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社会の合否を分けた一題

慶應中等部入試対策・社会の合否を分けた一題(2016年度)

難易度表

A…易しい(慶應中等部合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B…標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C…難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

【1】北陸地方を題材にした問題
問1 知識 C
問2 知識 A
問3 記述 A
問4 知識 B
問5 知識 B(慶應問題)
問6 常識 A(慶應問題)
問7 常識 B(慶應問題)
問8 常識 A(慶應問題)
問9 考える問題 B(慶應問題)
問10 経験問題 B(慶應問題)
問11 経験問題 A(慶應問題)
【2】主要漁港の水揚高と水産物の養殖
問1 資料の読み取り+常識 A
問2 知識 B
【3】歴史総合
問1 知識 A
問2 知識 A
問3 知識 A
問4 知識 A
【4】日本の島について
問1 知識 B
問2 知識 A
問3 知識 B

【5】日本国憲法

知識 A

全般的分析

2016年度の慶應中等部の社会は大問が5題、小問が51題となっており、ほぼ例年通りと言っていいと思います。慶應中等部の社会は、去年と今年に顕著に表れているのですが、通常の受験勉強として教わる社会ではなく、世の中の常識や日本文化をどれだけ大切にしているのかが問われる問題が見られます。ただ、全体としてみれば、難易度は低く、25分という時間内でも十分に対応できる出題となっていました。

問題別寸評

【1】北陸地方を題材にした問題
問1

知識C(2)
知らないと思います。出来なくていい問題です。

問2

知識A(2→1→3)
とても易しい問題です。必ず正解しなければなりません。
           

問3

記述A(冬の積雪が多い)
北陸地方は米の単作地域であり、冬も労働をして収入を得るために伝
統工業が発達したと覚えましょう。

問4

知識B( 3  2  1  4)
若干細かい知識かもしれません。新潟の燕市は洋食器で有名です。また、福井の鯖江市は眼鏡フレームで有名です。九谷焼と輪島塗はともに石川県ですが、しっかりと地図を見ながら学習した生徒ならできるはずです。

問5

知識B(慶應問題)(2、6)
慶應らしい問題です。慶應中等部、慶応普通部の理科と社会の過去問をよく確認してください。野菜や果物の季節や旬を繰り返し聞いています。科学の発達により季節を感じにくくなりましたが、現在に至るまで日本という国は四季に恵まれた国であることを忘れないでほしいというメッセージかもしれません。

問6

常識A(慶應問題)(3)
文章を読めば分かるはずですが、洋食が主流の家庭で育った受験生には分からなかったかもしれません。

問7

常識B(慶應問題)(1)
和食の家庭、しかも厳格な作法を重んじる家庭でないと1と2のどちらかで迷うかもしれません。ファミリーレストランでも和食御膳などは1の配膳になっていますが、11歳、12歳で和食御膳は頼まないように思われます。ハンバーグとパフェを頼むのが多数派だとおもいます。

問8

常識A(慶應問題)(3)
学校で給食があればいわゆる「三角食べ」をしなさいといわれるのではないでしょうか。

問9

考える問題B(慶應問題)
慶應中等部の社会では新たな試みの問題です。国語では平成22年度の試験で「大試験」を季題に俳句を作れ、などをはじめとする遊び心がある問題が見られましたが、社会では初です。

2015年の【2】でもおせちについて問われていますが、やはり現場思考の問題だといえます。

一点気を付けてほしいのですが、鯛(たい→めでたい)は不正解になるとおもいます。なぜなら、設問は「新たに加えたい一品」であり、鯛はおせち料理の定番と言えるからです。

答えの例:ハニー(蜂蜜)トースト→八が(三つもあり)末広がり、試験にトース力がつく。

問10

経験問題B(慶應問題)(2)
小学生の誕生日にフランス料理のフルコースが出てくる家庭は限られているはずです。この問題を自信を持って答えられた受験生は、親戚などの結婚式に出たことがある生徒でしょう。

問11

経験問題A(1)
ステーキを思い浮かべてください。ナイフとフォークを使うのに皿は持てないという発想はできるはずです。

【2】主要漁港の水揚高と水産物の養殖

問1

資料の読み取り+常識A
「いわし、さばの単価は、かつおやまぐろ類の単価に比べると安いから」が答えですが、これも慶應らしい問題といえます。魚の切り身の値段や卵の値段を把握している受験生は親と一緒に買い物をする子供です。親子面接も重要な合格要素になっている慶應中等部なので、親子仲をこういったところから判断しているのかもしれません。
慶応普通部H271でもスーパーマーケットの配置についての問題がありました。

問2

知識B( 2  4  1  3)
のり類は佐賀県の有明海が有名です。ほたてがいは北海道のサロマ湖が有名です。しかし、ぶり類とまだいについては知らない生徒が多かったのではないかと思われます。まだいの養殖は愛媛が有名です。正答率50%程度だと思われます。

