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理科の合否を分けた一題

早実中等部入試対策・理科の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問1 A  問2 A  問3 B
問1 A  問2 ① B  ② B  
問1 ① A  ② A  問2 A  問3 A  問4 ① B  ② B
問1 C  問2 A  問3 B  問4 B  問5 C  問6 A  問7 B

A…早実合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2018年度の早実は、例年通り、幅広い知識と、根本原理の理解を問う問題が中心です。
受験者平均は26.9点と、昨年度の24.4点と比べて若干上がっていますが、難易度はほぼ同レベルと考えてよいでしょう。

化学・生物分野の問題は、オオカナダモの光合成実験についての問題。
地学分野の問題は、太陽と月の見え方についての問題。
物理分野の問題は、電熱線と発熱量の計算問題。
総合的な問題として、発電方法と環境への影響に関する問題。

早実特有の、高度な科学用語や時事的な知識を、本年は特にかなり突っ込んで聞く問題が出され、さながら社会科と見まがうような内容でした。
対策としては、環境問題とそれに付随した科学技術や時事的話題にふだんから関心をもち、社会科との境界を意識せずに学習することが大切です。新聞で目にするような科学用語を調べ学習し、統計的データを読み取る練習をしておくとよいでしょう。
また、月の見え方は、ほぼ毎年、何らかの形で出題されていますので、根本原理からしっかり理解しておく必要があります。

問題構成は、4分野から大問4題、小問21問。
解答形式は、記号選択が16問、数字が4問、記述が1問。言語や作図はありませんでした。
選択肢は、選ぶ数の指定があるものが多いものの、題材が高度で、かなり迷うものがありました。
計算は、電熱線の発熱の問題で、苦手な生徒が多かったのではないでしょうか。
記述は「30字以上50字以内」の字数指定がありました。
試験時間は30分ありますが、解答できたところをきちんと見直して、しっかり得点することを心がけるとよいでしょう。

問題別寸評

(化学・生物)オオカナダモの光合成実験についての問題です。
よく見る光合成の実験です。BTB溶液の色の変化から、光合成によって二酸化炭素が吸収されることを確かめることができます。問題数が少ないですが、確実に得点しておきたいところです。

問1

液性とBTB溶液の色の関係は、基本中の基本です。

問2

ガラスびんAでは光合成が行われ、酸素が発生します。酸素の性質を選びます。
これも、ミスしてはいけない問題です。

問3

実験結果について、どうしてそうなったかを書く問題です。
溶液の色は、はじめ青色(アルカリ性)で、二酸化炭素が溶けて黄色(酸性)になり、光合成で青色(アルカリ性)にもどっています。つまり、加えた二酸化炭素を使いきっていると考えられます。

(地学)太陽と月の見え方に関する問題です。
今年も月が出題されました。根本原理が理解できていれば、対応できる問題です。

問1

春分の日の太陽の南中高度は、「90°-その土地の北緯」です。
地球の地軸は、公転面に垂直な方向に対して、23.4°(90-66.6)傾いているので、東京の冬至の日の南中高度は、90°-36°-23.4°=30.6°です。

問2

地球や月の公転の向きが、反時計回りになっているので、地軸の北極が上になっているとわかります。
北半球の東京で、月の南中高度が最も高くなるのは、地軸が傾いている方向になるときです。
下の図は冬至の日で、南中高度が最も高くなるときの月は、満月です。

2018_gouhi_rika1

次の図は春分の日で、南中高度が最も高くなるときの月は、上弦の月です。
2018_gouhi_rika2

(物理)電熱線と発熱量の計算問題。
実験結果の数値を処理し、別の条件の実験について、結果を予想します。
加熱時間と加えた熱の量は比例することをふまえて考えます。

問1

<実験1>より、液体A150gは、180秒間加熱で5℃(25-20)、288秒間加熱で8℃(28-20)上昇するので、加熱時間と温度上昇は比例します。
また、同じ180秒間加熱したとき、A150gで5℃、A250gで3℃(23-20)上昇するので、液体の質量と温度上昇は反比例します。

問2

2018_gouhi_rika3

問3

2018_gouhi_rika4

問4

→合否を分けた一題参照。

(環境)発電方法と環境への影響に関する問題。
本文にヒントが少なく、身についている知識の質と量が問われます。
社会科の時事問題教材にある、エネルギー問題に関する資料や、経済ニュースで扱われた話題を知っていること、その意味を理解しておぼえていることを求められる、大変厳しい知識問題でした。

問1

2014年で、発電コストが安い順に、原子力、水力、石炭火力、LNG(液化天然ガス)火力…となっています。地熱や風力はそれらの約2倍、太陽光発電や石油火力は約3倍です。
しかし、太陽光・風力は、多くの国が利用を増やしていて、それに伴い、年々大幅にコストが下がっており、2020年までに化石燃料を下回るという予測もあります。
天然ガスの主成分はメタンガスです。液化して輸入することでコストを抑えています。石炭・石油と比べると、発熱量が高く、効率のよいエネルギーといえます。排ガスもクリーンです。
北米産のオイルシェールも液化して運ばれます。当初、コストの安い燃料として期待されていましたが、石油価格の下落の影響により、東南アジア・オーストラリア産のLNGよりかえって割高になってしまいました。

問2

地熱は一般に規模が小さく、周囲環境との兼ね合いから、数も多くありません。
風力は、増えているものの、騒音や周囲環境への影響から、設置場所が限られるという制限があります。
太陽光は、設置可能な面積・場所が多いため、様々な規模での設置が可能です。

問3

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度です。「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」の5つのいずれかを使い、国が定める要件を満たす設備を設置して、発電したものが対象となります。この際の買取価格は、買取量によって決められています。

問4

グラフ1のAは新エネルギー、Bは原子力、Cは石油火力、Dは天然ガス火力、Eは石炭火力、Fは水力です。
2014年の年間発電量は、多い順に、天然ガス火力46.2%、石炭火力31.0%、石油火力10.6%、水力9.0%となっています。

問5

発電によって生じた廃熱(蒸気や温水)を、発電の過程で再利用したり、冷暖房、給湯に使ったりすることを、コジェネレーションといいます。
FITは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことです。

問6

「カーボン」とは炭素のことです。炭素は循環の過程で、二酸化炭素に姿になります。
「カーボンニュートラル」は、おぼえておくべきことばです。

問7

ア:電気自動車で使用する電気をつくるときに、二酸化炭素が発生します。→×
ウ:風力発電による騒音被害の報告はあるものの、再生可能エネルギーの導入の重要性から、生活環境の保全を前提とした導入指針が策定されています。→×
オ:「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」を、バイオマスといいます。バイオマスの種類には、廃棄物系バイオマス(古紙、排せつ物、食品廃棄物、建材、汚泥など)、未利用バイオマス(稲わら・麦わら・もみ殻など)、資源作物(さとうきび、トウモロコシなど)があります。→×

合否を分けた1題

多くの受験生が苦戦したであろう大問4は、圧倒的な知識量のある一握りの生徒だけが得点できるような難問ばかりで、ほとんどの受験生にあっては、どこかで部分的に拾えればよいという考えでよいでしょう。
このような場合、根本原理の理解と論理的思考があれば解答できる大問3の計算問題を、ミスすることなく解き切ることが、とても重要になってきます。

問4

2018_gouhi_rika5

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