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社会の合否を分けた一題

早実中等部入試対策・社会の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問1A 問2A 問3 A 問4 A 問5 B 問6 B 問7 A 問8 A問9 A 問10 A
問1 ① A ② A ③ A ④ A ⑤ B 問2 ①A ② B
問1 B 問2 ① A ② A ③ B 問3C

A…早稲田実業中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2019年度の早稲田実業中は、例年通り社会の基礎知識を土台に、社会的な出来事についての説明を記述させる問題や資料や図を読み解く問題などが出題されていました。
全体を通して、例年よりも記述の量が増加していることが特筆すべき点です。
中でも最終問題で150字の記述が見られことは大きな変化と言えます。

歴史分野では、例年通り「時代背景」や「写真・図の読み取り」、「資料を読み取り記述で説明する」
問題が出題されていました。並べ替えの問題は見られませんでした。
平成27年度にも出題されていた「藤原氏の摂関政治と家系図」と非常に似た問題が出題されていました。また、仏教に関連する出題が今年も見られました。過去問対策の成果が出た出題だといえます。
一方、記述問題に関しては「理由」や「背景」を問うものが多く見られました。
日常学習でも、背景や理由、きっかけといった部分を考えることが求められています。

地理分野の問題は、例年通り資料の読み取りの問題や図から考えられることが出題されていました。
小問数が例年に比べて減少しました。
他の大問に比べると、解くために必要な知識レベルが易しいものが多い大問でした。
ここでの失点は差がついたと言えるでしょう。

公民・国際・時事分野は、現代社会に対する問題と解決方法に関する問題でした。
150字という、長文記述の出題では大きく差がついたと言えるでしょう。
今後もこういった出題に備えて、長文記述への練習が必須となることが予想されます。

問題構成は、3分野から大問3題、小問22問。
解答形式は、語句形式が7問、記号選択が9問、記述が6問。記述は、出題量や記述量が増えたことで、対策次第では大きく差がつきました。理由を問う問題や、「身近な社会的事象への関心」を書かせる問題が多く見られました。単純な問題演習だけではなく、出来事の根幹を理解し、自ら説明して学習した知識を「使える状態」に仕上げることが必要です。また、試験時間が30分という限られた時間でもあるため、150字のような長文記述に時間をかけすぎることなく解答が作成できるよう慣れておく必要があります。

問題別寸評

〔Ⅰ〕

(歴史分野)彫刻・造形作品をテーマとした問題です。
「藤原氏」や「仏教」、「文化」などの早稲田実業の定番問題が出題されていました。
記述問題では「理由」を書かせる問題が例年多く出題されていることからも、因果関係や時代背景を意識しながらの学習が必要となります。

問1

土偶についての問題。選択肢のキーワードを抽出し、そのキーワードと時代の判別を問う問題。
アは「豪族」、イは「米、争い」、ウは「妊娠した…子孫の繁栄」、エは「金属器」がキーワード。
土偶が使用されていたのは縄文時代。
豪族は主に古墳時代、稲作が伝わり争いが多く起こるようになったのは弥生時代、金属の使用も弥生時代です。

問2

資料を読み取る問題。
資料から特徴を読み取る際には必ず、各項目に目を通すことが大切です。
右下の項目を見ると「おもな前方後円墳」、「前方後円墳の長さ」の2つが書かれています。
このことから、「分布」と「規模」が資料のポイントであると分かります。
①「分布」…東北地方の一部~北九州にかけて古墳が見られる。
②「規模」…奈良県や大阪府などの近畿地方に「300m」以上の古墳が見られる。
以上を踏まえて記述します。

問3

蘇我氏に関する正誤問題。
推古天皇の摂政となったのは「聖徳太子」です。

問4

大陸から伝わってきたものを写真で選ぶ問題です。
この形式の問題では資料集の活用が欠かせません。日々の学習に加えて、問題演習後の直しをする際に、資料集を活用することはやはり大切です。

正倉院は、「シルクロードの終着点」と呼ばれるように、ペルシャ(現在のイラン)などの西アジアから伝わってきた品物が数多く収められています。代表的なものとして五弦琵琶や、ガラスのコップ、漆胡瓶などがあります。

問5

資料を読み取る問題です。
問2の問題と同様に右側の項目に注目します。
右側の項目では、□で囲まれているのが藤原氏を指します。後三条天皇はその藤原氏から離れたところに位置しており関係が薄いことが読み取れます。また、設問中の「その3代前の天皇との違いに注目し…」という部分からも、後三条天皇は藤原氏との血縁関係が薄いことが読み取れます。

