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社会の合否を分けた一題

武蔵中入試対策・社会の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

A:易しい(武蔵中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B:標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

問1
問2
問3 (あ)A (い)B
問4 (あ)B (い)A
問5
問6
問7 (あ)A (い)B

出題総評

2018年度の武蔵の社会は例年通り1つのテーマに絞った出題となりました。本年のテーマは、銅の産出や貿易を通じて見えてくる国内外の社会情勢でした。例年通り、知識に頼った出題はほとんどなく、多くの設問が本文中の表現をよく読んで解答の「根拠」や「材料」を探し出し、それについて考えられることを記述させる問題でした。社会の知識だけを問うのではなく、むしろ「国語的な読み解き」も、設問を正解するための大切な力であり、その意味でも本年も「武蔵らしい」出題と言えます。
受験生はこのような武蔵の出題傾向をしっかりと把握した上で、日々の学習の中でも、本文から必要な情報を抽出する意識した読み取りの訓練、そして、出来事の背景や課題、因果関係や狙いなどにも日頃から目を向けることが大切です。これは「暗記」で学習するものではなく、人間が行う様々な施策の裏にある「考え方の筋道」を納得して理解する姿勢が大切です。その上で、それらを簡潔に表現できる「記述力」をつけていく練習をしていきましょう。

問題別寸評

Ⅰ 銅の産出や貿易を題材にした総合問題
問1

昨年と同様、文章の中からヒントを探し当てて正解したい問題です。「伊予」は愛媛県の旧国名で、現在でも「伊予かん」などの言葉の中にあることが確認できます。阿仁は、文章中の「秋田藩」という言葉をヒントに、アを選べます。足尾銅山については、渡良瀬川流域の鉱毒事件が有名ですので知識で正解できたと思いますので、残りの2問について本文を精読して確実に得点できるようにしましょう。

問2

武蔵の社会頻出の、本文の正確な読解から解答を導く問題です。江戸時代に貿易を行っていた相手国は基本知識ではありますが、文章にも「この頃、日本の貿易相手国は中国、朝鮮、オランダなどでした」と表記があることに注目します。

一方で、オランダとは「銅」を中心にやり取りをしていたこと、そして幕府が銅の輸出量の制限をしたこと」を読み取り、本文の「その代わりに、海産物の輸出を増やして貿易額の維持しようとした」という表現に注目します。

つまり、「銅の輸出制限」によるオランダとの貿易額の減少を、「海産物の輸出」によって他国との貿易額を増加させようとしたことを読み取れれば、相手国は「中国」となることが導けます。単に社会の知識に頼るのではなく、「本文の読み取り」をしっかり行って、確実に正解しましょう。

問3

(あ)本文をよく読み考える記述です。松平定信の言葉の背景が本文に記載してあることから、解答を導きます。銅の輸出制限を行った理由を、本文中にある「銅も十分な生産量があったわけではありません」という内容と、その後に記されている「国内でも銅は必要なため」の2点から読み取ります。

解答としては「国内の銅が不足してしまうこと」などでよいでしょう。大切なことは、必要な要素をしっかり本文から拾い上げて、その表現を確実に解答に入れ込むことです。それによって合格に必要な部分点を確実に取りましょう。
    
(い)18世紀末という時期から、ロシアのラクスマンを導けた生徒はいたと思いますが、「ヨーロッパの国」という表現で迷ってしまった生徒も多かったと思います。

問4

(あ)本文から解答の根拠や材料となる部分をしっかりと探し当てます。
同じ段落の冒頭に「銅の産出には、多くの人手が必要だった」とあります。
つまり、「銅山の再開」が実現すると「多くの人的資源」が必要になることが読み
取れます。

一方で「広い土地」をもつ農民や地主にとって、広大な土地を耕作するためには、当然多くの人的資源が必要でした。

このような背景から、広い土地を持つ農民が特に反発した理由として、「銅山の再開により、自分の土地を耕すための人手が奪われ、減ってしまうことを恐れた」という要素を解答に入れることができます。

