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理科の合否を分けた一題

海城中入試対策・理科の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問1 (1)A(2)A(3)A(4)B  問2(1) A(2)A(3)B 問3 (1)B (2)A(3)B
問1 A  問2 (1)A (2)A (3)B 問3(1)A (2)A (3)C  問4(1) B (2)B (3)A
問1(1) A (2)A (3)A  問2(1)C(2)B(3) A 問3 B  問4 C  問5 C
問1 B  問2(X) A (YZ) A 問3 A  問4 B  問5 (1)A(2)B  問6 C

A…海城合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難問

出題総評

2018年度の海城は、基本となるよく覚えておく必要があるものからかなり発想を自由に持たないと答えを出せない問題まで広く出題されていました。

生物分野の問題は、植物、特に森林の発達について考える問題。
化学分野の問題は、薬品の分類と気体発生についての問題。
地学分野の問題は、天体、日食についての問題。
物理分野の問題は、浮力についての問題。
本年の時事的題材は、2017年8月アメリカ本土で観測された皆既日食についての問題でした

時事問題は日食など話題になったものですが、日食ではとてもよく聞かれることについてでしたので天体現象とそれに関するピンホールカメラなどの観察手段は合わせて身に着けておくべきです。
全体的には計算が比較的多く取りやすい印象があります。

問題構成は、4分野から大問4題、小問36問。
理科の配点は80点ですから、ほぼ1問2点と考えてよいでしょう。
解答形式は、選択肢が19問、記述が4問、言語が9問、作図が2問、数字が7問。
(一部選択と言葉を答えさせるものありなので合計小問数より多いです)
記述は、10字以内が2問、2行程度が2問でした。
計算を要する問題は7問で、桁数が面倒なもの以外は取れている必要がありそうです。
作図はよくあるもので海城を目指す生徒さんはしっかり書けているといいですね。

問題別寸評

(物理)浮力に関する力学の問題です。
問1 計算をもとにグラフの形を推測する問題です。

(1)

水によって生じる浮力は押しのけた水の量と同じ重さだけかかるので体積100㎤であるため100㎤×1g/㎤=100g。

(2)

2.7g/㎤×100㎤=270gの重さがあるアルミニウムのおもりに対して問1で100gの浮力がかかるため270-100=170gとなる。

(3)

浮力によって軽くなったおもりの重さは水が受け止めるような形になります。そのため受けて軽くなった分の浮力と同じ重さだけ下の大はかりにかかることになります。よって最初に量ったビーカーの重さである300gに浮力の100gを加え400gとなります。

(4)

円錐型のものを頂点から引き上げると同じ高さの変化に対して頂点から離れるほど変化は大きくなります。そのため最初は変化が小さく後から変化が大きくなるグラフを選ぶことになります。またばねはかりでなく台はかりの読みを選ぶので浮力は小さくなってゆくことからおもりを支える力が小さくなってゆくことも予測できます。これらの条件からキのグラフが正しいとわかります。

問2(1)

食塩水と真水から受ける浮力について。
同じものを浮かべた時に浮力が大きくかかるのは密度の高い液体の時なのでこの場合は食塩水のほうが大きい浮力がかかるため水面上の体積が大きいのも食塩水の方とわかる。まず100㎤の氷は100×0.9=90gなので食塩水で90gの浮力を得るためには90÷1.2=75㎤が水面下にあるとわかる。一方水では90÷1=90㎤だけ水面下にあることになるのでその差15㎤だけ食塩水に浮かべたほうが大きい。

(2)

水の浮力を受けた氷について。
水に入った氷の水面より上の部分は凍ることによって膨張した部分と同じ体積となるので融けたあとの液面は変化しない。

(3)

食塩水の浮力を受けた氷について。
(2)と比べると浮かべているのが水でできた氷で浮かべている液体が食塩水の場合は大きな浮力がかかっているので(2)とは異なった結果になります。(1)で計算した結果から食塩水中には100㎤中75㎤だけ水面下に入っているが、氷の重さは90gなので水に戻った時も90gの水になるためその体積は90㎤とわかっている。よってその差の15㎤は液体全体の体積が増えることになるので水面は高くなる。

問3(1)

