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理科の合否を分けた一題

筑波附属中入試対策・理科の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

[1] (1) A  (2) A  (3) B
[2] (1) A  (2) B
[3] (1) A  (2) A  (3) A
[4] (1) A  (2) A

A…筑波大附属合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2017年度の筑波大附属は、例年通り、基本的知識に基づいて、適切に判断する問題が中心です。
生物分野の問題は、植物の発芽と成長に関する問題。
化学分野の問題は、酸素の発生と燃焼に関する問題。
地学分野の問題は、川の流れと水のはたらきに関する問題。
物理分野の問題は、ふりこに関する問題。
筑波大附属特有の基本の知識、実験の経験、観察の確かさの3本柱のバランスがとれた良問となっています。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、なぜそうなるのかを説明できるようにしておくこと。普段の授業で積極的に実験や観察に参加し、しっかりした考察ができていることが大切です。

問題構成は、4分野から大問4題、小問11問。
解答形式は、言語が3問、記号選択が6問、記述が2問。作図や計算問題はありませんでした。
記述は、「15字以上20字以内」「6字以上12字以内」と細かく指定されていて、使用することばを適切に選ぶ力が必要です。
選択肢は、「すべて」選ぶものが2問あり、適切な判断が必要です。
試験時間が、国語と合わせて50分となっています。理科には極力時間をかけずに、しかし、確実に処理することが求められます。

問題別寸評

[1]

(生物)植物の発芽と成長についての問題です。
実験1では、インゲンマメの種子には、でんぷんが含まれていることを確認できます。
実験2では、しぼんだ子葉には、でんぷんが含まれていないことを確認できます。
実験3では、水と日光の条件を変えたときの成長のちがいを確認できます。

(1)

知識の問題です。種子の発芽条件は、水・空気・適当な温度の3つです。

(2)

植物の成長条件は、発芽条件に肥料・日光を追加した5つです。
アは、日光・肥料の条件がそろっています。イは、肥料だけです。ウは、日光だけです。
アが最も生育がよく、光合成を行えるウが2番目、イは3番目になります。

(3)

「実験1と実験2は、異なる結果が得られました。」とあるので、実験2のしぼんだ種子には、でんぷんが残っていなかったことがわかります。では、でんぷんは何に使われたのでしょうか。論理的に考えて書く問題です。

[2]

(化学)酸素の発生と燃焼に関する問題です。
実験でフラスコから発生する気体は、酸素です。燃焼は、物質が酸素と結びつく反応ですが、実験では、すべての酸素が使われることはありません。実際に、燃焼の実験を行い、気体検知管などで確認したことがある生徒であれば、知っていることです。

(1)

フラスコの中には、はじめ空気が入っています。初めに出てくる気体は、この空気と発生した酸素が混ざっています。

(2)

→合否を分けた一題参照。

[3]

(地学)川の流れと水のはたらきに関する問題。
川が曲がっているところでは、カーブの内側と外側で水の流れ方にちがいがあります。
問題文の〔気づいたこと〕には、観察すべきポイントが書かれていて、なぜそうなっているのかを考えさせる内容となっています。

(1)

基本の知識です。確実に得点しましょう。

(2)

「すべて」選ぶ選択肢問題です。〔気づいたこと〕の1番目を手掛かりにエを、2番目を手掛かりにイを選びます。

(3)

川の流れが速く、浸食作用の盛んな外側は、川底が深く、粒の大きな石が残っています。

[4]

(物理)ふりこに関する問題。
ふりこが1往復する時間を、周期といいます。ふりこの周期についての知識があれば、解答できる問題です。

(1)

ふりこの周期は、ふりこの長さが長いほど、長くなります。ふりこの長さは、支点からおもりの重心までの長さです。A~Cを比べると、AとBは同じで、Cが最も長くなっています。

(2)

おもりが10往復する時間の大小は、ふりこの周期の大小と同じになります。おもりの重心の位置を比べると、高い順にA、B、Cなので、ふりこの長さは、長い順にC、B、Aとなります。

合否を分けた一題

ろうそくの燃焼実験をしたことがある人は、集気びんの中の酸素がまだ残っているうちに、ろうそくの炎が消えてしまうことを知っているかもしれません。この経験はとても重要です。
集気びんにはじめ空気が入っているとき、ろうそくを燃焼させると、酸素の割合が20.9%→16.5%程度に減少、二酸化炭素の割合は0.04%→4.44%程度に増加します。このとき水蒸気は、水滴になるので、考えに入れません。
今回取り上げた問題では、集気びんの中にはじめ、空気ではなく酸素が100%入っていると考えられます。このちがいを考慮できたかどうかが、合否を分けたポイントではないでしょうか。

[2]
(2)

酸素で満たした集気びんの中でろうそくを燃やすと、はじめは激しく燃えますが、しばらくしてだんだん炎が小さくなり、やがて消えてしまいます。
これは、ろうそくが燃えると、酸素を使い、二酸化炭素と水ができるからです。二酸化炭素には、助燃性がありません。ほぼ100%酸素中では、さかんに酸素と結びつくことができますが、酸素が減少し、二酸化炭素が増加すると、燃焼に十分な酸素を取り入れることができなくなります。このように、ろうそくがろうをとかして燃焼するために十分な温度を維持できなくなり消える目安は、酸素が16~17%程度になったときです。このとき、84~83%の酸素が、二酸化炭素に変化しているわけですから、酸素よりも二酸化炭素の割合の方が大きくなります。また、はじめに含まれていなかった二酸化炭素は、当然、燃える前より多くなっています。

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