一 | 問一 a A b A c A d A 問二 A A B A 問三 A 問四 B 問五 1 A 2 A 3 A 問六 B 問七 C 問八 A 問九 B 問十 A 問十一 AA |
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二 | 問一a A b B c A d B 問二 A B A B 問三 A A 問四 A 問五 B 問六 B 問七 A 問八 B 問九 A 問十 B |
A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
今年度の早大学院中等部は大問二つの構成となっており、例年通りの出題でした。記述も例年通り一題でした。大問一は、就きたい職業から自分らしさを考える論説文でした。大問二は安岡章太郎の作品という、昭和以前の作品が出題されたのも例年通りですが、今回は特に表現や物語の状況を理解するのに苦労するものでした。先入観や思いこみを持たずに読めるかが大切です。
漢字の書き取り
「せんれん」がやや難しいと思いますが、全問正解すべき漢字です。
対義語
絶対に落とせない問いです。
「問いを戻す」目的
問いが「彼女から何を聞き出すため」となっているので、答えの最後は名詞、そして、「彼女」という具体的内容であることをヒントにします。線部の後を丁寧に読んで正解したい問いです。
筆者の気がかりな点
後ほど、合否を分ける一題でくわしく説明します。
同音異字
「空港のカンセイ官」が馴染みのない熟語かもしれませんが、選択肢は易しいので、全問正解してほしいです。
線部と同内容の抜き出し
「<自分>になれる」の「なれる」が可能動詞だということもヒントになります。「自分」という言葉だけを追うと見つかりません。換言の能力が必要です。
共通して入る熟語
「 の大衆化」と「 さ」に共通して入る熟語を自分で考えて答える問題です。難問です。「なんにでもなれる」→なんにでも自由になれる、「それがなんだかわからない」=不自由さという言い換えを思いつくのは、大変なことでありたとえ思いつけたとしても時間がかかることと思いまます。
肝要なことの説明
直後に例を挙げたのち、筆者の意見が再び出てきた部分に答えがありました。線のある一文も、答えのある一文も比較の形で書かれていることからも正解してほしい問いです。
線部の説明
線部の前の例と、線部の直後の内容から、自分と他の誰かは関係ないという筆者の意見を読み取れれば、線部はその逆を言っていると分かります。また、線部の「先取り」の換言があるかどうかも、答えの決めになります。
例から読み取る筆者意見
線部の前後の内容から答えが分かります。特に「創造性」という言葉がそのまま答えの選択肢にあるので、正解してほしい問いと言えます。
本文の内容として適切なものの選択
一つは本文の冒頭から、線部④のあたりまでの内容をまとめたものであり、もう一つはイチローの例をまとめたものです。他の選択肢がそれほど悩むものではないので、二つとも正解したい問いです。
漢字の書き取り
a、b、dは正解を知らないと漢字の候補が色々出てきてしまうものでした。漢字練習の量の差が出る問いです。cも書けるか書けないかは努力次第というものです。
語句の意味
どちらも難度の高いものでした。線部の前後をよく考えて選ぶしかありません。
動物のことわざ・慣用句
非常に易しい問いです。
線部のように感じた理由
線部の直前の内容をおさえれば正解が選べる問いです。
線部の行動を取った理由
自分のせいでハチに刺された少女が自分にやさしくしてくれたことを、意味がないと思いつつ受け入れた心理が答えになる問いです。直前だけに注目してしまう可能性があり、難問と言えます。
線部の景色を後に何と表現したか
線部の景色は少女と一緒に歩いた時の心弾む情景です。その後目的地に着き、少女と一緒にいるのが終わったときに、答えがあります。「六字」というヒントが答えを見つける大きな助けになる問いですが、それでも苦戦するかもしれません。
おどろいた理由
線部の直後の内容と合うものを選べば正解です。落とせません。
線部のj主人公の気持ち
問いに「文章全体から考えて」とありますが、そんなヒントがなくても書けなければならない問いです。ただし、「恋情」以外の答えの要素は難しいです。△をキープできればよい問いと考えます。
少女のえがかれ方
「適切でないもの」を選ぶ問いです。枝にぶら下がる場面から少女のえがかれ方は読みとれます。易しい問いと言えます。
主人公の逆立ちの場面が表現しているもの
前書きの部分と、線部直前の少女への未練、そして周りにいる人の反応から選ぶ問いです。これらをきちんと読み取れていないと正解は選べません。
今回は大問一の問四を取り上げます。文章の主題に関連した選択肢問題です。主題を理解できているのかどうかが試されます。また、それに絡めて、筆者の意見の見つけ方も見てもらいたいと思います。
筆者の気がかりな点
―線②「価値基準が、外から与えられやすい」とありますが、「価値基準が、外から与えられ」てしまうことのどのような点が筆者は気がかりなのですか最も適切なものを選び、記号で答えなさい。
線部の二つ前の段落に「本人の想いを軸足にして<自分の仕事へ近づいてゆく方が、なにより健やかだし、話も早いはずだ」とあります。これが筆者の意見です。
そして、次の段落の最初に「もちろん」とあります。「もちろん」とは、自分以外の考えをいったん受ける、自分の意見をひとまず譲歩するときに使われます。
しかしそのあとには、逆接の接続語が来てそれを否定しています。これは自分の意見の正当性を際立たせるための、文章校正の形です。
案の定、線部を含んだ段落は「しかし」で始まっており、「もちろん」の内容を否定します。「職業を入口にして<自分の仕事>を考えてゆくと、なにを以てよしとするかという価値基準が、外から与えられやすい」となっています。
さらに、線部を含んだ段落の直後には、「むろん」が来ています。「むろん」は「もとろん」と同じ働きの言葉です。ここでもいったん自分の意見とは矛盾するものを挙げ、再び「でも」という逆接から始まる段落以降で、自分の意見の正当性を強調しています。
そこでは「<自分>になりたい。より<自分>になれる仕事をさがしている。働くことを通じて「これが私です」と示せるような、そんな媒体になる仕事を求めているんじゃないか。」と筆者は記しています。
以上、線部の前後にあった筆者の意見を考えて線部を理解すると、自分の価値基準で選ばないとできないことを、外から与えられてしまうことが筆者は気がかりなのです。
イの「自分のしたいこと」が仕事を選ぶ価値基準だということです。それが外から与えられると、「自分のしたいこととかけ離れてしまう点」が筆者は気になるのです。