浮いている氷にアルミニウムのおもりをつける問題。
問題文にあるように重さと浮力が釣り合っていることから考えます。アルミニウムのおもりの体積は135÷2.7=50㎤となるので全体が水面下にあると浮力は50gかかります。また氷の体積は2000㎤なので2000×0.9=1800gの重さになります。重さの合計は1800+135=1935gです。アルミニウムの浮力が50gなので1935-50=1885gの浮力が必要なので水面下には1885㎤入っている必要がある。よって2000-1885=115㎤

(2)

ひもがおもりを引く力は135-50=85gなので85gの浮力を作る必要があります。水面上に85㎤の体積を出すためにはその10倍の体積が水面下にある必要があるので85×10=850㎤

(3)

おもりをつけているということは余計に浮力がかかっているということでその分多くの体積が水面下にあるということです。水面上にある部分を水面下に押し込むと水面が上がります。その状態のまま氷が融けたら元の水面に戻るので水面が下がります。上から押す力が下からおもりが引くことと同じなので同様に氷が融けると水面は下がります。

(化学)水溶液に関する問題です。
水溶液の性質を決める要素はいくつかありますがその要素によって分類し共通性質などで見分ける問題。

問1

塩化水素が持つ刺激臭以外の性質なので酸の性質とわかります。またBTB液との反応は酸性では黄色というのも外せないところですね。

問2(1)

酢は酢酸という酸で特有のにおいがあります。

(2)

炭酸水素ナトリウムは白色の固体でにおいはありません。また重曹ともよばれ弱アルカリ性の性質を持っています。

(3)

ホウ酸は白色の固体で水に溶けると酸性の性質を持ちます。

問3(1)

強アルカリである水酸化ナトリウム水溶液にアルミニウムを入れて発生する期待は水素。3つの性質のすべてに当てはまらないので⑧。

(2)

石灰水の特徴的な性質。水酸化カルシウム水溶液なので強いアルカリの水溶液。固体が溶けているので臭いはしない。よって②

(3)

塩酸とアンモニア水溶液を近づけると塩化アンモニウムの白煙がでるという性質から。アンモニア水溶液は強いアルカリ性で強い刺激臭がする。よって⑤.

問4(1)

ふたまた試験管はあまり使わない実験器具ですがごくまれに出題されることがあるので意識しておこう。ふたまた試験管は固体と液体を一つの試験管に入れて反応させる器具なのですが二つ目の試薬を入れるときに最初に入れた試薬が混ざらない工夫がされています。それがこのくぼみです。くぼみには固体をひっかけて止めておく役割があるのでくぼみのあるほうが固体とわかる。
よって炭酸カルシウム。

(2)

炭酸カルシウム(石灰石の主成分)に塩酸を入れると反応して二酸化炭素が発生します。これは水に溶けると酸の性質(炭酸)をもち、臭いはなく、気体なので①になります

(3)

気体の交換装置を入れます。二酸化炭素は水に溶けやすいのでそのまま水上置換でメスシリンダーに集めようとしても水に溶けて正確な数値がはかれません。そのため三角フラスコに長短のガラス管で発生した二酸化炭素を長いガラス管で底のほうに集め、フラスコ中の空気を短いガラス管でメスシリンダーのほうに送るようにしています。

(地学、生物)植物についての問題。
植物の育つ環境を問う地学の問題と植物自体の生物の問題が含まれています。

問1(1)

蒸散(作用)。葉から水蒸気にして水分を放出する動きのこと。これによって根から水を吸い上げることができます。

(2)

気孔。葉の裏に多く存在し三日月型の2つの孔辺細胞によって構成されます。

(3)

道管。茎や葉脈の中にある根で吸い取られた水や水に溶けた養分を通す管です。

問2(1)

落葉広葉樹はブナ、コナラ、ケヤキが該当します。

(2)

常緑広葉樹はシラカシ、スダジイ、クスが該当します。シラカシは樫木(カシノキ)の仲間なので推測して答えよう。

(3)

針葉樹はカラマツ、スギ、アカマツが該当します。これが問2では最も取りやすい問題です。

問3

草原や砂漠などと比較すると日本は十分な降水量があり水がなく樹木が育たないという所はないので主に気温が育成する樹木の地域を決めることになります。育成できる地域について「リンゴの生産地の北限」などが知識としてあると気温によって制限されることが理解できます。

