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算数の塾別学習法の提案

慶應中等部入試対策・塾ごとの算数の学習法の提案(四谷大塚生)(2ページ目)

6年生前半の学習方法 

6年上の『予習シリーズ』は、5年と同様に1回2単元ずつですが、5年下よりもさらに難易度が高くなります。

なかでも、中等部志望者に限らず、すべての受験生にとって重要な「平面図形と比」「速さと比」という2大テーマの学習が継続的になされます。どちらのテーマも4~5回に分けてきちんと段階を踏んで学習するため、他塾に比べて無理のない効果的なカリキュラムと言えるでしょう。

『予習シリーズ』6年上が終わる7月初旬までの学習スタイルは、5年生と同様。上述の〈1〉~〈11〉がモデルケースとなります。こちらで極力先取りをするのも同様です。

追加的な内容としては、余力がある生徒、算数を得点源にしたい生徒は、年度によっては複数出題される「平面図形」「割合と比」「数の性質」の演習量を早い段階から確保しておきましょう。月刊誌『中学への算数』の「レベルアップ演習」に載っている数・図形・文章題に毎月取り組むのが効果的です。

なお、2010年度から総合回が全て組分けテストになるため、週例コースの昇降及び校舎内クラスの昇降が頻繁に起こる可能性があります。“組分けテストのための勉強”だけに陥らないように要注意ですが、従来と比べて組分けテストの範囲が狭くなるため、復習の計画は立てやすくなるでしょう。

大きな模試として、4月と7月に合不合判定予備テストが実施されます。志望校の合格可能性が数値として現れますが、この時期の数値を志望校の判断基準として使うことはできません。数値が良ければ頑張っている証拠だねと褒めますが、数値が悪くても気にする必要はありません。重要なのは、その時点で解ける問題と解けない問題をはっきり識別すること、解き直しをして次に出題されたときは解けるような状態にしておくことです。

6年生夏休みの学習方法

夏休み中は、まず、夏期講習テキストによりこれまでの総復習を行うことになります。Cコース用テキストであればレベル感はまずまずですが、Sコース用テキストだと消化不良を起こしかねません。深追いせず、生徒の状況に応じて不要な問題は削ります。

また、夏休み中に授業で配布されるプリント類は、全てに手をつける必要はありません。授業中に演習を行って間違えた問題のみ、家庭で解き直しができれば十分です。

次に、夏休み前に配布される『四科のまとめ』の取り扱いについてです。
中等部志望者ならこのレベルの問題は、夏休みの段階でスピード強化の素材として使うべきものです。

〈1〉1ページ10分以内を制限時間として、スピード練習の一環として位置付ける
〈2〉右ページ全50回分を、朝晩1ページずつ25日間で1回転させる
〈3〉1回転目の×問題のみ2回転目で取り組む
この方法で処理速度を上げていくとともに、典型問題の解法に穴がないかチェックしていきます。

夏休みに入るまでに思うように基礎固めができなかった生徒は、恐らく『四科のまとめ』の黒番号問題に手こずるでしょう。その場合は白番号問題のみスピード練習の素材とし、黒番号問題は解法の正しい理解・定着が最優先です。

さらに、東京出版『ステップアップ演習』を夏休み中に1回転してもらいます。「典型的な標準問題+少しひねった典型問題」への対応力を強固にするための問題演習ですから、正しく理解することが肝心です。さらに、正解した問題も必ず解説を熟読し、複数の解法を習得しておくと、過去問演習の際に威力を発揮します。

『塾ごとの算数の学習法の提案(四谷大塚生)』 >> 1 2 3
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