【3】歴史総合

問1

知識A(4)
とても易しい問題です。選択肢1と2は全て年号を覚えてください。選択肢4はが鎌倉時代、が平安時代です。

問2

知識A( A群4B群3  A群5B群6  A群2B群2  A群1B群4)
とても易しい問題です。慶應は慶應が好きな人に入学してほしい、大隈重信ではなく福沢諭吉が好きな人に入学してほしいというメッセージがです。合格者平均や受験者平均を慶應中等部は出さないので何ともいえませんが、を間違えることは慶應の逆鱗に触れることになります。

問3

知識A( 平清盛  北条時宗  足利義満  徳川家光)
とても易しい問題です。誰もが正解するので一問でも落としたら命取りになります。北条氏は最低3人、承久の乱で後鳥羽上皇に討てといわれた北条義時、御成敗式目を制定した北条泰時、元寇の北条時宗は覚えておく必要があります。また、「満」と「光」の漢字の間違えには気を付けてください。

問4

知識A( 4  5  1  2  3)
とても易しい問題です。一問も落とせません。歴史的建造物についての基本知識です。

【4】日本の島について

問1

知識B(1)
日本にある島はおよそ7000であることは、慶應中等部に受かる受験生なら知っていると思いますが、無人島の割合は厳しかったのではないか。なぜなら私たちは無人島には行かないからです。実は93%は無人島です。合格者の50%程度しか正解していないのではないかと推測されます。

問2

知識A(1)
八丈島は東京都の一部であることは知っておくべき知識です。久米島、宮古島は沖縄県に属しており、琉球びんがたについては「琉球」と言っているので沖縄です。

問3

知識B
合否を分けた一題で後述します。

【5】日本国憲法

知識A( 主権  戦争  基本的人権  法  公共  文化  最高)
易しい問題です。公民を勉強するときに憲法をこまめに見ていたかで差が出たかもしれません。

他にも重要条文はいくつかあります。41条には国会は唯一の立法機関で国権の最高機関であることが書かれています。81条には違憲立法審査権が書かれています。96条は憲法改正の要件が書かれています。

憲法で最も重要な条文は何条か?という質問をすると8割の生徒は生存権が書かれている25条を挙げます。テストで最も聞かれるからでしょう。

私も大学で憲法を学ぶまでどの条文が最も重要なのか知りませんでした。

大学教授というのはそれぞれが独自の理論を持たれておりますが、憲法学者100人に何条が最も大切か?という質問をしたら100人が同じ答えをいうと思います。

13条です。この条文のために他の条文があると言っても過言ではありません。13条をしっかり読んでみてください。

合否を分けた一題

【3】と【5】はあまりに基礎的なので合格レベルにいる生徒は全問正解しなければなりません。【1】については慶應らしい問題でしたが、合格レベルにいる生徒の正答率は概ね同じだと思われます。

そこで、合否を分けた一題は【4】の問3だと考えます。なぜなら、基本を忠実に勉強し、関連事項まで調べるという当たり前の姿勢をとって学習してきた生徒にとっては正解でき、表面的な勉強で終わっている生徒には解けないという知識問題だったからです。

では、見ていきましょう。

A沖縄本島
 1知らないはずです。
 2基本的知識です。その通りです。
 3基本的知識です。その通りです。
 自信を持って1が答えだと思える受験生と、思えない生徒の実力差は大きいと思ってください。

B佐渡島
 1知らないはずです。
 2スペイン・ポルトガルとの南蛮貿易の拠点が日本海側にあることに疑問をもてるか?
 3基本的知識です。その通りです。
 南蛮貿易の拠点がマカオとマニラであることは知っておきたいところ。地図まで確認したかが勝負の分かれ目です。答えは2です。差がつく問題です。

C対馬島
 1知っているか知らないか微妙なライン。
 2よく勉強している生徒は、当然知っている。その通り。
 3明らかに間違っている。
 この問題ではさすがに差はつかなかったと思います。金印=志賀島だからです。答えは3です

D種子島
 1知らないはずです。
 2あまりに有名です。その通りです。
 3時事問題として明治産業遺産をしっかりと学習していれば、正誤がわかります。
 明治産業遺産の学習をしっかりとやっていれば、長崎の端島が炭鉱の島だったとかかれていたはずです。もし、種子島が炭鉱の島であれば、書かれていないはずがないのです。
 答えは3です。差がつく問題と言えます。

E淡路島
 1知らないはずです。
 2明らかに間違えています。後鳥羽上皇は隠岐島に流されました。
 3常識です。そのとおりです。
 答えは2です。

知らない選択肢があっても実力のある生徒には解けるように作られた問題でした。

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