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国語の合否を分けた一題

早大学院入試対策・国語の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問一A 問二A 問三A 問四B 問五B問六B 問七B 問八A 問九B 問十A
問一A 問二B 問三A 問四A 問五A問六A 問七A 問八B 問九B 問十B

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

総評

例年と同じく大問二題構成(論説文・物語文)でした。早大学院中の特徴といえば物語文の出典が比較的古い作品であるということが挙げられます。本年も、吉屋信子という大正~昭和時代に活躍した作家の作品が出題されました。ある程度、こういった年代の文章そのものに慣れておくこと、必ず出題される「言葉に関する知識」を普段からコツコツと蓄えておくこと、そしてレベルの高い文章の内容を細部まできちんと把握することが早大学院中の国語で高得点を取るための鍵となってきます。

問題別寸評

今年度の早大学院中等部は大問二つの構成となっており、例年通りの出題でした。記述も例年通り一題でした。大問一は、就きたい職業から自分らしさを考える論説文でした。大問二は安岡章太郎の作品という、昭和以前の作品が出題されたのも例年通りですが、今回は特に表現や物語の状況を理解するのに苦労するものでした。先入観や思いこみを持たずに読めるかが大切です。

平成30年度 問題別寸評

中村桂子『水も土も生きものの視点から』より

問一

漢字の書き取りです。特に難しいものではないと思われます。「いこう」は本文の前後を読み、どの「いこう」になるのかをきちんと判断する必要があります。

問二

対義語を漢字で答える問題です。多少曖昧なものも、明らかに異なるものを外していけば答えられたのではないでしょうか。

問三

傍線部について、理由としてもっともふさわしいものを選ぶ問題です。傍線部を含む段落と同じことを述べている選択肢を選べば正解です。他の選択肢が明らかに誤っているので、確実に得点したい問題です。

問四

傍線部について、理由としてもっともふさわしいものを選ぶ問題です。まずは傍線部の表現のしかたから、現在は「本当に生きものでできているのだという認識」はされていないということが分かります。では現状はどうなのか?と探してみると、現状は傍線部の次の段落以降に書かれています。「通常それを無機物として捉え……」「あらゆるものを機械とみなし、有用な機械によって便利な社会を……」「便利は、思い通りになること、できるだけ早く事が進むことを求めるもの」……こういった意識を筆者は問題視し、傍線部の意見を主張しているのです。

問五
問四

と内容的に繋がってくる問題です。「現代科学技術文明はあらゆるものを機械とみなし、有用な機械によって便利な社会を作ろうとしてきた」「土や水もそのような使い方をした」「現代科学は生き物も機械とみなして……新しいテクノロジーを作ろう」といった、これまでに述べられてきた従来のやり方と、もっとも近いものが正解です。

問六

傍線部の内容としてふさわしいものを選ぶ問題です。問四、問五で述べられてきたものとは対比関係になることを意識しつつ、本文の根拠箇所を探しましょう。問五でいうところの「機械論」。それに対し、傍線部直前で述べられている「どれも皆生きものという視点から見て、そのつながりを生かしていくことで、心豊かに暮らせる環境」「豊かな土、清らかな水、美しい緑、思う存分生きる人間」というのが、「本当の意味での生命の時代」にあてはまる表現です。

問七

傍線部の理由を書いて答える問題です。傍線部を含む一文が「というより」と始まっていることから、前の文と傍線部は似た内容であることがわかります。その前の文には「このような見方」とあり、さらに遡ると「まず水と土を生きものの視点から見ることから始めるのはどうだろう」という筆者の意見が見つかります。ただ、それだけは傍線部の「人間が…」という主語と合致しません。さらにもう一段落遡ると、「水、土、緑、人間……」と、ほぼ同じ内容が生きもの全体について述べられています。このあたりを根拠として用いるのがふさわしいでしょう。

問八

傍線部の結果としてふさわしい語句を書きぬく問題です。この傍線部は問七と同じ段落にあり、話題もつながっています。筆者は自身の考えと合致する例として、この岩手県の水路づくりの話を取り上げているので、筆者の理想とする状態であると考えることができます。筆者の意見は、問七で確認した通りです。設問で「どのようになりますか」と問われているので、答えは「~なる」、あるいは動詞の形で終わるということも意識しながら探せば、より素早く見つけることができるでしょう。

問九

傍線部の具体例としてふさわしいものを選ぶ問題です。これも問七あたりからの筆者の意見に関する一連の問いとみることができます。「どれも皆生きものという視点から見て、そのつながりを生かしていく」「岩手県の水路づくり」を参考に、最も近い考え方に基づいているものを選びましょう。

