慶應義塾普通部は、慶應義塾系の付属校の中でも問題の難易度は高く、人気校でもあります。ただし、平成24年度は、出願者数が減少したため、相対的に入りやすくなりました。とはいえ、来年度は、出願者数が回復する可能性もあり、その場合は、例年通り、相当の得点率を確保しなければならないでしょう*。スピードと正確性が求められ、知能と常識感覚が試される傾向も変わらないと予測されます。
ただ、傾向にあわせた努力とトレーニングが報われる学校でもあります。過去問をしっかり観察・分析し、適切なレベルと分量のトレーニングを積み重ねることで、合格を勝ち取ってください。
慶應系列の学校に入学すると、大半は、大学まで慶應に通うことになります。慶應付属校の受験は、慶應義塾の「塾員」になるための「入塾」試験なのです。普通部は、入試問題として慶應義塾関連の出題をすることは少ないのですが、面接試問もあり、その際、普通部の歴史や慶應義塾の歴史について質問されることは当然予測されます。
慶應義塾普通部を目指す受験生のみなさんは、広く関心をもって学び進むとともに、慶應義塾についても理解を深めてください。体育実技は、特に高い身体能力が求められるわけではありませんが、心の準備と、どのようなことが課題として課されるかの調査・備えは怠りなくしておきましょう。
*募集数は、平成21〈2009〉年度までは、170名、平成22〈2010〉年度からは約180名となっています。合格数は、募集数170名の時期は募集数+10~20でしたが、募集数が約180となってからは、合格数が募集数を上回ることはなくなっています。
また、倍率は、募集数170の時期は4倍前後で推移していましたが、近年は3倍台です。平成24(2012)年度は、志願数受験数とも100ほど減ったため、倍率が3.2倍となりました。倍率低下の傾向が続く可能性もありますが、倍率の低さが塾模試の偏差値の低下に反映されてくると、「入りやすいのでは?」という考えから受験生が増え、揺り戻しが起こる可能性もあります。志望者は、油断せず、難化にも十分対応できるように準備を進めましょう。