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社会の合否を分けた一題

駒東中入試対策・社会の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

A…易しい(駒場東邦中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B…標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C…難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

問1 (1)地図の読み取り+知識 B
(2)地図の読み取り C
(3)縮尺の計算 A
(4)知識 B
問2 (1)資料の読み取り B
(2)資料の読み取り+考える記述 B
(3)資料の読み取り+考える記述 B
問3 (1)資料の読み取り A
(2)知識 A
問4 (1)知識 A
(2)資料の読み取り A
(3)(ⅰ)資料の読み取り+常識 A
(ⅱ)資料の読み取り+考える記述 B
(4)(ⅰ)知識 A
(ⅱ)知識 A
(ⅲ)資料の読み取り+知識 A
(ⅳ)知識 A
(5)知識 B
問5 (1)資料の読み取り+考える記述 B
(2)資料の読み取り+考える記述 A
(3)資料の読み取り A

全般的分析

2017年度、駒場東邦中の社会は、大問1題に小問26題を付随させるという形で出題され、例年通りといっていいと思います。資料を読み取らせ答えさせる問題、資料と文章から解答を導かせる問題、基礎的な知識を駆使して答えさせる問題なども例年通りといえます。良問が多いのですが、受験生泣かせの問題が多かったともいえます。

問題別寸評

問1
(1)

地図の読み取り+知識 B(ウ)
茨城県、埼玉県、千葉県の地図の読み取りが最初にできなければならない問題でした。利根川が千葉県と茨城県の県境であることは知っているはずです。

また、この地図が千葉県の北西部であることに気づく必要もありました。

選択肢(あ)は明らかに京葉工業地域のことをさしているので千葉県です。

選択肢(い)はあまり有名ではありませんが、埼玉県の南部に自動車工場があるので埼玉県です。

選択肢(う)は鹿島臨海工業地域のことをさしているので茨城県です。

(2)

地図の読み取り C(イ)
昨年度も出題されていましたが、かなり難しく、時間がかかる問題です。
選択肢に書かれていることを全て精査しなくてはならないので、場合によっては後に回したほうがよかった問題です。

(3)

縮尺の計算 A(20)
縮尺の計算は定番の問題といえます。必ず正解したい問題でした。

(4)

知識 B(aキ、bウ、cカ、dイ)
表の読み取りですが、表c、dは比較的易しい問題です。
cは豚、dはキャベツであることは知っておかなければなりません。

また、選択肢の中にたまねぎ、乳用牛、じゃがいもがあり、これは明らかに北海道が1位を占めるので除外できます。

りんごはもちろん青森県が1位なのでこれも外すことができ、みかんは和歌山県、愛媛県、静岡県が入っていなければおかしいので除外できます。

米に関しても新潟県、北海道が上位に来るので除外できます。

よって表a、bはきゅうりかくりに絞られ、きゅうりが近郊農業に適していることを考えると表bがきゅうり、表aがくりとなります。

問2
(1)

資料の読み取り B(エ)
選択肢を全て調べていかないと正解出来ない問題でした。よって処理スピードがものをいう問題だといえます。
2009年時点の日本の野菜の国内供給量は半分以上を輸入に頼っているとは言えないので、誤っています。

(2)

資料の読み取り+考える記述 B
日本の国内生産量が比較的多いものは野菜なので、野菜についてよく考える必要がありました。
そして、野菜が比較的、価格が高いことにふれていれば正解となりました。

(3)

資料の読み取り+考える記述 B
食料自給率が1960年は79%であるのに2010年には39%まで減っている原因を、日本人ひとり1日あたりの食べ物の割合の変化から考えるもんだいでした。
主な変化は米食が半分以下になっていること、畜産物が5倍程度に増えていることがあげられます。
米は国内自給率が高いのに増えているのに対し、国内自給率が低い肉類を輸入するようになったからだと考えられます。

問3
(1)

資料の読み取り A(オ)
選択肢を資料に照らして調べていく問題でした。選択肢自体は紛らわしいものがなかったので、これも処理スピードを問題としていました。
選択肢アは「人口増加率が年々さがっているので」という部分がすでに誤りです。
選択肢イは「人口増加率は豊かな国よりも低い」という部分が明らかな誤りです。
選択肢ウは後発開発途上国とコートジボワールのGNIと初等教育就学率を比べれば、誤りであることが分かります。
選択肢エは「児童労働が家族の仕事を手伝う形で行われる」が誤っています。
選択肢オは、その通りで正解です。

