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理科の合否を分けた一題

桐朋中入試対策・理科の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 B  問6 A  問7 A
問1 A  問2 A  問3 B  問4 B  問5 B  問6 B
問1 A  問2 A  問3 B  問4 A  問5 B  問6 B  問7 B
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 B  問6 B

A…桐朋合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2018年度の桐朋は、例年通り、実験や観察の結果の表やグラフを通して、論理的に考える問題が中心です。導入部分には、基本的知識を問う問題も挟まれていて、知識問題と思考問題のメリハリがはっきりしています。
60点の配点で、全体平均は33.9点(昨年度33.5点)、合格者平均は37.6点(昨年度37.6点)と、難易度は昨年度と同じくらいです。

物理分野の問題は、熱量計算と水の状態変化に関する問題。
化学分野の問題は、乳酸の鏡像異性体についての問題。
生物分野の問題は、植生の遷移についての問題。
地学分野の問題は、恒星の明るさや色についての問題。

知識問題で普段の勉強の成果をはかり、思考問題で思考力をはかる構成で、それぞれについて対策が必要です。思考問題では、根本原理の理解が不可欠となっていて、理科的な考え方をしっかり身につけておく必要があります。また、グラフや図の把握、表の数的処理は、ふだんからしっかり取り組み、的確に対応できるようにしておきましょう。

問題構成は、4分野から大問4題、小問30問。
解答形式は、記号選択が15問、数字が8問、言語が3問、記述が3問、作図が1問。
選択肢は、「すべて選ぶ」ものもあり、的確な判断が求められます。
計算は、煩雑な計算はなく、割り切れないものについては、四捨五入の指示があります。
記述は、20字程度が1問、1行程度が2問。
作図は、化学構造式をかくもので、3通りあるうちの1つをかければよい問題でした。
試験時間は30分あるので、落ち着いて、筋道立てて考えることが大切です。

問題別寸評

(物理)熱量計算と水の状態変化に関する問題です。
ガスコンロで水を熱したときの、温度変化について考える問題です。
表やグラフから、温度変化の規則性を把握し、結果を予想します。

問1

水を容器の底から加熱すると、対流が生じ、全体があたたまるので、中ほどを測定しているものを選びます。
アでは水温を測れませんし、イは蒸発や沸騰によって水量が減少する場合を考えると不適当です。エはフラスコに触れているので、水温を正確に測れません。

問2

図2から、加熱時間と水の温度の変化量は、比例の関係にあることが分かります。
5分で水の温度が45℃(60-15)上昇しているので、1分あたり9℃(45÷5)上昇します。

問3

水の温度変化は、9×7.5=67.5(℃) なので、15+67.5=82.5(℃)になります。

問4

表2から、水の量が200g(100gの2倍)の場合は、1分あたり4.5℃上昇し、表1と比べて変化量が1/2倍になることがわかります。水の量と水の温度変化が反比例すると考えると、水50gのとき、上昇温度は2倍になります。2分15秒は2.25分なので、9×2×2.25=40.5(℃)上昇するので、15+40.5=55.5(℃)

問5

1分あたり3.5℃上昇する液体の量を半分にすると、1分あたり7℃(3.5×2)上昇するはずです。
8分20秒は81/3分なので、上昇温度は7×25/3≒58.3(℃) したがって、最初の温度は、75-58.3=16.7(℃)

問6

水の温度が100℃に達すると、水は沸騰し、液体から気体に変化するために熱を使い、水温が上がらなくなります。

問7

沸騰すると、丸底フラスコの口から水蒸気がさかんに出てきます。口から出た水蒸気は冷やされて、いったん水滴になり、湯気として見えますが、やがて空気中に含まれる水蒸気になり、見えなくなります。

(化学)乳酸の鏡像異性体についての問題です。
2001年にノーベル化学賞を受賞した野依良治博士の研究についての問題です。
原子がどのように結びついて分子をつくるのかを、簡易構造式から構造式、立体表記へと表現を発展させていき、鏡像異性体をイメージします。

問1

二酸化炭素の発生方法についての問題です。
基本の知識です。

問2

「すべて選ぶ」問題です。二酸化炭素の性質についてはよく出されますので、もれのないようにしておきましょう。

問3

次の3つのパターンが考えられます。
どれか1つをかけばよい問題です。
手の数に注意しながら、パズルの要領で仕上げましょう。
2018_gouhi_rika

問4・5

合否を分けた一題参照。

問6

2001年のノーベル賞ですから、もう17年前の話題ですが、日本人受賞者については、歴代の受賞者について、その研究の内容とともに、おさえておく必要があります。

(生物)植生の遷移についての問題。
図1は植生の遷移の流れを示しています。「草原」「土の層」「背丈の低い」「背丈の高い」「陽樹林」「陰樹林」「混合林」といったキーワードに注意しながら、問題に取り組みましょう。