問6

鎌倉新仏教「臨済宗」に関連した問題。
表形式の選択肢を選ぶ問題。表が用いられている場合は、「項目の確認」を行い、特徴を整理します。
今回は、「開基」が問題を解くカギとなります。栄西が活躍したのは、1100年後半~1200年初頭にかけて。したがって、北条政子の時代と一致します。

問7

法令の文の空欄にあてはまる語句を補充する問題。
□の前後の一文の「歴史的語句のキーワード」を抽出します。
「百姓が…武具を持つことを禁止する。…をくわだてて武士によくないこと…百姓の道具を全て集めて…」がキーワードです。百姓が武器をもって蜂起する行為を「一揆」といいます。

問8 

史料をもとに答える問題。
この史料は五箇条の御誓文です。1868年という部分も参考になります。

問9 

西郷隆盛に関連する問題。
西郷隆盛は1877年に、氏族最大の反乱である西南戦争を起こしています。

問10

1940年ごろの時代背景に関する問題です。
1940年当時は日中戦争が激化した頃。極度の品不足などで、全国の鉄が集められ、戦争の武器などに用いられていました。

問2

(地理)農業に関連する問題。
例年通り、資料を読み取る問題が出題されていました。
例年に比べると、問題数が減少しています。雨温図の識別や適語補充の問題は比較的易しい問題と言えます。

問1 ①

会話文、資料から読みとる問題です。複数の資料やグラフが用いられている場合は、必ず全てに目を通し、特徴を整理するようにしましょう。
会話文からさと子さんのおばあさんの家がある県を読み取ります。
キーワードは「となりの県には4店舗」です。資料2を見ると山口県に4店舗あることが確認できます。したがって、さと子さんのおばあさんの家があるのは「島根県」です。県庁所在地は「松江市」です。

問1 ②

雨温図の判別を行う気候の問題。
島根県は「日本海側の気候」です。ア~オのなかで日本海側の気候の特色である、「冬の降水量が多く」なっているのは、「ア」と「ウ」です。「ウ」は1~2月の気温が0℃を下回っていることから北海道の気候をあらわす雨温図あるため、アがあてはまります。

問1 ③

適語補充の問題。
直前の「『地のもんひろば』…地元の新鮮な…」とあるので、地産地消があてはまります。

問1 ④

適語補充の問題。
Bの直後の「…の使用が分かり、安心・安全」という部分や資料1のBを含む箇所を見ると、直後に「肥料」と書かれていることから「農薬」という言葉があてはまります。

問1 ⑤

適語補充の問題。
Bの次の「パソコン・スマートフォンを利用するとより詳しい情報がわかる…」
Cの直前の「…作った人の写真…生産者のメッセージ…」
という部分から、トレーサビリティがあてはまります。
トレーサビリティとは、トレースとアビリティを組み合わせた造語で、品物の生産から
消費までの流通の段階を追跡することができる仕組みのことを指します。

問2 ①

資料(表)を読み取る問題。
「牛の個体識別番号検索」から分からなかったことがらは「小売店への搬入経路」と「牛肉の肉質の等級」です。
アは【異動情報】内の『1』の項目に記載されています。
イは【個体情報】の「出生の年月日」と【異動情報】内の『1』の項目に記載されています。
ウは【個体情報】の「種別」の項目に記載されています。

問2 ②

「ブランド化」することの利点について二つの立場から答える記述問題。
ブランド化することによって付加価値が高まり、その分が価格へと反映されます。
消費者にとっては、ブランド名がついていることで安心して消費することができます。
生産者:高い値段で販売することができる。
消費者:安心して食べることができる。

問3

(公民)世界各国の「幸福度」に関する国際社会や現代社会に関連する問題。
リード文中の表や項目にしっかりと目を通しましょう。
今回のリード文や資料の中での重要ポイント
①表は「世界幸福度調査」の結果を示すもの
②ランキング上位には「北欧諸国」が入っている
③ランキングの中に日本は入っていない
④幸福度調査の方法は6つの項目の点数によって決まっている
⑤リード文後半では、「税率を高くして福祉を充実させる」か「税率を低くして自分の面倒は自分でみる」かのどちらが良いかを議論する必要があると述べられている