本文の読み取りはもちろんですが、このような形で自分の持っている「知識」を活用して記述解答に活かすという手順を身に着けていきましょう。

(い)本文の表現をうまく使って解答できる問題です。「銅山の再開を歓迎する人」とは、この部分の直前に書いてある「土地をほとんど持たない農民」であったことが読み取れます。

ここから「仕事が得られること」「収入が多くなること」「生活が豊かになること」など、個人の生活の経済的側面の改善について触れることができればよいでしょう。

また、本文中にある「地域に活気をもたらす」を用いた解答も可能です。こちらは、地域社会としての経済的側面の改善と言えます。

問5

 本文や図を参考にして「銅山を掘り進めていく上での技術的困難」を考察する問題です。「問題文をよく読んで」という設問内の条件を、必ず自分の答えに反映させて解答を書き上げることがポイントになります。

まず「銅山を掘り進めて行く上で」について読み取ります。本文中に具体的に記載されている銅山の作業として「採掘、トンネルの整備、排水、砕く作業」があります。これらの中で図の絵と共通しているものとして、「排水」や「砕く作業」をすべて「人力」で行っていることに注目できます。

つぎに「技術的困難」について読み取ります。本文中にある「採掘をすすめるにつれ様々な困難が浮上した」という部分に注目すると、銅生産の落ち込みが「当時の低い技術力では採掘できない状態になってきた」ためだと書いてあります。このあと明治になり、「新技術」として「さく岩機」が導入されていることから、先の「技術的課題」のポイントとして「機械化」が読み取ります。

これらを合わせて「排水や岩を砕く作業をすべて人力で行っていたこと」という内容で解答を作成します。

問6

⇒合否を分けた1題で扱います。

問7

(あ)20世紀前半に普及した「銅線」を大量に必要とする技術としては、送電(電気を送ること)が挙げられます。これにより電灯や電話などの技術が普及しました。

(い)「送電」の普及により、さまざまな場所で電気をすぐに効率的に使用することが可能となったことで、社会や経済がどのように変化したかを考察する問題です。20世紀に入り工場が「機械化」「電力化」されたことで、生産が効率的に行われ、大きく工業技術が発展しました。また、一般家庭にも電気が供給されるようになると、テレビや洗濯機などの電気製品が普及し、生活の質が向上したことにも触れましょう。入試本番で「空欄」とならないよう、しっかりと準備して臨みたい問題です。

合否を分けた一題

問6

 
表にある主要品目の輸出入額順位を示したものです。それを見て、輸出品の「銅・石炭・生糸」に共通し、「綿糸・綿織物」にはない利点とは何か、答えなさい。

【解説】
このような資料問題の記述では、必ず解答のポイントとなるヒントがあることを意識することが大切です。その上で、しっかりと設問で聞かれている条件に正対して、「資料から読み取れること(事実)」と、「そこから分かること(分析)」をしっかりと解答に入れ込むことを意識して、確実に合格点を取れる答案を作成できるようにしていきましょう。また、完全正解だけを目指すのではなく、「部分点」をしっかりともぎ取っていくことが大切です。合格に大きく前進するという意味でも、本問をしっかり書き切れたかどうかが合否を分けたポイントとなったと思われます。

【考え方】
 ①「銅・石炭・生糸」に共通していることを考えます。
  →いずれも原料となるものであり、国内で生産または手に入れることができる

 ②「綿糸・綿織物」に共通していることを考えます。
  →ここで輸入品上位の品目の中に「綿花」があることに注目します。
  →ここから、「綿糸・綿織物」を生産するためには、原料の「綿花」を輸入する必要があることを読み取ります。

 ③最後に「利点」を考えます。ここでは、「国内で生産できる」=「利益が大きい」という内容を入れます。

【解答例】
綿糸や綿織物を輸出するには、外国から原料である綿花を輸入する必要があるが、
銅・石炭・生糸は、いずれも国内で生産や入手できるため、貿易の利益が大きくなる点。

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