問1

Bには「草原」とあるので、草本のススキを選びます。

問2

図2の「二酸化炭素の吸収量」は、見かけの光合成量に置き換えて考えます。陰樹は弱い光でも成長できるので、イがあてはまります。

問3

伊豆大島は、河口に近くから順に、裸地・荒原・低木林・混合林・陰樹林が見られます。
地点①はF、地点②はE、地点③はC、地点④はAに相当するので、遷移が進んでいる順に、①・②・③・④となっています。
図3から、群落の高さが高くなるほど、照度が減少することがわかります。

問4

光合成は、葉緑体で行われる化学反応で、光エネルギーを使って、二酸化炭素と水から、酸素とでんぷんを作り出します。

問5

図4において、④から①に向かって生物体量は増加していますが、生産速度は②が最大で、①で減少しています。これは、①は陰樹林なので、陽樹に比べて光合成量が少なくなっているからと考えられます。
ウについては、図4(b)から、④の生産速度が2(kg/ha・年)なので、2×2×5=20(kg)となり、正しいと判断します。

問6

ア:図3(b)と図4(b)を比較します。照度と生産速度には関連が見られません。
イ:図3(a)と図4(a)を比較します。高さが高くなるほど、生物体量も増えています。
ウ:図3(a)と図5で、④⇒③⇒②と増えている部分に着目すると、図4(b)でも④⇒③⇒②と増えているので、正しいと判断します。
エ:図1のように、森林形成の進行にともなって、土の層が増えるので、高い樹木が成長できるようになります。

問7

混合林は陽樹と陰樹が混在しているので、陰樹だけの陰樹林よりも種類数は多いと考えます。

(地学)恒星の明るさや色に関する問題。
基本の知識と、根本的な考え方を問う問題です。
星の明るさと距離の関係は、光の拡散の考え方を使います。

問1

ヒトが観測を始めてから現在までの期間は、恒星にとってはごく短い時間で、星の明るさや位置は、ほとんど変化していないと考えてよいでしょう。
変化したのは都市の環境で、夜も活動し明るいため、星が見えにくくなっています。

問2

2光年は、1光年の2倍の距離です。2光年離れたところにとどくスプレーの面積は、1光年の4倍(2×2)なので、明るさは1/4倍の25(100÷4)です。

問3

基本の知識です。冬・夏の大三角はしっかりおさえておきましょう。

問4

ベテルギウスやアンタレスは、赤色の星です。

問5

星の距離が同じ場合の明るさを計算してから、比較します。問2のような数的処理が必要です。
根本的な内容ですが、ポイントをしっかり押さえてまとめ、簡潔に書くように心がけましょう。

問6

星の重さや色は、明るさと直接関係はありません。また、ベテルギウスは、約640光年離れているので、明るさが変わるほど距離が変化するとは考えにくいところです。

合否を分けた1題

高校の化学で扱う内容です。
問4の図は構造式、問5の図は簡易構造式を立体表記にしたものです。
見慣れない題材ですが、文章を読んで、きまりにしたがって処理することで、十分対応できます。
ただし、問4・5では、原子の集団にまとめたうえで、結びつきを考える段階に入り、まとめる意味や考え方がわからないままの処理となります。
もちろん、小学生が本質を理解することは難しいので、このような構成になるのですが、しっかりと本文をよんで、柔軟に対応できたかどうかが、合否を分けたのではないでしょうか。。

問4

2018_gouhi_rika_1

図のように、7つの炭素原子を、①~⑦とします。
それぞれについて、「異なる4種の原子または原子の集団」と結びつくかどうかを考えます。
まず、①の炭素に結びつく原子は、水素3つと炭素1つです。3つの水素は原子の集団にできませんから、①はあてはまりません。
②の炭素も、集団にできない水素2つと結びついているので、当てはまりません。
③の炭素は、破線で囲んだような、3種類の原子の集団と、H1つと結びついていますから、条件を満たします。
④の炭素も、③と同様です。
⑤・⑥は①と同じなので、あてはまりません。
したがって、あてはまる炭素原子は、③・④の2つです。

問5

問4の点線でまとめた原子の集団のうち、-C2H5をエチル基、-CH3をエチル基、-OHをヒドロキシ基(水酸基)といいます。
乳酸では、1つの炭素原子に、-H、-OH、-CH3、-COOH(カルボキシル基)が結びついていることがわかります。このとき、3角すいを形作るので、一つの基を軸にして、他の3つが左回りに順に結びついているか、右回りかで、A型かB型かに区別できます。立体把握能力も試されます。
2018_gouhi_rika_2

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