(2)

知識 A(イ)
非常に基本的な問題でした。
国家予算で最も大きな支出は社会保障関係費であることは覚えておく必要がありました。
選択肢ア、ウ、エは常識的に考えても正しいわけはありません。
選択肢オは国連の発足は1945年ですが、日本が国際連合に加盟するのは二日ソ共同宣言をした1956年です。

問4
(1)

知識 A(イ)
非常に優しい問題でした。
資料1が貧窮問答歌であることは瞬時に判断できたと思います。
貧窮問答歌といえば、もちろん山上憶良です。

(2)

資料の読み取り A(エ)
易しい問題です。
選択肢ア:鉄製の農具は鎌倉時代から室町時代にかけて一般化していきました。
選択肢イ:力仕事は男が行い、田植えは女が行っていることが図4から読み取れます。
選択肢ウ:牛馬耕が鎌倉時代から始められたのは有名です。また、図4には牛が描かれてします。

(3)

(ⅰ)資料の読み取り+常識 A
図5、図6とも加熱している様子が描かれています。水分を含んだ食品は腐りやすく、保存にむいていません。
よって、乾燥させ、腐るのを防ぎ、保存食とするためが答えとなります。

(3)(ⅱ)

資料の読み取り+考える記述 B
新井白石が資料2から金、銀、銅の日本からの流出を嘆いている様子がわかります。そこで、貿易を長崎に制限することにします。
また、金、銀に代わるものが高級食材であったなまこやあわびが輸出されるようになりました。

(4)(ⅰ)

知識 A(第一次世界大戦)
易しい問題です。
1914年に起こった戦争で、第一次世界大戦が思い浮かばない慶應中等部受験生はいないはずです。

(4)(ⅱ)

知識 A(米騒動)
易しい問題です。
米騒動が答えだと思われますが、適切な名称を答えなさいとあるので越中女一揆が答えかもしれません。仮に答えが越中女一揆だとすると正解率はほぼ0%だと思われます。

(4)(ⅲ)

資料の読み取り+知識 A(ウ)
資料の読み取りと基本的知識の活用が必要な問題でした。大正デモクラシーがいつ頃盛んになったのかを知っていれば迷いなく選択肢ウを選べたと思います。

(4)(ⅳ)

知識 A(あ主権、い象徴、エ)
易しい問題です。
憲法は大切な条文は覚えておく必要があります。
また、選択問題もすべて憲法に書いてある内容になぞらえて作られていますが、エが正しいと判断することができますし、ア、イ、ウが明らかに間違っていることもすぐに判断できます。

(5)

知識 B(イ)
選択肢ア、ウ、エが正しいのは明らかです。
選択肢イのブラジルへの移住が始まったのは明治の終わりころ、1908年ころです。

問5
(1)

資料の読み取り+考える記述 B
合否を分けた一題で扱います。
(2) 資料の読み取り+考える記述 A
資料2をしっかりと読み取る必要がありました。
カレーライスは4年生から1年生までですべて第2希望となっており人数としては多くなっており、この情報はEさんにとっては有利な主張として使えるはずです。

(3)

資料の読み取り A(イ)
易しい問題となっていました。
選択肢アは資料の県に100万人都市があることを知識として知っていなければ厳しいですが、選択肢ウや選択肢エも明らかに誤った記述がなされています。
選択肢イは資料を読み取り文章を読めばその通りだということがわかります。

合否を分けた一題

問5
(1)

資料を読み取り+考える記述 B
まず、問題の読み取りが大切です。
Cさんに反対の理由は設問中に書かれているので不要です。
Dさんの決選投票に反対の理由を資料から読み取る必要がありました。
第一位はスパゲティミートソース、鶏のからあげ、スパゲティナポリタン、カレーうどん、ハンバーグです。
第一位と第二位のなかで麺類を希望している生徒は108人です。一方でそれ以外のものを第一位と第二位で希望している生徒は190人います。
とすると決選投票になると確実に麺類が選ばれるとはいえず、むしろ高い確率でほかの食べ物になる確率が高くなります。
よく考えさせて答えさせる駒場東邦中学校らしい問題でした。

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