以上5つを整理した状態で問題に入るようにしましょう。

問1

消費増税に関する問題
今回の設問では「消費者の行動」と「行動の理由」の2点が問われている点に注意しましょう。
消費税増税による「消費者の行動」から考えます。
増税をすると、商品の価格は高くなります。
したがって、消費税の増税直前には「駆け込み需要」すなわち、買いだめのような状態が発生し、一時的に消費が多くなります。特に高価なものは、値上げ額が大きくなることから、家や車、家電などの購入が多くなります。
また、消費者の行動の理由は、値段が高くなることがあげられます。

問2

世界の国々に関する世界地理と時事に関する問題。
それぞれの国を判別するための手がかりとなるキーワードを抽出して考えます。
①「幸福度ランキングでは比較的上位」「絶え間なく紛争が続いている国」「2018年にはアメリカ合衆国大統領が、国連が首都と認めていない都市を首都であると宣言」がキーワード。
イスラエルは国連から首都を「テルアビブ」とされていますが、アメリカのトランプ大統領は「エルサレム」を首都としました。

②「アジアに位置する」「面積は東京23区と同じくらい」「人口密度は世界2位」「世界平和のカギを握る首脳会談が行われ」がキーワード。
シンガポールでは、米朝首脳会談が行われました。
③「ダイナマイトを発明した人物が生まれた」「2018年には日本人の本庶佑氏もその賞を受賞し、その国の首都での授賞式に出席した」がキーワード。
ノーベル賞授賞式は、平和賞以外はスウェーデンのストックホルムで行われます。
平和賞はノルウェーのオスロで行われます。

問3

合否を分けた一題で取り上げます。

合否を分けた1題

今年度の入試では150字を超える記述問題が出題されました。
この問題においては大きく差がついたといえるでしょう。
近年の「大学入試制度改革」や公立中高一貫校、附属高校人気による倍率上昇の影響と考えられます。
記述問題が増加する流れは今後も続いていくことが予想されます。
したがって、暗記偏重型の学習では対応できる部分が少なくなってきます。
こうした記述問題以外にも、早稲田実業では資料や表などの読み取りを通しての出題が多いことから、暗記偏重型の学習からの脱却が必要であることが分かります。
過去問演習の直しをする際には、記号や言葉を書き写して終わりということのないように、復習ノートを用意して、解説にある「理由・背景・説明」を書き加えていきましょう。
そして長文記述に対応するためには、記述問題のテキストを用意して「理由や考え、資料の読み取り」に関連する問題を解き、正しい解答の文に多く触れることが必要です。

問3

今回は福祉について国がとる方向性についての意見を述べる記述問題です。
また、「マイナス面」と「理由」の2点を答える問題ですが、この「理由」あたる内容は賛成意見でもあり「プラス面」でもある点にも留意しましょう。
150字という長文記述では、「素材」が肝心となります。
要点は30字~50字程度。具体化と社会科の言葉を活用して指定された字数を満たすように作成します。以下のように順序立てて組み立てると、書きやすくなります。手順に沿って解説します。

①まずは、設問の要点を考えます。
Aの「マイナス面」
【因果関係を意識】
(例)・税率が高くなる→国民一人あたりが所有するお金が少なくなる→消費が落ち込む
   ・社会保障を充実させるため政府の支出が膨らむ→財政赤字になる
   ・税金が高くなる→所得の少ない人にとっては負担が大きくなる  など

Aの「プラス面(その方向を選択した理由)」
(例)福祉が充実する→出産や子育てがしやすい環境になる→少子化を抑制できる
          →年金等の社会保障が充実する→安心した生活を送ることができる など

②①で整理した内容を解答の形式に合わせて一文に書き換える

税率が高くなる→国民一人あたりが所有するお金が少なくなる→消費が落ち込む
福祉が充実する→出産や子育てがしやすい環境になる→少子化を抑制できる

税率が高くなると国民一人あたりが所有するお金が少なくなり、消費が落ち込むが、福祉が充実していくことで、出産や子育てがしやすい環境が整備され、少子化の問題を抑制することができるから。
(90字)

③の内容を具体化します。
この時のポイントは、「社会科の知識を盛り込む」ことにあります。

「少子化の問題」を解決することでのプラスの点
→子供の数が増加したことにより将来の生産年齢人口が増加して税収が増えることにもつながる

設問の中心は「理由(=プラス面)」です。したがって、理由の部分にこの知識を盛り込んで書きます。

(解答例)A
税率が高くなると国民一人あたりが所有するお金が少なくなり、消費が落ち込むが、福祉が充実していくことで、出産や子育てがしやすい環境が整備され、少子化の問題を抑制することができる。そして、子供の数が増加することによって将来の生産年齢人口が増加し、経済が活性化し税収が増えることにもつながっていくから。(148字)

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