H23年度入試で差がついたのは[2]でしょう。例年のことですが、他3題はとても標準的な問題だったため、他ではほとんど差がつかなかったでしょう。[2]はH22に話題になった惑星探査機イトカワから発展させた問題になっていました。
問1 開成中学志望に関わらずH23年度の受験生ならみんな知っていた探査機の名前。「イトカワ」
問2 シャベルですくうのと弾丸で飛び散らせるのを想像してみましょう。シャベルですくえないのはどんな場合か?が糸口です。また「表面が」で始まる文にする、ということもヒントになっています。そう、表面が岩や氷のように固まっていたら、シャベルですくうのは無理です。よって「表面が固い岩におおわれていても採集できる点」のような解答がよいと思います。
問3 平行なものが放射状に見える例です。平行になっているのは線路だけなので「イ」
他の選択肢は放射状に見えているというより、そのもの自体が放射状になっています。
問4 ここからが本題です。やっと面白くなってきました。
図1を見てください。
― 図1 ―
①の流星がa→bへ動いたとき、見上げる角度はア→イになります。地面からの角度が大きくなるわけですから、流星は低いところから高いところへ動くように見えます。よって「↑」
②も同様です。「↑」
③でa→bへ動くと角度はア→イ。今度は始点のアの角度の方が大きいので、高いところから低いところへ動くように見えます。「↑」
よって「オ」
― 図2 ―
また、図2を見ると、①の角度がいちばん大きく、③の角度がいちばん小さいことから、始点が高かった①がより高いところへ、始点が低かった③がより低いところへ動いたことも確認できます。
さらに、①②のように観察者の後ろに落下すると上がるように見え、手前に落下すると下がるように見えることが分かります。
問5 aはまっすぐ上に動いています。左右の動きがないので「イ」か「オ」。図2より観察者より後ろに落下すると↑に見えますから、「イ」
bは左に動いていますから「ア」か「エ」。下に落ちているので、観察者より手前に落下したことが分かります。よって「エ」
cは右へ動いているので「ウ」か「カ」。上がっているので観察者よりも後ろに落下しているので「ウ」
問4と問5が少し難しかったかもしれませんが、問題文と図をよく読むとスッキリ解ける、あいまいなところがない開成中学らしい問題です。