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国語の合否を分けた一題

渋谷中入試対策・国語の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問一 全て A 問二 B 問三 A 問四 A 問五 A 問六 A 問七 A 問八 B
問一 ①③④ A ② B 問二 A 問三 B 問四 B 問五 B 問六 A 問七 A 問八 B 問九 B

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度の渋谷教育学園渋谷中学校は大問二つの構成となっており、例年通りの出題でした。大問一は、長くは生きられないであろう子猫を拾ったことを題材にした随筆文に近い物語文でした。大問二は、不条理な格差を是正することが人権だという論説文でした。漢字の書き取り8問、記述問題3問、抜き出し問題1問、選択肢問題11問と、圧倒的に選択肢問題が多く、さらに選択肢の数が5つ、選択肢文もとても長いものが複数あるという、渋谷教育学園渋谷中学校の問題の特徴が顕著なものでした。選択肢問題の正しい解き方を身につけることが、合格への正しい道だといえます。

問題別寸評

問一 漢字の書き取り

③の「未練」は努力で差がつく漢字です。合格するには絶対に正解したい問いです。一方、④の「居合」は、普段使わない言葉かもしれません。厳しいと思いますが、意味を考える、つまり「居る」と「合わせる」という発想ができる受験生は必ずいます。このような「考える力」は国語に限らず、どの科目でも武器になります。普段から考えることを習慣化し、この力を身につけられるようにしましょう。

問二 主人公たちの心情

線部と同じ意味である「仕方ない」が線部の5行前にあります。まずここが答えを選ぶ第一の根拠です。また、線部の直後の内容にも答えの根拠となる内容「気持ちはいっそサバサバとしていた」などがあります。選択肢をいくつかに分けて、それぞれの要素が本文に書いてあるのかを確認する。きちんとした選択肢の解き方が出来ていれば、正解が選べる問いです。

問三 共通点 ※抜き出し

線部(2)と(3)の間を読めば、答えが見つかる問題でした。探しやすい場所に答えがあるので、問いで聞かれていることと条件を把握できていれば、まちがえることはないでしょう。

問四 主人公が子猫の名前にこだわる理由 ※記述

前書きの内容を答えに使わざるを得ない問いでしたが、文章全体からでも子猫が長くは生きられないことは読み取れます。答えの中心となる要素はとても書きやすいものでした。残りの要素としては、線部の直前にある、長く付き合えば愛情が湧くことだと考えられます。

問五 主人公の心情

線部の直後「今回…緊迫感のなさ」という部分が答えの中心です。これに直前の「野球中継をかけながら」の子猫の面倒を見たという要素を加えたものが正解選択肢です。

問六 主人公の考え

線部を含む一文の理解によって正解が選べる問いです。「足音にも…物音にもいっさい反応しない」という表現と、線部自体の言い換えを考えます。

問七 主人公の考え

線部の直前・直後の理解によって正解が選べる問いです。特に本文最後の一文の「気にかけてくれている人がいるということは、別の意味での慰めにならないというわけではない」という部分は、答えの要素として見逃してはならないものでした。正解してほしい問いです。

問八 作品の解釈として明らかな間違いを含むもの

今回の問題で最長の選択肢文が含まれた問題でした。渋谷教育学園渋谷に合格するうえで、避けては通れないタイプの問題です。但し、この問いは「明らかな間違い」を選ぶものです。本文の内容との違いを意識しながら読んでいれば、自信をもって正しい選択肢が選べる難易度の問題でした。

問一 漢字の書き取り

①局面の「局」を「極」と書く間違いが考えられます。②調停は身近にある言葉ではないので厳しいでしょう。④列記は意味を考えたかどうかで勝負がついたと思います。

問二 空欄補充

 線部の直後の内容の理解で正解が選べます。必ず正解してほしい問いです。

問三 筆者の表現上の意図

線部を含む一文の理解で正解が選べるのですが、選択肢の表現に惑わされる受験生がいたのではないかと思われます。

問四 換言

線部の8行前にある「市民」から後の内容を読んでいきます。特に線部の直前の一文の「普通の市民の犠牲者状態に普通の市民が手をさしのべる、という意味」、さらに線部を含む一文の「人権」という言葉を考えに入れれば、正解が選べます。

問五 換言 ※記述

比喩表現を言い換える問題です。「監視」という言葉を「見張る」や「見過ごさなくなる」などに、「塔の上に押し上げる」を「状態にする」「できるようにする」などに、言い換えます。これに「何を監視」「何が監視」という要素をくわえます。

問六 空欄補充

適切な慣用表現を選ぶ言語要素問題です。「貧しい」と似た意味の言葉が答えだという発想ができれば、正解が選べます。

問七 空欄補充

空欄4に入るものは、直後の内容に「是正されるべき」とあるので、「いけない」か「ありえない」だと分かります。とすると、イしか選べません。確実に正解してほしい問いです。

問八 線部の理由 ※記述

線部と同じ内容である「差別は解消しなければならない」「根拠のない格差を消すこと」がこの後にあるので、この辺りに答えの要素があると考えます。そこでは「不条理な格差」とはどういうものなのかが明らかにされています。それは、皮膚の色や性や生まれた国という、全く当人の選択でも責任でもないことです。そして「そのことの責任を負わされたり、そのことを理由に差別待遇を受けることはどんな理由もないはず」と筆者が言っています。これが答えの内容となります。

問九 線部を引用した理由

この後、合否を分けた一題で説明いたします。

合否を分けた1題

今回は大問二の問九を、合否を分けた一題に取り上げたいと思います。
渋谷教育学園渋谷中学校の特徴である長い選択肢文の問題です。しかもこれが最後の問題となっていることから、時間配分がうまくいかなかった受験生は、きちんと解くことができなかった可能性もあり、合否を分けた一題だったと考えました。選択肢の正しい解き方を、全ての選択肢の問題で、素早くできるようになることが重要です。

問九 線部を引用した理由

―線(5)「『債務は子供の顔を持つ』と題する論説」とありますが、筆者がここでこの論説の一部を引用したのはなぜだと考えられますか。最もふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

解き方の手順
選択肢問題の、特に選択肢文が長いものの正しい解き方の手順を以下に書きます。

前提:本文のポイントをおさえる。
①選択肢文をいくつかの部分に分け、
②それぞれの要素をおさえたうえで、
③本文のポイントと照らし合わせ、
④合わない部分に✖をつける
⑤答え候補が複数残った場合は、再び本文に戻ってポイントを確かめ、答え候補の選択肢の要素と比べ直す

今回の本文のポイントは、線部の前後に書かれています。特に後ろでは具体的説明が行われています。そこをおさえます。

「たまたまどの国に生まれたか~の問題になるのではないでしょうか。」
「国々のそういう債務の背後に~となり、そこに『人権』が発生するのです。」

答えはウになります
ウの選択肢では、「(前半は割愛します)…そこに潜む不条理な格差を浮き彫りにし、人権の問題としてとらえていくべきである」とあり、これが上記の本文のポイントと一致します。

他の選択肢の間違った点を次にあげます。

ア ×「貧困が先進国の子供たちの未来をも困難なものにしていく、人類共通の」
イ ×「開発途上国共通の問題…人権問題に進展する恐れがある」(→すでに人権問題になっていると筆者は考えています)
エ ×「世界中の大人たちに重大な責任がある」
オ ×「原因の一端が先進国にもあり、日本人にとっても他人ごとではない」

本文のポイントと違うことがお分かりいただけると思います。

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