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国語の合否を分けた一題

女子学院中入試対策・国語の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問一 A 問二 A 問三 B 問四1 A 問四2 B 問五 A
問六 A 問七1 A 問七2 B 問八 A
問一1A 問一2 A 問二 A 問三 B 問四B 問五C 
問六A 問七 A 問八 B 問九 A 問十 A 問十一 A

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度の女子学院は大問二つの構成となっており、例年通りの出題でした。大問一の論説文は今年度の入試では様々な学校で出題された文章であり、トレンドにマッチした問題といえます。内容はさほど難しい内容ではないですが、短い時間に効率よく問題を処理していくことが要求される女子学院においては、ミスが許されない大問でした。大問二は文章が若干取り組みにくく理解するのに時間がかかることが予想されます。どれだけこの大問に時間が使えたかが明暗を分けたのではないかと推察されます。

問題別寸評

問一 同意内容の選択・慣用表現

「よけいなお世話」と同内容の慣用表現を選択する問題です。基本的な知識なので問題なかったでしょう。

問二 選択問題・理由の選択

傍線部の理由を選ぶ問題です。四択から一択選ぶ問題でした。傍線付近の内容をていねいに押さえておけば問題ないでしょう。

問三 表現にこめられた気持ちを読み取る

「お掃除ロボット」を「健気」と評する筆者のとらえ方を考えて選ぶ問題です。ほとんど「健気」という語句の意味で選択できてしまうので、知識問題に近いものがあります。正確にこの言葉を理解しているかで明暗が分かれます。

問四1 語句の意味「主客転倒」

問題自体は「主客」が何を指すかということを理解しているかを試すものでした。知識ではなく、文脈から考えていく問題です。

問四2 「主客転倒」の説明・具体化

状況に合わせて具体化する説明記述です。問四1を間違えてしまえば連鎖的に間違えることになります。ただ、「主」と「客」が入れ替わっているということを説明するには、今までの立場がどのようなものかも説明する必要があり、コンパクトにそれをまとめるのには苦慮したのではないでしょうか。

問五 指示語の記述

JGでは頻出の指示語の問題です。難易度が高い問題ではないため、確実に得点しておきたいところです。

問六 空所補充

空所に適する内容を入れる問題です。前後の文脈を見て、確実に正答しておきたいところです。

問七1 「弱さ」を記述する

「お掃除ロボット」と「ゴミ箱ロボット」の「弱さ」を記述する問題です。本文の具体例にそのまま記述されているので、無駄なくコンパクトにまとめればよいでしょう。

問七2 「共同行為」のあり方を説明する

解答形式が指定されているので、設問のヒントをしっかり把握し、根拠探しに活かせばさほど問題ではありません。Yの方は「共同行為」と同義になりますから「共同」という意味合いがきちんととれるような記述にする必要があります。

問八 漢字の読み書き

 漢字の読み書きです。特に問題になるものは見当たりません。標準的な問題でしょう。

問一1 語句の意味・言い換え

「心得る」という言葉の意味を熟語で置き換える問題です。知識として処理することも、文脈で処理することもいずれも可能です。確実に得点しておきたい問題です。

問一2 知識・「心~」という言葉

「心~」という一語の動詞を考える問題です。これも標準的な問題なので、確実に得点できるはずです。

問二 主語の特定

傍線部の内容の主語を確認する問題です。JGはこのようにきちんと文の主語を確認させる問題を間にはさむことがあります。簡単な文法問題ですが、JG側の「文意を正確におさえてほしい」という意識が見られる問題です。

問三 心情説明・具体化

「いぶかしい」という気持ちを状況に合わせて説明する問題です。学習の中で一度は目に触れた言葉だと思います。近くにこの「いぶかしい」の直接的な言いかえは存在しないので、自分で言葉を考える必要があります。具体的な状況自体はその段落内の内容を確認すればよいのでさほど苦労しなかったと考えられます。

問四 抜き出し問題・言い換え表現を探す。

JGでは何度も出題される、「具体」と「抽象」の関係を利用した問題です。文章を構造的にとらえている生徒にとっては問題ないでしょうが、そのような大局的な見方ができなかった場合、探すのに時間がかかる可能性もあります。対策の有無が明暗を分けたのではないでしょうか。

問五 結果の記述

設問のみならず、傍線部の内容自体もややあいまいなので、何を書いていいか困った生徒も多かったのではないでしょうか。「見栄を張る」その結果どうなるのか、という因果関係の流れをしっかりとおさえてほしいところです。完全解答はなかなか難しかったかもしれません。

問六 空所補充

単純な知識の問題ですが、市販の教材に掲載されている知識というものではなく、「お米を ⑥ 」に入る言葉を考えるものでした。とはいえ、難度が高いわけではないため差がつく問題ではないと思われます。

問七 文の理解

問二の類題ともいえる問題です。まず正確に主語述語を確認できているかが肝です。主語が特定できた段階で2択まで絞れますので、正答に至るまでにはさほど問題なかったでしょう。

問八 理由の記述・心情

傍線部「涙する」の理由を考える問題です。物語文で問われる「心情の記述」できちんと解答が出せる問題です。心情語句の選択、そして原因部分をいかに深められたか、がポイントでしょう。合否を分けた1題の中で詳述します。

問九 語句の意味

「堪りません」の意味を選択する問題です。文脈から類推する必要がありますので、丁寧な読みが要求されます。

問十 内容一致

五択の中から二つ選ぶ内容一致です。特段厄介な選択肢はないので、落ち着いて取り組めば解答できるでしょう

問十一 漢字の書き取り

 大問1同様、特に問題になるものは見当たりません。標準的な問題でしょう。

合否を分けた一題

今回は大問2の問八を取り上げます。問題自体が難しいわけではないですが、正確に必要な要素をまとめ上げるJGらしい問題といえるでしょう。

問八 理由の記述・心情

傍線部「涙する」とありますが、ここで「祖母」はなぜ涙を流したのですか。その理由をていねいに説明しなさい。

解き方の手順
「涙する」という反応の理由を求められていますから、心情を答えることは明らかです。ただし、ここでは「ていねいに説明しなさい」という条件がありますので、きっかけ部分をしっかりと補強していかねばなりません。
【心情記述の公式】
背景+きっかけ→とらえ方+心情

このパーツを探して埋めていくことになります。まずは探しやすいきっかけからスタートです。直前の父の台詞がきっかけであることは明らかですね。
●きっかけ
自分が次女であることで差別されてきたことに対する不平不満を述べたら、父が「人には運命を踏んで立つ力」があると言われた。

次に背景です。背景は「それまでの状況」や「きっかけと対比的な情報」などを探していきます。今回は差別されてきた自分に対する父の発言ですから、父の情報を中心に拾いましょう。

●背景
父も幼いころに生まれ順による差別を受けてきた

この背景・きっかけを使って祖母の「とらえ方」を考えます。「とらえ方」というのは「きっかけ」をどのようにとらえたかということです。

●とらえ方
自分の身にも父と同じだけの苦労が課されることを思った
→自分と父の境遇の共通点から、自分も苦労することを悟った

あまりにも本文を多用した答案にすると解答欄に収まらない可能性があります。適度に抽象化する必要があるでしょう。あとは心情語句を付け足して完成です。

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