問4

砂漠といえば水がないことが実際見たことがなくとも理解はできると思います。湿度が極端に高くない場合は温度が高いほど、樹木の育成に必要が水分が蒸発してしまうので砂漠になりやすいと考えられる。

問5

→合否を分けた一題参照。

(地学)天体 太陽に関する問題。
空気が上昇気流によって上空で圧力が下がると、温度が下がって露点に達すると雲ができます。このように、空気を膨張させると温度が下がり、逆に圧縮すると温度が上がります。この原理を利用したのがヒートポンプです。ヒートポンプの中にはガスが流れていて、圧縮して温度を上げた状態のときに外へ熱を放出し、膨張させて温度を下げた状態のときに外の熱を吸収します。
問題を解き進めるにつれて、この仕組みが理解できる構成になっています。熱のやり取りをイメージしながら、しっかり取り組みましょう。

問1

太陽の大気である「コロナ」は日食の時でないとみることができません。太陽の表面が月で隠されるときにのみ観察され“紅炎”とも呼ばれるプロミネンスも観察されることがあります。

問2

地球の中緯度地帯は強い西風がふいていて「偏西風」と呼ばれています。これは「夕焼けは晴れ」といわれるように西の空に見える夕焼けは西のほうが晴れていることと、天気は西から変わってくるので明日は晴れることがわかるということに通じます。強い西風は日本からアメリカに行くときは追い風になり飛行時間を短く、消費する燃料も少なくしてくれます。
 

問3

飛行機はかなりの上空を飛行するので富士山の頂上よりずっと気圧が低くなります。旅客機の居住部分はある程度与圧されていますがそれでもかなり気圧は低いと考えられます。低地で購入したポテトチップのような袋菓子を富士山の頂上まで持ってゆくと圧力差で膨らんでいることはよく知られていますが、飛行機内でふたを開けるということは容器内が低圧状態になるということです。そこでふたをして低圧状態を保ったまま地上に降りると外気圧のほうが高くなるので容器は少し潰れます。
また大気の上層部で飛行機も飛べるところはかなり低温になります。機体に氷がつくこともあるそうです。

問4

比例計算でもとめられますがけたの違いが大きいので注意が必要です。
4,6mm×(1.5億km÷50cm)
で表される比例計算です。

問5

(1)木漏れ日で作れるピンホールカメラは隙間一つ一つが同じ動作をするので4つの像ができる場合は4つとも同じ方向にできます。 また日食の途中なので丸い形にはならず欠けた形になるのでウが正解です。
(2)日食グラスや写真での画像とピンホールカメラでの画像は上下左右が逆になるので写真で右上が明るいため左下が明るくなるような像となります。

問6

地球と太陽の距離よりも地球と月の距離は大きく変化するので月の見かけの大きさは変化します。月が遠くなると小さく見えるため太陽の大きさよりも小さく見えて金環食になることがあります。

合否を分けた1題

海城らしい教科書や問題集にない考えさせて解く問題となっています。
旅行が好きな人でもステップや砂漠などは行ったことはないでしょうしモンゴルもまた写真やテレビなどでしか見ることができないと思いますが、そのようなものに対しても普段から興味を持ってよく見ていたり調べてみたりすることが求められているのかもしれません。
図を見てわかることには限りがあるので自分の経験や知識で補うための広い「教養」に似た知識を要求しています。広尾学園の問題にも夕焼けの絵がありこの絵からわかることを書きなさいという問題が出題されたこともありますが、見えること、それを裏付ける知識、そこから導けることというものがセットで問われることが多くなります。普段から「受験に出る出ない」で知識を選別せずに広い見識を持つことがいいかと思われます。

問5

一般的に植物に必要な日光は、モンゴルのようなかなり降水量が少ないところでは樹木にとって“水分を保持するため”にはありがたくない存在となります。南側斜面は日光が当たるため少ない水分が蒸発し、育成に必要な水分が保持できないので、雪が残りやすく蒸発しにくい北側に水分が多く残ることが予想されます。そのため北側に森林が発達したと考えられます。
今までの理科では森林の発達で陽樹と陰樹が日光を取り合って最終的に陰樹の森が形成される(極相林)ことを学んだのですが、この問題では森林を制御する因子が日光よりも水分であることと発想を大きく転換させる必要があるため、受験では問題集に載っている問題をしっかり解けることに加えて応用力や発想力が必要だと感じさせた一題でした。

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