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国語の合否を分けた一題

開成中入試対策・国語の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

問一B  問二A  問三C
問一A  問二B  問三A  問四B

A…開成中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

問一

指示内容について具体的に説明する記述問題です。
指示内容は傍線部から遠く離れた本文後半に示されています。文章を読みながら要点(この場合は「筆者の強い思い」)を確認できていれば容易に情報検索できるでしょうが、場当たり的に読んでしまうと、いたずらに悩んでしまう…そんな問題です。

問二

傍線部に示された人物の様子から読み取れる心情を具体的に説明する記述問題です。
傍線部(「黙りこんで」)と直前の台詞(「迎えに来てほしい」)から、心情(「お願いされたことに対して応えるべきか迷っている」)を導くのは決して難しくはないはずです。また、心情理由(「危険な行動に対する心配」)も、傍線部後に示されたセリフから確認できます。

問三

「合否を分けた一題」として解説します。

問一

比喩的表現によって強調された心情と言動を具体的に説明する記述問題です。
傍線部直前の心情(「慌てて…」)と、その原因(「Kさんが…表情を暗くする」)を確認したら、あとは傍線部(「ますます墓穴を…」)を言い換えれば解答は完成します。その際、具体的なセリフを使わないよう注意することはとても大切です。

問二

具体的なセリフが意味する内容を明らかにして傍線部を言い換える記述問題です。
具体的なセリフ(「つまんない」)が意味する内容については、問一で確認できる心情(「自分の故郷をバカにされた…」)から導くことができます。これは難しくないでしょう。
一方、傍線部直前(「もちろん…何度となく聞いた…しかし」)から、「(言葉を知ってはいたが)あらためて強く感じたのは初めて」という意味が導けるかどうか、ここは差がつくところではないでしょうか。

問三

ある人物と自分自身との共通する心情を説明する記述問題です。
問一と問二について正しい理解がなされていれば、問三は造作もなく解答できるでしょう。傍線部内の具体的な内容(「十四階建てのビル」)を抽象化する必要がありますが、ここは差がつくところではないでしょう。

問四

二箇所の傍線部の「意味の違い」を説明する記述問題です。
このようなタイプの設問は開成が好むものの一つです。近年では、平成26年度の大問一・問三、平成25年度の大問一・問二で同様の問い方が確認できます。
さて、この問四で注目させる二箇所の傍線部の内容は、一見するとほぼ同じように見えます。ここで、「一方は『文字通り』、もう一方は『比喩的』」と意識できれば、一気に正解に近づけます。傍線部イの「小さく」を心の説明としてとらえればよいわけですね。

合否を分けた一題

開成中の国語の入試問題は「情報整理」の力を強く要求します。たとえば、平成14年度(大問一)と平成16年度の文章には、傍線や括弧が全くありませんでした。極めて異例なことですが、これも「情報整理(検索)」の力を確認するための意図的な設定とみることができるでしょう。

さて、読解の設問の多くは「――『○○』とありますが、」という言い方で「まずどこを確認すればよいのか」を明示してくれます。一方、このような傍線部の指定がない場合はどうでしょうか。「目のつけどころのヒントがない」分、情報整理ができていない受験生は、解答に必要な情報の「検索」の段階でさまよってしまうということになりかねないのです。

一 問三

筆者の考え方を説明する記述問題です。傍線部指定はありません。よって、「まず本文のどこに着目するか」という判断が要求されます。では、どのようにアプローチすればよいのか、詳しく見てみましょう。

解き方の手順
①まず最終段落に着目しましょう。文末で強調されている以下の内容が検索できます。
⇒「…どんなことでも、自分…で経験し、学びとっていかなければならない」)
しかしながら、これだけでは、設問(「自然や動物に対する考え方や接し方」)に対する答えとしては抽象的すぎます。
     ↓
②よって、他の要点も検索する必要が生じます。2ページ後半に、逆接・反語によって強調された内容があります。文章の正しい読み方が実践できていれば、この部分には「読んでいるときに注目できている」はずです。
⇒「自然は人間…が介入せず、放っておくほうがいい…。しかし、それは…人間がいない場合の話だ。…マネージメント…をどうして人間にも向けてこないの…。」
     ↓
③検索した要点をしぼりこみます。ここで気をつけねばならないのは、「筆者が積極的に主張していない内容を強調しない」ということです。
⇒「自然は本来的には人間が介入せず放っておくほうがいい…」←強調しない!
     ↓
④解答要素を整理します。
⇒「人間が関わる」「管理する責任」
  「自分自身で経験」「学びとる」

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