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社会の合否を分けた一題

攻玉社中学入試対策・社会の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

A…攻玉社中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…やや難しく紛らわしいが得点したい問題、正誤で差がつきやすい問題
C…受験者の大半ができない難問であるため、間違えても差がつかない問題

問1(1)A (2)B (3)A (4)A (5)B
問2(1)B (2)A (3)A (4)A
問3(1)A (2)A (3)A (4)A (5)A
問4(A)A (B)A (C)A (D)A  問5 B
問1 B  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A
問6 B  問7 B  問8 A  問9 B

出題総評

2017年度の攻玉社中の社会は前年度とほぼ同じ形式の出題でした。他校にはない独特の出題形式が並んでいますが、社会の合格者平均が70~80%の得点率となっていることからも、まずはこの出題形式にしっかりと慣れるようにしましょう。形式はユニークではありますが、問われている問題は、地理・歴史・公民とも標準的な知識が中心になりますので、しっかりとした基礎力を身につけておくことが大切です。また、国内外の時事問題からの出題も比較的多く取り入れられていますので、受験生は年度の上半期に起こった出来事やニュースについてしっかりと目を通して準備をしておきましょう。

問題別寸評

(歴史)さまざまな出題形式を用いて、歴史の総合的な力を問う問題です。

問1

(1) 日米安全保障条約の調印は吉田茂内閣でしたが、改定は岸信介内閣になります。「日向」は現在の宮崎県になります。愛媛県の旧国名は「伊予」となります。
(2) 渡辺崋山は、モリソン号事件をきっかけに幕府の鎖国体制の批判を行ったため、蛮社の獄で処罰されました。
(3) 歳入については、約6割が税収、3割強が公債金となります。確実に押さえておきましょう。また、税収の上位は所得税、消費税、法人税の順となります。
(4) 直接請求権では、条例の改廃や監査の請求が有権者の50分の1以上なのに対して、議会の解散や首長・議員の解職を請求する場合は有権者の3分の1以上の署名が必要になります。
(5) 2016年の台湾総選挙で勝利した蔡英文氏が所属している政党は、民進党になります。受験生にとっては少々難しかったと思います。時事問題については、外国の選挙結果についても関心を持つようにしましょう。

問2

(1) 江戸時代、静電気を発生させる装置である「エレキテル」を発明した「平賀源内」が答えになります。ア.前九年・後三年の役で東国に勢力を伸ばしたのは、源義家になります。イ.赤痢菌を発見したのは、細菌学者の志賀潔です。北里柴三郎は、破傷風のワクチンの研究で功績を残しました。エ.キリスト教徒の立場から非戦論を唱えたのは内村鑑三です。
(2) 平安時代、瀬戸内海で反乱を起こした藤原純友が答えになります。ア.非核三原則と唱え、後にノーベル平和賞を受賞したのは佐藤栄作になります。入試頻出事項として、確実な知識としておきましょう。イ.古代最大の戦乱であった壬申の乱において大海人皇子が争ったのは、大友皇子です。壬申の乱も入試でよく問われますので、しっかり押さえておきましょう。
(3) 大日本帝国憲法を公布した時の内閣総理大臣である黒田清隆が答えになります。ウ.大坂夏の陣で戦死した豊臣方の武将は、石田三成になります。
(4) 江戸時代、徳川綱吉の死後に「正徳の治」を行い、政治の混乱を治めた学者の新井白石が答えになります。ア.「一握の砂」は石川啄木の作品です。ウ.1860年に桜田門外の変で暗殺されたのは大老の井伊直弼です。エ.鎌倉時代に藤原定家らが編纂した勅撰和歌集は「新古今和歌集」になります。

問3

(1) 左上より「永仁の徳政令」「薩英戦争」「永世中立国」「集団的自衛権」「栄西」「墾田永年私財法」「高野長英」「狩野永徳」となり、「永」が3つで最多となります。
(2) 「三国同盟」「指名」「明治維新」「東名高速道路」「天明の飢饉」「鹿鳴館」「文明開化」「国際連盟」となり、「明」が3つで最多となります。
(3) 「欧化政策」「犬追物」「王政復古」「慶応義塾」「森鴎外」「平等院鳳凰堂」「中央アルプス」「奥羽山脈」「倭王武」「好太王碑」となり、「王」が3つで最多となります。
(4) 「骨角器」「閣議」「核兵器拡散防止条約」「所得倍増計画」「農地改革」「産業革命」「五稜郭」「格差社会」「尖閣諸島」「天守閣」「内閣総理大臣」「三角州」となり「閣」が4つで最多です。
(5) 「下剋上」「穀倉」「国分寺」「国勢調査」「被告人」「分国法」「富国強兵」「黒曜石」「国風文化」「上告」「石高制」「万国博覧会」となり、「国」が6つで最多となります。

