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国語の合否を分けた一題

慶應普通部入試対策・国語の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問一 A 問二 どちらもB 問三 A 問四 A 問五 C 問六 A 問七 A 問八 A 問九 A 問十 B 問十一 A 問十二 B
問一 B 問二 A 問三 A 問四 A 問五 B 問六 A 問七問八 A
すべてA

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度の慶応義塾普通部は大問三つの構成でした。大問一は物語文で、灯台守と少年が一年の間でお互いすっかり変わってしまうというものでした。大問二は随筆文で、スマホなどの登場により、ぼんやりと物思うことをしなくなった現代人に関するものでした。大問三は漢字の書き取りが十問でした。落としてはいけない問いがはっきりしている印象です。正しい国語の解き方を身につけた受験生が良い結果を出せた問題だと思われます。

問題別寸評

問一 空欄補充

空欄の直前の内容から答えが選べる問いです。落とせない問いです。

問二 当時と今の比較

「今」というのが何歳を指すのか、本文にはっきりと書かれていないため、難しい問いだと感じた受験生もいたかもしれません。一つは、線部自体を、特に「今の半分の重さ」という部分をそのまま理解して、もう一つは、線部の直後の内容から考えて答えを出します。

問三 主人公の立場 ※抜き出し

一年後の場面で答えを探す問いです。確実に得点したい問題です。

問四 登場人物の存在

線部自体の「どちらにも属している」と、その直前の「境い目」から答えを考えます。これも確実に得点したい問題です。

問五 空欄補充 

空欄の直後「望遠鏡がとらえる空」という表現に注目できるかが勝負の分かれ目です。「広い」や「遠い」の類義語を考えてしまいそうな厳しい問いだと思います。

問六 登場人物の思い ※抜き出し
問いに「ぼくは推測している」「灯台守の胸の内が書かれた部分」とあり、文章のどの辺りに答えがあるのか、容易に見当がつくようになってい

ます。また「30字」と指定されてもいるので難しくはないでしょう。

問七 線部の対象

線部の直前の内容の正確な把握が必要でした。少し悩みそうな問いですが、落とさないでほしい問いです。

問八 換言

選択肢が良く考えられており、線部の語感だけで選ぶと間違えてしまいます。ただし語彙力だけでなく、線部の前後の正確な読みで正解が選べる問いでもあります。

問九 人物の特定

灯台守がこの一年で急激に年老いてしまったことにより、今の「ぼく」を当時の「ぼく」と認められなくなっているのです。

問十 換言 ※記述 

問いの「どのようなことをいっている」という表現から、線部の言い換え記述だとわかります。さらに、「自覚」を必ず使うという条件から、線部のどの表現が「自覚」という言葉を使って言い換えられるのかを考えます。
「自分では見られなかった」=「自覚がないうちに」
この換言が書けていれば、大きく外すことはないでしょう。

問十一 主人公の心情

線部の直前の内容を理解すれば、正解を選べます。

問十二 読者に予感させる一文 ※抜き出し

まず、問いに「予感」とあることから、文章の前半に答えの一文があると想定できます。次に、暗示問題ということから、情景描写に注目して探します。すると、前半の最後の部分に答えがあることが分かります。最後に、二文のうちどちらが答えかを決めるのですが、「変化」としてより明確に書かれている一文を選びます。暗示表現問題のきちんとした解き方を知っていないと苦戦することでしょう。

問一 空欄補充

述語を埋める問題でした。空欄の前部を正確に把握しないと落とす可能性があります。

問二 筆者の楽しみなこと ※記述

線部の直後から説明される、窓側の楽しい点を、具体的表現を省くことによって二十字以内にまとめる問いです。

問三 線部の理由

線部までに書かれた内容、および直後から、ぼんやりと物思うことが想像であると読み取れます。

問四 換言 ※抜き出し

「スマホ」を5字で言い換えたものを探す問いです。線部から大分遠いですが、ヒントが明確ですので、答えを探し出してほしい問いです。

問五 筆者の意見 ※記述

後ほど、合否を分けた一題で説明いたします。

問六 線部と同じ内容 ※抜き出し

線部と同じ表現が、答えとなる部分にもあり、さらに字数も「30字」と限定されています。易しい問いですので確実に得点しましょう。

問七 線部の理由 ※抜き出し

「何が」という主語を補って線部を考えれば、答えの部分が分かります。つまり「議論することなく、結論だけを知ってしまうことがつまらないのはなぜか」ということです。線部の近くに答えがあることからも、落とせない問いだといえます。

問八 正誤問題

本文の内容と合っているものを2つ選ぶ問いです。このタイプのものは2つとも正解するのが厳しいことが多いのですが、この問いは、本文の要点をひねらずに選択肢としてくれています。2つとも正解してほしい問いです。

合否を分けた一題

今回は大問二の問五を、合否を分けた一題に取り上げたいと思います。
慶応普通部特有の少ない字数の記述問題ですが、部分点狙いではなく、完全正解も狙えるものです。

問五 筆者の意見 ※記述

3 鋼鉄の手足を持たず、強力な兵器も備えていない善人ヅラのロボットに、地球を乗っ取られてしまった とありますが、これは現在の私たちの状況をたとえた表現です。どのようなことを言おうとしているのですか。「~こと。」に続くように30字以内で書きなさい。

解き方の手順
線部が「たとえ」だと問いに書かれています。ということは、これはたとえを言い換える問題です。さらに、その言い換えは「どのようなことを言おうとしている」という文言から、筆者の意見であることも読み取れます。
このように、問いには答えを出すためのヒントが必ずあると考えることが大切です。

では具体的に考えていきます。

まず、線部の前半はスマホなどの「文明の利器」のたとえだとわかります。
次に、線部の後半の「地球を乗っ取られてしまった」ですが、文明の利器により「現在の私たち」がどうなったのかを書けばよいとわかります。
このように考えると、線部の5行後に

想像する時間を奪われ、急激に想像力を喪失した人類は、やがてごく特定の分野を除いて、おそらく正当な創造を停止すると思われる

とあります。創造の部分は、未来の予想ですので、問いの「現在」にはあいません。
また、「想像」は筆者がこの文章で言いたかったこと、キーワードでもあります。
だからこの部分が答えの要素だとわかります。

【解答例】
文明の利器の使用で想像する時間を奪われ急激に想像力を喪失した(こと)。

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