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算数の塾別学習法の提案

開成中入試対策・塾ごとの算数の学習法の提案(四谷大塚生)(2ページ目)

2. 6年生前半

基本的には5年生までと同じ勉強リズムで良いでしょう。先取り学習を進め、ゴールデンウィークを目標に『予習シリーズ』の6年上を仕上げましょう。これで受験知識は網羅できます。

ただ、これだけでは開成中学合格に必要な応用力を身につけるのは困難なのが現状です。予習シリーズはすべての受験生が理解できるよう構成されているので、どうしても最上位レベルの学校対策は手薄になってしまうのです。また洗練された解法を学ぶ機会が少ないことも『予習シリーズ』の弊害としてあげられるのです。

そこで私は月刊誌「中学への算数」の併用をお勧めします。たしかに難易度の高い教材ですが、最難関中学合格に必須の算数知識を得るには最良の教材です。

具体的には「日々の演習」に毎日少しずつ取り組むことで、この時期から開成中学レベルの難問対策をすることも可能です。その際には必ず専用のノートを用意し、答えを出すだけではなく、その経過を意識した自分なりの答案作りを心がけることが大切です。私はその答案を添削し、この時期から答案の質も高めていくことで、6年生後期の成績の向上を図っています。
なお、この中学への算数を用いた学習は、入試直前まで続けることで、確実に実力につながりますが生徒によっては手が回らないこともあるでしょう。私は個々の生徒の実力を適宜見極め、必要な課題を明確に与えてまいります。

2回開催される合不合予備テストは自分の学力を客観的に把握する指標としましょう。この時点での合格可能性のパーセンテージに惑わされず、到達度の目安ととらえましょう。

3.6年生夏休み

毎日のように授業が続くので、副教材を用いた計画的学習を進めることが困難な時期になります。ただ、基礎知識の確認や弱点補強を行う最後のチャンスが夏休みでもあります。

四谷大塚の夏期講習テキストで実践を積むことで、基礎知識の総確認を行いましょう。ただ、受験では差のつかないレベルの難問も含まれているので、無理に全ての問題を理解しようとする必要はありません。問題の取捨選択は、私もアドバイスをしてまいります。

余裕があれば、「中学への算数」の「レベルアップ演習」や「日々の演習」のやり残しをすることで、算数の総合的な学力を高めることも可能です。
『四科のまとめ』は、基礎知識がある定着できている開成中学受験生ならば不要です。

4.6年生後半

日曜特訓の開成中学の特別コースを受講し、学習の中心に据えましょう。開成中学の出題傾向を研究し、充分に練られた問題でテキストが構成されています。一問一問をじっくりと理解することで、開成中学に対応できる思考力を身につけることができるでしょう。

並行して最優先にしたいのが過去問演習になります。週例テストの代わりに土曜日の午前中など、自ら時間を設けて解く必要があります。過去問は10年分を遅くとも11月中には解き終えましょう。年内に2周目まで終わらせることができれば理想的です。なお、2周目も制限時間を守って、問題のセットに取り組むほうがよいでしょう。前回に解いてから時間が経っているはずなので、答えを覚えていることも少ないでしょう。前回の添削のアドバイスをもとに、解答力・記述力の向上を感じることができるはずです。年が明けてからは、私は2周目でも間違えた問題の理解の徹底や、併願校の過去問演習を提案してまいります。

平常授業は間違い直しを徹底するだけで充分です。実力完成問題集のうち、授業で指定された箇所を定着できればよいでしょう。くれぐれも、解きっぱなしにしないことが重要です。

なお、6年生後期は、自分の位置を客観的に把握することが、今まで以上に重要になってきます。そのためにも、様々なテストを活用する必要があります。

まずは合不合判定テストです。出題数が多く、手際の良さが求められる合不合判定テストの傾向は、正直に言って開成中学の入試問題には全く合っていません。ただ、四谷合不合の最大の強みは受験者層になります。開成中学を志望する受験生の大多数が受験するため、客観的に開成中学志望者内での総合学力を把握するには、最高の指標であると言えるでしょう。各科目の点数や偏差値ではなく4科目の総合偏差値で、開成中学志望者内での順位を意識しましょう。

次にサピックスが主催する学校別サピックスオープンです。開成中学の問題を研究しつくした講師が練り上げた出題ですが、本番よりも難易度が高くなっていることが多いです。生徒自身の学力も本番までまだまだ伸びる時期なので、点数は絶対に意識してはなりません。例年、学校が発表している合格最低点を超える生徒は数えるほどしかいないのが現実です。ただそれでも傾向や配点など、実際の開成中学の入試に即しているので、もっとも正確に開成中学志望者内での自らの位置を把握することができるという点では優れています。200位以内が合格圏と判断できるので、まずはこの2回のサピックスオープンを開成中学への到達度の目安とすれば良いでしょう。

四谷大塚の学校別テストも受験しておきましょう。開成中学に即したテストは数少ないですし、出題もよく練られた良問が中心です。ただサピックス生があまり受けないぶん、受験者層が本番と異なるので、判定を鵜呑みにしないことが重要です。

『塾ごとの算数の学習法の提案(四谷大塚生)』 >> 1 2
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