問4

解答は、豊臣秀吉が刀狩令を出した1588年になります。表中のできごとも含め、選択肢はどれも基本年号になりますので、確実に正解したい問題になります。
A.797年に坂上田村麻呂は征夷大将軍に任じられました。また、応仁の乱が起こったのは1467年になります。
B.武家諸法度が初めて制定されたのは1615年です。大日本帝国憲法が発布されたのは1889年になります。
C.57年に倭の奴国の王に金印を送ったことは、中国の歴史書である「後漢書」に記されています。大宝律令が制定されたのは701年になります。
D.ヴェルサイユ条約が結ばれたのは1919年のパリ講和会議でした。サンフランシスコ平和条約の調印は、日米安全保障条約と同年の1951年になります。

問5

2016年の参議院議員選挙に関する数値問題です。(A)参議院議員の任期は6年となります。(B)参議院では3年毎に選挙が行われ、定数242名の半分を改選するため、改選数は121名となります。(C)・(D)憲法改正の発議には、各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要となります。

(地理)日本の食料自給率に関するリード文や資料を使って知識を問う総合問題です。

問1

2050年の世界人口は約98億人となることが予想されており、インドが中国を抜いて世界一の人口になると考えられています。一方で、日本は1億人を割り込むことが予想されており、高齢化社会への対策が急がれています。受験生には、少し細かい知識であったかもしれませんが、正解したい問題です。

問2

基本問題です。国連児童基金を表す「ユニセフ」と混同しないようにしましょう。

問3

1993年の記録的冷夏による米不足については入試頻出の問題です。確実に得点しましょう。

問4

食料自給率については、主要項目のおおよその数値を押さえておきましょう。米(100%)、鶏卵(95%)、野菜(80%)、肉類(60%)、果物(40%)、小麦(10%)、大豆(5%)は入試頻出です。今回は、①が鶏卵、②が野菜、③が豆類、④が果実となります。

問5

農業産出額の分布図についての基本問題です。それぞれの項目の主要産地を押さえておく必要があります。米(東北・北陸地方や北海道)、野菜(近郊農業の盛んな関東や愛知)、畜産(北海道と南九州)、果実(青森・長野や和歌山)となります。

問6

高級魚介類であるエビやまぐろの輸入が日本では盛んです。ベトナムでは、日本向けに輸出するためのエビの養殖地を増やすためにマングローブの林が多く伐採されていることも、覚えておきましょう。

問7

合否を分けた1題で扱います。

問8

資料問題では、与えられたデータの中からどの項目に注目するかが大切になります。その場合、まずは「各項目で突出している数値」に注目することで、解答を絞っていきます。①総人口が10%であることから東京と分かります。②農地面積が25%であることから北海道と分かります。その上で、食料自給率が高い③が沖縄県であることを見抜きましょう。

問9

農地には固定資産税が課されています。中には軽減されるケースもありますが、免除されることはありません。受験生には細かい知識ではありますが、その他の選択肢が正しいことを見抜いて正解に辿りつきたい問題です。

合否を分けた一題

社会は、単なる「暗記」だけで学習することでは対応できない問題も入試では多く出題されます。今回の自給率についての問題に限らず、日々の学習の中で疑問に感じたことがあれば、しっかりとその背景や原因などをこまめに確認するようにすることが、このような記述問題での対応力をつけることになります。記述問題で大切なことは、完全な正解でなくとも空欄にすることなく、「部分点」をしっかり取ることです。その意味で、受験生の日頃の学習姿勢を見る問題として良問であり、今回の合否を分けた1題としました。

問7

国土がせまい日本では、畜産に使用する「飼料」を日本国内の生産だけでは十分に確保することができません。また、国内で生産された飼料は「国産」として価格が高くなるため、畜産で使われる「飼料」のほとんどは、安い外国産の飼料になっているのが現状です。日本国内で育てた牛に外国産の「飼料」が使われると、純粋な「国産牛」としては扱われなくなります。このように「飼料自給率」の視点で畜産の自給率を考えた場合、数値が大きく下がってしまうことになるのです。

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