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社会の合否を分けた一題

海城中入試対策・社会の合否を分けた一題(2018年度)

A:易しい(合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B:標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため大きな差はつかない問題)

難易度表

問1 A
問2 B
問3 A
問4 A
問5 A
問6 B
問7 B
問8 (1):B (2):A
問9 C

出題総評

瀬戸内海を運航している図書館船や診療船についての問題です。海城中の社会は何かのテーマについての文章を読み進め、関連する用語を解答したり、選択したりするものがありますが、難易度としては高くありません。一方で、記述式の問題はかなり解きごたえのあるものとなっています。もちろん、社会科の用語を知識として知っていることも大切ですが、それ以上に資料やデータの読み取りを行い、きちんと言葉をまとめ上げることが求められるという点に重きを置いて対策することで、海城中合格に近づくことができるでしょう。

問題別寸評

問1

南蛮貿易によって日本には海外の珍しい文物が持ち込まれました。同時にキリスト教の文化も取り入れられました。そのころに望遠鏡や地球儀、鉄砲なども持ち込まれました。

問2

Aの地点は現在の神戸港にもなっている、平清盛が日宋貿易の拠点として修築した大輪田の泊です。ここから宋へ使いを送るため、瀬戸内海の航海は大変に重要であったと考えられます。厳島神社は平家の氏神としての意味合いもありますが、もともとは推古天皇が遣隋使を派遣する際の航海の安全を願うためにつくったものでした。ちなみに、日本海側は海流が激しく、瀬戸内海を進んだほうが都合がよかったようです。

問3

仁保国憲法に規定されている、自由権の中にある精神の自由に規定されている「表現の自由」により、日本国民は学問や芸術などの分野で思い思いの作品や思想を発表する事ができるのです。

問4

ユネスコ(国連科学文化機関)は「UNESCO」というアルファベット表記でもかけるようにしておきましょう。世界遺産を管轄しているのも、この機関です。「国連」と頭につく機関はほとんどが「UN~」ではじまりますので、知識整理に役立ててみましょう。

問5

自衛隊は内閣の管理する防衛組織で、自衛隊法に「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」ものと規定されてます。これを軍隊と考える人たちと、単なる防衛力であると考える人たちとで時折論争が繰り広げられることがあります。

問6

浮世絵は元禄年間・文化文政年間に開花した日本の文化であり、明治にフランスのパリで開かれた万国博覧会にて浮世絵が紹介され、ゴッホなどの著名な海外の芸術家に影響を与えました。

問7

設問から何を答えるべきなのか、また、その着眼ポイントを読み取りましょう。今回は移動図書館のサービス大きく改善されたことの「具体的な改善点」と「理由」を答えます。また、そのために「①本文、②資料1、資料2、資料3、資料4」に着眼します。
一見すれば、関連性のなさそうに見える資料ですが、答えるべきことを明確にして、資料を見比べるときに、時系列を追ってみたり、同じような資料は重ねて考えてみたり、比べてみたりすることで、書くことが見えてきますので、受験生の解答には一貫性があるでしょう。言い換えれば、記述解答ではあるものの、答えに大きなばらつきはないだろうという問題でした。

問8

岡山県・広島県・香川県・愛媛県を航空地図から特定します。今回は岡山県を見つければよいので、岡山県の特徴を考えてみます。すると「水島地区にはコンビナートがあったぞ。」という基礎知識が浮かぶはずですので、工業地区になっているものを回答すればよいのです。また、それは浮かべば、県の説明を選択することも容易にできるのではないでしょうか。また、大仙古墳が大阪府にあるということもすぐに気づけるので、(2)もあっさりと選べたのではないでしょうか。

問9

合否を分けた1題です。
 済生丸に必要な理由について考えます。
それぞれの資料から必要な要素・わかることを書き出してみましょう。そのうえで、少しずつ要素を加えていきましょう。

《資料4》
・船一隻まるごとがまるで病院のような設備を整えている。
・どの設備にも「~検査」ということがついている。
→済生丸は、移動式の検査病院のような役割をしているが、入院設備などは整っていないように感じられるので、検査専門なのではないかということがわかる。

《資料5》
・寄港する人工ピラミッドは、「少子化」と「高齢化」が進行していることが読み取れる。
→済生丸は、移動式の検査病院であり、その検査対象者の多くは高齢者であることがわかる。高齢者には足腰の不自由な方がいることが予想されるが、健康診断などを定期的に受けられるようにしているから。

《資料6・7》
・がんや肝炎などの発生率と、済生丸の利用内訳がわかる。
→済生丸は、移動式の検査病院であり、その検査対象者の多くは高齢者であることがわかる。高齢者には足腰の不自由な方がいることが予想されるが、がんなどの健康診断などを定期的に受けられるようにすることで、早期発見や治療を促すことで島民の健康管理のために必要であるから。

《本文》
・すべての島に病院などの治療設備があるわけではない。
・島々にはいくつもの橋がかけられており、自家用車などで本州や四国の都市部に向かうことができるようになった。
→現在でもすべての島に病院があるわけではないが、多くの島には橋がかけられるなどの交通網が発達し、自家用車などで本州や四国の都市部に行けるようになった。済生丸は、移動式の検査病院のような役割で、検査対象者の多くは足腰の不自由な高齢者であり、通院が困難であることが予想されるが、がんなどの健康診断などを定期的に受けられるようにすることで、早期発見や治療を促すことで島民の健康管理のために必要であるから。

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