることから、重い税負担から逃れるため戸籍を偽る人が多くいたと考えられるから」のようにまとめると良いでしょう。

問3
(1)

「 …平安時代の貴族の居住形式…」とあることから「寝殿造」があてはまります。

(2)

『曾根崎心中』を書いたのは「近松門左衛門」です。

(3)

「…多くの百姓や町人の子供たちが藩校で読み書きなどを学んだ」とありますが、百姓や町人の子は「寺子屋」で学びました。

問4
(1)

図5を読み取ります。図5からは『自動車』による観光客入込数が多くなっていることが分かります。
次に、図1・2を比べます。図5で確認したように『自動車』が増加していることを念頭に、『交通』の面での変化を読み取ります。すると、図2には『瀬戸大橋線』という高速道路ができていることが確認できます。最後に記述の書き方を確認します。
①図1・2の比較 ②観光客数が増加している理由 の順で記述を作成します。

瀬戸大橋が開業したことで、自動車や鉄道などで香川県に訪れることが可能になったから。

(2)

アは、1月の時期に最も多くなっていることから、初詣などでにぎわう「琴平」です。
イは、8月に最も多くなっていることから、海水浴場へ訪れる観光客が多いと考えられる「小豆島」です。
ウは、年間を通じて一定の観光客が訪れることから「屋島」です。
エは、4月と11月に観光客が増加していることから、桜や紅葉の名所となっている「栗林公園」です。

問5

選択肢をそれぞれ確認していきます。
アは、史料2・図7からも分かる通り、荘園領主の方が取り分が多くなっていることがよみとれます。
イは、図7の「漁場」の部分に注目すると、「地頭と荘園の役人で等分する」と書かれています。
ウは、「津目原」や「大谷」などは管理する人が明記されていることから誤りです。
エは、史料2に「…違反した場合は、処罰を…」とあります。

問6
(1)

問題文中に「1905年…その前年におきた出来事と直接関係が…」とあります。
1904年の大きな出来事と言えば「日露戦争」ですね。
したがって、「塩を専売制にすることで日露戦争の戦費にしようとしたから。」のようにまとめましょう。

(2)

(ⅰ)江戸幕府が発行していた貿易許可状を「朱印状」といいます。
(ⅱ)石炭・鉄鉱石輸入先第1位は「オーストラリア」です。
そして、鉄鉱石の輸入先第2位は「ブラジル」、肉類1位は「アメリカ」のため、エがあてはまります。

(3)

「蓬莱塩田」が位置していた付近は工場やゴルフ場になっています。また、ゴルフ場の先も埋め立てられています。

問7

第一次世界大戦終了時、つまり、1919年頃に着目すると「地金輸出」は大幅に下降しています。したがって、イが誤りです。

問8
(1)

あ マスメディアが発信しているのは「情報」です。
い 直前の「…国や地方自治体がどのような政治を行っているのかを知る必要があり…」という部分から「情報公開」があてはまります。

(2)

外国語教育・外国語情報を受ける機会が増えたことが、教育を受ける権利を保障するものとはなりません。

(3)

「投票用紙に直接候補者名や政党名を記入し…」という部分に着目します。 
『国民のある能力を前提』のある能力とは、読み書きに関する能力であることが分かります。
必ずしも選挙権を持つ人全員が、記入できるわけではありません。
したがって、この能力がない場合、記入ができないことになるため、自らの意思を反映させられず、参政権が侵される危険があります。以上の点をまとめましょう。

(4)

う 電気自動車は電気を燃料として動くため、二酸化炭素の排出がありません。
え ③・④のターゲットに着目します。③の文中の「『大気の質や…注意し…』」という部分や、④「『…化学物質の大気・水・土壌・への放出を大幅に削減…』」という部分から、大気汚染があてはまります。
お ガソリン車との比較を行い、電気自動車の長所を2点あげていることから、「両立」があてはまります。

問9

合否を分けた1題で取り上げます。

合否を分けた一題

今回は「バーチャルウォーター」に関する記述です。
「バーチャルウォーター(仮想水)」とは、設問中にもあるように、食料を輸入している国において、もしその輸入食料を生産した場合どの程度の水が必要かを推定することを指します。

設問の条件では
①小麦と牛肉とでは、どちらのほうがバーチャルウォーターの量が多くなるか
②その理由
の2点を書くよう指示がでています。

このように、駒東の記述問題では必ず設問の指示や条件を整理してから記述を作成するのが鉄則です。

さて、まず、「小麦」とでは「牛肉」どちらかバーチャルウォーターの量が多くなるかを考えます。

「小麦」は単純に生育に必要な水の量のみとなりますが、「牛肉」は牛自身が摂取したりする以外に、『エサ(飼料)』の生育にも水が必要となります。

したがって、バーチャルウォーターの量は『牛肉』の方が多くなります。

上記にあげた理由とあわせて、「水を使って生産された飼料をあたえて飼育しているため、牛肉の方がバーチャルウォーターの量が多くなる。」のようにまとめましょう。

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