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社会の合否を分けた一題

武蔵中入試対策・社会の合否を分けた一題(2012年度)(2ページ目)

2012年度の合否を分けた一題

問題
化学繊維の発達は工業やその他の産業にどのような影響を与え、また身近な生活をどのように変えたと思いますか。君の考えを書きなさい。
(問8)

解説

記述問題とは出題者の意図を見抜くことです。出題者は君にどんな答えを期待しているのでしょうか?出題者がどんな答案を期待しているのかを知ることが記述問題の解き方の第一歩です。では、出題者の期待や意図はどこに隠されているのでしょうか?実は、それが設問なのです。したがって、設問をしっかり読むことが記述問題にとってことさら大切になってきます。

設問は、2つの部分に分かれています。まず、「化学繊維の発達は工業やその他の産業にどのような影響を与えたのか?」次に、「化学繊維は身近な生活をどのように変えたのか?」です。

化学繊維の原料は石油・石炭です。化学繊維の発達は石油化学工業の発展と表裏一体です。石油化学工業が作る製品には、化学繊維の他、化学肥料、プラスチック、医薬品、化粧品など様々なものがあります。石油化学工業の発達は私たちの生活を豊かなものにしました。他方、化学繊維の発達のため、生糸などの従来の天然繊維を原料にしていた製品を衰退させました。

次に、化学繊維は、私たちの身近な生活をどのように変えたのでしょうか?
本文(リード文)中にあるように、昔は衣服は自分で作っていましたので、それほど多くの衣服を持っていませんでしたし、大切に着ていました。16世紀末の様子では、たった一着の麻の着物を13歳から17歳まで着ていたくらいです。ところが、化学繊維が登場して、大量生産されるようになると、衣服は自給するものから買うものに変わり、衣服を大切にせず、流行遅れになったものを簡単に捨ててしまうようになりました。

以上をまとめると、「化学繊維の発達は、石油化学工業を発達させ、私たちの生活をより快適で豊かなものにしたが、従来の天然繊維を原料とする製品を衰退させた。また、化学繊維の発達は、衣服を自分で作ることから衣服を購入することに変化させ、化学繊維が大量生産されるようになると、衣服を大切にせずに、流行遅れになったものを簡単に捨ててしまうようになった。」

『社会の合否を分けた一題(2012年度)』 >> 1 2
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