A…易しい(筑波大附属中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B…標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C…難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)
1 | 資料、地図の読み取り B |
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2 | (1)資料、地図の読み取り A (2)①資料の読み取り C ②資料の読み取り A |
3 | ①資料の読み取り A ②資料の読み取り A |
4 | (1)資料の読み取り A (2)写真の読み取り A |
5 | (1)資料、写真の読み取り A (2)資料、写真の読み取り A |
6 | (1)知識 A (2)考える単語 A |
2016年度の筑波大附属中学の社会は例年通りの出題でした。具体的には、一定の知識を持っていることを前提に、資料の読み取り、地図の読み取り、写真の読み取りを行わせるというものでした。よく考えられた良問ばかりですが、知識だけでは解けないため、受験生にとっては対策を立てづらい出題です。
筑波大附属中学の入試で特筆すべきことは、社会と算数を合わせて50分で解くという点です。算数はかなりの分量があるので、社会は10分程度で解く必要があったと思います。
資料、地図の読み取り B
合否を分けた一題で扱います
資料、地図の読み取り A(ア)
易しい問題です。
筑波大附属中を目指すのであれば30秒程度で解きたいところです。
アのカードは、鹿島港の説明であり、地図でいうとCの地域に含まれます。
イのカードは、寒流(千島海流)の影響で、もっとも降水量が少ないということから、地図でいうとAの地域に含まれます。
ウのカードは、国内有数の漁港で、カツオやマグロの遠洋漁業の拠点とあるので、地図でいうとDの地域に含まれます。
エのカードは、チューリップの球根とあるので、地図でいうとBの地域に含まれます。
オのカードは、かつては塩田で、現在はコンビナートが建設されたとあるので、地図でいうとEの地域に含まれます。
カのカードは、茶の栽培とあるので、地図でいうとDの地域に含まれます。
キのカードは、四大工業病の一つ(イタイイタイ病、神通川下流域)が発生したとあるので、地図でいうとBの地域に含まれます。
クのカードは、国内有数の漁港で、サケ、マス漁とあるので、地図でいうとAの地域に含まれます。
ケのカードは、山脈や山地に挟まれ、降水量が少ないとあるので、地図でいうとEの地域に含まれます。
よって、説明しているカードが1枚しかない地域は、アのカードになります。
①資料の読み取り C(イ)
選択肢アとイでかなり迷うはずです。
サツマイモの生産地1位は鹿児島県、2位は茨城県、3位は千葉県、4位は宮崎県となっています。
ブタの飼育頭数1位は鹿児島、2位は宮崎、3位は千葉、4位は茨城となっています。
北海道や東北地方でも比較的盛んなことから、ブタの飼育頭数を選びたいところですが、いかに時間をかけなかったが大切でした。時間をかけて、正解するより、すばやく選択し、算数に時間をまわすことが賢明です。
②資料の読み取り A(火山)
易しい問題です。
2015年が火山活動が活発であったことから、時事問題として押さえておきたい問題でした。
①資料の読み取り A(インド)
易しい問題です。
アメリカは先進国なので地図から除外できます。ツバルは海面上昇によって消滅してしまうかもしれないという国で、バチカン市国についで人口が少ない国ということは知っておきたい知識です。
②資料の読み取り A(ア)
易しい問題です。
各国の二酸化炭素排出量比率の資料でないと、近年急速に二酸化炭素の排出量が増加している一部の国々はわかりません。中国とインドが増加しています。
資料の読み取り A(平和な社会)
易しい問題です。
「核兵器をなくす運動」と「難民問題の解決」とあり、資料の中からの抜き出しなので「平和な社会」が目に留まるはずです。
写真の読み取り A(イ)
易しい問題です。
アメリカのバスケットボール代表チームには様々な人種がいることがわかります。多様な人種が集まっていることから、アメリカは人種の「サラダボウル」と呼ばれることもあります。
サウジアラビアの女性のユニホームに注目してください。肌を露出させていません。これは宗教的な理由によるものです。
資料、写真の読み取り A(エ)
易しい問題です。
写真Bは似たような絵を見たことがあると思います。源氏物語絵巻です。平安貴族の生活が描かれています。
資料Cの家系図は平氏が天皇家と関係を深めていく様子を表しています。
資料Dはあまりにも有名な聖徳太子の煬帝への手紙です。
写真Aは分かるかわからないか微妙なラインですが、蒙古襲来絵巻などを描かせた御家人の竹崎季長がご恩について交渉している絵です。
資料、写真の読み取り A(ウ)
易しい問題です。
写真Aは有名な岩倉具視使節団です。条約改正を目指していましたが、成功しませんでした。
写真Bは演説者が警察官に止められている様子です。政府を批判するようなことをいうと、警察官が止めに入っていた時代です。この写真はもう少し大きなものだと、飛んでいるヤカンがみられます。
写真Cはフランスの技術を用いて建てられた富岡製糸場の様子です。
写真Dの左側は領事裁判権を撤廃した陸奥宗光です。写真Dの左側は関税自主権を完全に回復した小村寿太郎です。
知識 A
非常に易しい問題です。
選択肢アは足利義満の時代です。
選択肢イは大日本国憲法の基本を作った伊藤博文です。
選択肢ウは参勤交代を制度化させた徳川家光です。
選択肢エは安土城下で楽市・楽座という自由な経済政策をとった織田信長です。
ア→エ→ウ→イとなります。
考える単語 A(兵隊)
共通して入る単語なので、兵隊でしょう。武士は不正解です。軍人も間違えてはいないように思われますが、やはり、兵隊が無難な答えだと思います。
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資料、地図の読み取り B
この問題で難しいのは、③の川と④の川の区別です。
日本一長い川は信濃川で、あまりにも有名です。
流域面積がもっとも広いのは、利根川が有名です。
流域面積とは、川が流れている川面の面積ではなく、その川に流れ込む雨や雪が降った地域なので注意が必要です。
地図の目視から、当然、最も短い⑤が淀川になります。
③の川と④の川は木曽川と天竜川ですが、流域面積が③の川のほうが圧倒的に多くなっています。これは支流である揖斐川、長良川をも木曽川の流域面積にいれているからです。
瞬時の判断は難しいので長い川ベスト10と流域面積が広い川ベスト10は覚えておきましょう。
長い川ベスト10
①信濃川(367㎞)
②利根川(322㎞)
③石狩川(268㎞)
④天塩川(256㎞)
⑤北上川(249㎞)
⑥阿武隈川(239㎞)
⑦木曽川(229㎞)
⑧最上川(229㎞)
⑨天竜川(213㎞)
⑩阿賀野川(210㎞)
流域面積が広い川
①利根川(16842㎢)
②石狩川(14330㎢)
③信濃川(11900㎢)
④北上川(10150㎢)
⑤木曽川(9100㎢)
⑥十勝川(9010㎢)
⑦淀川(8240㎢)
⑧阿賀野川(7710㎢)
⑨最上川(7040㎢)
⑩天塩川(5590㎢)