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算数の合否を分けた一題

桜蔭中入試対策・算数の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

(1)A (2)①A ②C (3)B
(1)①A ②B (2)①B ②C
(1)①A (2)B (3)B
(1)B (2)①B~C ②B

A:桜蔭合格を目指すなら必ず得点すべき問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題 ⇒ 合否を分ける問題
C:難易度や処理量から判断して、得点できなくても合否に影響しない問題

問題別寸評

(1)

冒頭から受験生を驚かせた今年度の算数。
例年、順算・逆算それぞれ1題ずつの計算問題が、今年度は逆算1題だけ。
1題だけでも、計算過程で出てくる数値、最終的な答えの数値、ともに煩雑。
桜蔭らしさあふれる計算問題です。

(2)①②

数の性質・周期の問題。
設問①はお馴染みの“一の位の周期性”を利用する問題。「1・4・9・6・5・6・9・4・1・0」の10個が周期となります。

設問②も周期性を利用。17を15でわると余りが2なので、2を17回かけた数の2乗、つまり2を34回かけた数を15で割ったときの余りを求めます。ただ、この考え方は、もはや数学の領域。小学生に要求するのは酷でしょう。
17からスタートし、17の2乗=289、17の3乗=4913、17の4乗=83521、17の5乗=1419857、まで地道に計算し、15で割ったときの余りを求めると、2・4・8・1・2 ・・・と、「2・4・8・1」の周期が見つかります。この地道な計算で正答にたどりついた受験生は、ここで時間をとられてしまい、後半の時間が圧迫されたかもしれません。
時間配分を考えた場合、とばしてもよい問題でした。

(3)

公倍数と日暦算の問題。
桜蔭志望者であれば練習を積んできたはずの「掃除当番と出席番号」の問題です。
H26大問Ⅴの「ゴンドラ」問題では“祝祭日”が影響しましたが、この問題では影響ありません。
47と7は互いに素なので、最小公倍数を求めるまでもなく、48回目の掃除とわかります。
1週間に6回掃除を行うので、48÷6=8週間。余りがないので、要注意! 8週間後の7/1(日)ではなく、その前日の6/30(土)になります。最後の処理まで気を抜かずに。

(1)①②

平面図形と調べの問題。
設問①は与えられた3つの図形の面積を求めるだけ。ここは絶対に落とせません。

設問②はつるかめ算の考え方が無難でしょう。10個全てAだったら、面積は236.43㎠。1個AをBにかえると、面積が3.87㎠増えるので、250㎠以上になるのはAをBに4個かえたとき。よって、Bは4個で、全体の面積は236.43+3.87×4=251.91㎠。
別解として、AとBの文字を用いて式を作り、14.13×(A+1)+18×B≧250までたどりつけば、あとはA+B=10個、できるだけBを少なくする、という条件を満たすようなAとBの組合せを調べればOKです。

(2)①②

図形の場合の数の問題。
設問①は全体の正六角形を6個の正三角形に等分したときの対称性に気づけば、そのうちの1つの正三角形に含まれる4枚の板の選び方になるので、4通りとなります。

設問②も設問①と同様に全体の正六角形を6個の正三角形に等分したときの対称性を利用します。
1個の正三角形には4枚の板があるので
・1個の正三角形から2枚の板を選ぶ ・・・ 6通り
・となり合う2個の正三角形から1枚ずつ板を選ぶ ・・・ 4☓4=16通り
・ひとつとばしの2個の正三角形から1枚ずつ板を選ぶ ・・・ 4×4=16通り
・向かい合わせの2個の正三角形から1枚ずつ板を選ぶ ・・・ 4×4-6=10通り
最後に重複するパターンが6通りあることを、回転させて慎重に確認できるかがポイント。
これ以外にも複数の解法が考えられますが、そもそもどのような解答方針を立てればもれなく調べ上げることができるのか、判断が難しいでしょう。桜蔭でこれまで出題例がないタイプの大問でした。

例年の大問5つ構成と異なり、今年度は大問4つ構成。
大問Ⅱまでが問題用紙1枚目で
大問Ⅲから問題用紙2枚目に入ります。

条件整理と調べの問題。
売り方が異なるA~Cの3つのお店で、問題条件にしたがった買い方を考えます。前問のⅡ(2)と異なり、こちらは桜蔭らしい大問といえます。後ほど詳述します。

2018_gouhi_sansu

合否を分けた一題

2018年度の算数は、従来の大問Ⅰ~Ⅴという構成から大問Ⅰ~Ⅳという構成に変わりました。冒頭の計算問題も2題から1題に減り、パッと見たときの形式の変化に戸惑った受験生は少なくないでしょう。

内容はというと、明らかに従来の出題とは異質なのが大問Ⅱ(2)。
桜蔭の場合の数は、調べ上げの方針は立つが、調べ上げる処理段階でミスを誘発する要素が含まれているというのが特徴。ところが、本問は調べ上げの方針を立てるのが非常に難しいという、非常に難度の高い問題です。
この大問Ⅱ(2)を除けば、出題内容は従来通りですが、全般的に処理量が多く、計算の数値も煩雑。心折れそうな入試問題セットです。合格ラインの点数は6割切っているのではないでしょうか。

合否の分かれ目と考えられるのが、冒頭の【難易度分類】に記載したB問題。この問題群のうち、2018年度の合否を分けた一題として、大問Ⅲを取り上げます。

設問(1)

A:20冊で1000+800=1800円より、1冊あたりは1800円÷20冊=90円
B:12冊で1000円と考えましょう。1冊あたりは1000÷12=83.33・・・円 
C:1冊あたり100×(1-0.08)=92円

よって、最も安くなるのは、Bで10冊買って2冊おまけでもらい、残り8冊をCで買うとき
1000+92×8=1736円

設問(2)

場合分けをして、地道に計算していきましょう。

Aだけ:1000+800×4=4200円で 50冊
Bだけ:100×49+8=57冊
Cだけ:92×53=4876円で 53冊

A+B
(A, B)=(10, 45)(20, 37)(30, 27)(40, 17) ・・・最大57冊

A+C
(A, C)=(10, 42)(20, 33)(30, 25)(40, 16)(50, 7) ・・・最大57冊

B+C
(B, C)=できるだけBを多くすればよいので(48, 9) ・・・57冊

よって、最大は57冊

設問(3)

「4900円未満」であることに注意。 
設問(2)での「Aだけ」と「A+B」は4900円なので除きます。

「A+C」の場合
(50, 7)のみ。

「B+C」の場合
(48, 9)のときが1000×4+92×9=4828円なので
(4899−4828)÷(100−92)=8 あまり7 より
BとCを8冊まで入れかえることができます。

よって
2018_gouhi_sansu_02

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