問十

本文全体を見出しに沿って四つに分ける問題です。普段から話題の変化を意識してブロック分けしながら読む訓練をしていれば、特に難しいことはなかったと思われます。

吉屋信子『鈴蘭』より

問一

漢字の読み書きです。「とうち」は「当地」と書きます。今でも「ご当地」という表現では残っていますが、本文中のような言い方はあまり見かけられないためやや難しかったかもしれません。

問二

言葉に関する知識問題です。この中では「ゆかしい」が難しかったでしょうか。「水晶の玉を珊瑚の欄干から振り落とすような」という表現からは、美しく、幻想的な印象を受けます。また、実はもう一か所ユリの花のことを「香りもゆかしい」と使われているので、そこも参考になったかもしれません。

問三

傍線部の表情について、もっともふさわしいものを選ぶ問題です。校長の心情を問われていると判断し、傍線部だけで想像するのではなく、本文中の他のヒントを探しましょう。長い会話文のあとで「遠まわしに校長は母をうたがっているらしいのです」とあり、そこを根拠に選ぶことができます。

問四

傍線部の表現の意味を正しく読み取る問題です。少し古い言葉遣いで分かりづらいかもしれませんが、これは反語表現です。反語表現とは、「このまま自然を破壊し続けてもいいのだろうか(いや、よくない!)」と、一見疑問文のような形をしていますが、その裏に主張が隠れている表現のことです。例に挙げたように、説明的文章でも用いられる表現のしかたです。

問五

傍線部の理由としてふさわしいものを選ぶ問題です。傍線部を含む一文を読むと、「楽曲を聞いた→母の顔色が変った」ということがわかり、そのまま次の文まで読んでいくと「その楽曲は海杳かな伊太利の楽壇に名高い曲だったのです」とありますので、演奏されていた曲そのものに驚いていると判断することができます。

問六

言葉の知識に関する問題です。地理的な知識も求められます。独→ドイツ、仏→フランス、西→スペイン、英→イギリス、印→インドです。「西」がわからなかった受験生は多いかもしれませんが、「印」がインドだと気がつくことができてしまえば、正解はできるでしょう。

問七

傍線部の人物の説明として、ふさわしくないものを選ぶ問題です。いずれも本文中によく似た表現が出てきていましたので、きちんと照らし合わせれば問題なく正解できたと思われます。

問八

傍線部の理由としてふさわしいものを選ぶ問題です。傍線部の中に「これ」という指示語が含まれていますが、この内容が直前の会話文であることはすぐに読み取ることができるはずです。その中には再び「伊太利」という言葉が登場していることと、前日の夜に物陰から外国少女を見たことをあわせて考えると、「母」が何に対してほほえんだのかが見えてきます。

問九

合否を分けた一題で解説します。

問十

傍線部の「涙」の説明としてもっともふさわしいものを選ぶ問題です。問八で読んだ会話文と、手紙に「亡きマダム・ミリヤの子」とあるところから、ピアノを弾いていた外国少女が、ピアノを寄付したマダム・ミリヤの娘であったことが母にはっきりと分かりました。母の遺品であるピアノを娘が弾いていたことから、その娘の心情を思い、母は涙したのです。アやウは、母がこの手紙を読んだ場面ではまだ分かっていない内容ですので、選んではいけない選択肢です。全体を読んでから答えるお子様が、こういう選択肢を選びがちですが、もし引っかかってしまっていた場合は「場面(時・場所・人物)」を意識するよう心がけてください。

合否を分けた1題

問九

傍線部の理由を短くまとめて答えるという記述問題です。
早大学院中においては「なぜ」を問う問題が非常に頻繁に出題されます。
普段から、文学的文章であれば心情の理由を、説明的文章であれば筆者の主張の理由を、それぞれきちんと確認しながら読み、可能であれば簡単に記述してまとめる訓練をしておくことが非常に有効であるといえます。今回のように、一見人物の心情と結びついていないかのような表現であっても、上記二種類の「なぜ」への答え方をマスターしていれば対応することが可能です。「このような音色で演奏がなされたのはなぜか」と考えることで、演奏者の気持ちを答えればいい問題であると考えることができるのです。

では、今回の「いつもよりはるかに高らかに」の部分を見ていきましょう。まずは傍線部を含む一文全体を読みます。
「翌日の夕、いつもよりはるかに高らかに哀れふかくかあの講堂のピアノは怪しき奏手の人の指によって鳴ったのを、母は校庭で聞きました。」
この「怪しき奏手の人」は、この後の部分を読んでいけばわかる通り、このピアノを寄付したミリヤ夫人の娘オルテノです。そしてオルテノは、この演奏を最後に、イタリアに帰るために町を去ってしまいました。つまり、このときが母のピアノを弾ける最後の夜であったということです。別れを惜しむ気持ちが高ぶって、その演奏は「いつもよりはるかに高らか」な音色になったのでしょう。

解答例
少女が母のピアノを弾けるのは今夜が最後で、母のことを強く思いながら演奏したから。

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