| 新規会員登録

国語の合否を分けた一題

開成中入試対策・国語の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問一B 問二A 問三B 問四B
問一A 問二B
①A ②B ③B ④C ⑤A

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度の開成中学の目玉と言えば、やはり大問二の「新傾向問題」でしょう。難易度の高さというよりも、「未知の問題」であることが受験生の動揺を誘ったのではないかと推察します。ただ、しっかりと論理的に考えを進めていけば決して難易度の高い問題とは言えません。突拍子もない出題にも動じず、本質をしっかりと理解することが求められた入試と言えるでしょう。他の大問においても、やや内容をまとめることに苦戦する問題も見受けられましたが、例年通りの問題だったといって差し支えないでしょう。

問題別寸評

問一 心情記述の問題

心情記述の問題です。解答の手がかりのほとんどが傍線部を含む場面で得られる問題でしたので、多くの受験生が部分点は得られたのではないかと考えます。一方で、傍線部の表現に着目しながら解答の細部を詰めていく必要もあるので、その点は差がついた問題でしょう。

問二 語句の意味をふまえた傍線説明問題

「不遜」の意味を知らずとも、傍線部の文脈で解答内容自体は考えられる問題です。「不遜」という言葉のもつ立場の関係をきちんと答案に反映できたかがポイントです。

問三 理由の記述

傍線部の反応「泣いている」の理由を問う問題でした。比較的本文に理由の要素が明示されています。ただそれをどのようにまとめるかを考えるのが少々苦戦するところでしょう。広範囲に散らばった要素をつなぐ論理性が問われる問題といえるのではないでしょうか。

問四 主人公の変化についての記述

多くの学習塾で「変化の記述」は学習することと思います。変化前、きっかけ、変化後の三点での説明が要求されている問題です。ただし、きっかけ部分に複数の要素が必要となる問題でしたので、その点をきちんと抜けなくまとめられたかが勝負の分かれ目と言えます。

問一 ニュアンスの把握・ぬき出し

新傾向の問題ですが、問題自体はシンプルです。「客観性に欠ける表現」をぬき出すということですので、「主観がこもった表現」を探すことになります。解答根拠は部長の発言の中にありますので、丁寧に意味を考えながら探していけば問題ないでしょう。

問二 社長の考えとその根拠の説明

グラフに注目しながら社長の考え、並びにその根拠を説明する問題です。グラフをもとにした出題自体はおそらく初めてのものであり、見た目に驚いた受験生も多いと思います。しかし、落ち着いてグラフの内容を整理できればさほど苦戦する問題ではありませんでした。時間と個数の関係をしっかりとおさえること、違いを探すこと、この二点を確実に行えば解答には至ったはずです。

問 漢字パズル

灘中を彷彿とさせる漢字パズルの問題です。漢字パズルは「思いつくかどうか」が重要な要素になります。ひらめけばすぐに解答にいたりますが、そうでない場合いたずらに時間だけがかかることになるため、解くか捨てるかの判断を瞬時に行うことが必要でしょう。

合否を分けた一題

今年度の開成中の問題は全く歯が立たないという問題は少なかったといえます。合格者平均が50点台であることを考えても、「×がつかない答案」を作成するだけでなく、より加点要素のある答案を作るということが重要な年度でした。その中でも今年度の新傾向問題ともいえる大問2の問二を合否を分けた1題として扱いたいと思います。

問二

大西社員より小池社員の方を高く評価する社長の考えとは、どのようなものと考えられるでしょうか。「たしかに」「しかし」「一方」「したがって」の四つの言葉を、この順に、文の先頭に使って、四文で説明しなさい。
解き方の手順
まず解答の中心になるのは「社長の考え」です。それは文章最終部分にあるように、「支店規模の問題ではない」というところにも表れています。規模が小さいにもかかわらず一定の売り上げを上げた、という点を評価しているのではなく、別の視点から考えていく必要があるといえますね。そこでグラフを見ていきます。大西社員と小池社員を比較したときに、「違い」に注目すると、「18時から19時」の売り上げに違いがあることが分かります。大西社員は18時時点で売り切ってしまい、閉店までの1時間の売り上げがありませんでした。一方、小池社員はその時間の間も売り続けています。ここに注目できたかがポイントです。「売り切ったか否か」という観点で見れば、売り切った大西社員の方が高評価となりますが、ここで「継続的に売れたかどうか」という観点に基準を変えると、最後まで売り切った小池社員の方の評価が高くなるというわけです。この点を指定の形式に合わせて解答していきましょう。
まず、「たしかに」の後には一般的に考えられることを書きます。今回であれば「大西社員の方が評価が高いとされる理由」ですね。そして、「しかし」の後にそれを覆す根拠(閉店までの1時間、売り上げることができなかったこと)を述べます。さらに、そのあとの「一方」からは、小池社員が最後まで売り続けたことを述べ、最後の「したがって」の後には、結論である「小池社員の方が高評価である」という点でまとめていけば解答の完成となります。

この記事は役にたちましたか?
全く役に立たなかった役にたたなかったどちらでもない役に立ったとても役に立った (1 投票, 平均値/最大値: 4.00 / 5)
Loading ... Loading ...


開成中合格対策ドクターのトップに戻る
この記事が気に入ったら是非ご登録を

開成中入試対策・関連記事一覧

開成中入試対策・同じ教科(国語)の記事

開成中入試対策・同じテーマ(合否を分けた一題)の記事

他校の同じ教科(国語)の記事



PAGE TOP