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理科の合否を分けた一題

浦和明の星中入試対策・理科の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

1 問1 A  問2 (1)B (2)B 問3 A  問4(a) B (b) B
2 問1 B  問2 A  問3 A  問4 B  問5 A  問6 B
3 問1 B  問2 B  問3(a) B (b) A  問4(a) A (b) A
4 問1 A  問2 A  問3(a) B (b) B (c) B

A…合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2021年度の浦和明の星女子中の理科は、大問1が物理分野(発熱量)、大問2が化学分野(溶解度)、大問3が生物分野(食物連鎖)、大問4が地学分野(星の日周運動・年周運動)と、例年通り4分野からまんべんなく出題されています。基本的な知識はもとより、雑学的知識が必要となる問題も例年通り出題されています。計算系の問題は基本的な原理原則を正しく用いれば正解が出せる問題がほとんどでした。昨年度に比べると、全体的には難易度は下がったという印象でした。
問題構成は、大問4題、小問28問と、過去3年間の数が21問~23問と比べるとやや多目の出題数となっています。

設問形式は、記号選択が20問、数値計算が5問、理由記述が2問、知識語句が1問という出題で、理由記述も10字以内というシンプルなものでした。全体的な問題数が増えてはいますが、先に記載しました通り、全体的に難易度は下がっていますので、スピードと正確性の勝負になったと思われます。
社会と合わせて50分という試験時間の使い方で得点が大きく変わったと思われます。

問題別寸評

物理分野、発熱量の問題です。表の数値を比較し、上昇温度が電流を流した時間と電熱線の太さに比例し、水の量と電熱線の長さに反比例するという基本を押さえていれば確実に得点できたと思われます。

問1

基本的な問題ですが、Bを1とするという指定なので、A:C:Dが2:4:2という答えになり、違和感を覚えながら答えた受験生もいたと思われます。ここは確実に得点するべき問題です。

問2

冒頭での記述通り、電熱線の長さ、太さの関係が分かっていれば、それ程難しい問題ではありませんが、「過不足なく選びなさい」という設問形式ですので、(1)(2)ともに2つずつ記号を選択しなくては正解となりません。この問題での正誤で差がついたと思われます。

問3

表の数値の読み取りができていれば、結局はA=B=C=Dということは容易に分かります。ここは必ず得点したい所です。

問4(a)

B、10分、水40gを基準に比較すればそれ程難しくない問題ですが、少し時間が必要な問題です。

問4(b)

問4(a)と同様の考え方ですが、あ~か、の予想の矛盾を1つ選び、それを修正するという、手数がかかる問題です。時間をかければ難しくはない問題ですが、後回しにしても良い問題かもしれません。

化学分野、溶解度の問題です。食塩とミョウバンの溶解度についての問題です。表の数値の読み取りを正確に行えば、それほど複雑な問題ではありませんが、問1の知識と問6の計算で差がついたかもしれません。

「ミョウバンの使い道は?」5択問題です。知っていれば迷わず、オの「ナスのつけ物の色づけのため」を10秒以内に選べたでしょう。本来は「色づけのため」というよりは「色落ちを防ぐため」なのですが。とにかく他の選択肢は消えますので、自家製のつけ物を漬けているご家庭の受験生は正解できたということでしょうか。

食塩とミョウバンの結晶の図を選ぶ問題です。資料集にもカラーで写真が載っていますので、この問題を間違えた受験生はほとんどいないと思われます。

溶解度を比較する問題です。ア~カの6つの選択肢それぞれで、水の温度と水の量が違いますが、普通に割合で考えれば易しい問題です。ただし、「全て選びなさい」という設問なので、過不足なく選択する必要があります。

溶け残ったミョウバン水溶液に少なくとも何gの水を加えれば全て溶かせるかという問題です。算数の割合の問題と同じですが、割り切れないので四捨五入が必要な問題です。計算間違いをし易い問題ではありますが、ここは確実に得点する必要のある問題です。

水溶液の温度を下げて、出てくる結晶の重さを求める問題です。溶解度においては定番の問題ですので、確実に正解するべき問題です。

差がついた問題だと思われます。60℃、水100gのミョウバンの飽和水溶液全体の重さは124.8gです。これを全体が100gとしてしまうと答えは合いません。この計算もミスをし易いので気を付けなくてはなりませんが、やはり確実に正解するべき問題です。

生物分野、食物連鎖の問題です。リード文では「被食者」と「捕食者」という表現でカンジキウサギとカナダオオヤマネコについて記載されています。問1、問2は記号選択+10文字以内の理由記述、問3では、「標本調査」の計算も出題されています。グラフの読み取りは必要ですが、被食者の増減に遅れて捕食者も同様に増減することと、捕食者よりも被食者の方が個体数が多いという自然界の常識を知っていれば、難易度はそれ程高くない問題だと思われます。

グラフの読み取り問題です。どちらが捕食者かを選択する問題です。縦軸のスケールがXの方が大きいので答えはYとなりますが、10文字以内での記述は若干難しかったかもしれません。答えは「個体数が少ないから。」ぴったり10文字です。

こちらもグラフの読み取り問題です。縦軸のスケールが異なるので、上にある方が被食者であるとは一概には言えませんが、被食者の増減に遅れて捕食者も同様に増減することから考えると正解は「い」となります。理由記述は10文字以内の穴埋め形式となっていて、「(い)の個体数の変化の方が、(あ)の個体数の変化よりも(②)からである。」(②)に10文字以内の理由をいれると、(おくれている)または(おそくなっている)等が正解となります。

3(a)

標本調査の問題です。算数でも出題されることがありますので、比例式を作れば扱いやすい数値となっていますので正解を出すことは難しくなかったと思われます。

3(b)

標本調査の注意点の正しい記述を選択する問題です。マーキング後の行動に影響が出ないように、マーキングが消えないように、マーキング後の個体数が自然の状態で増減するように、ということに考えが及べば、答えは「エ」を選べたでしょう。

4(a)(b)

カンジキウサギの個体数の増減に関しての仮説を確かめる問題。(a)、(b)ともにリード文自体が難しくないので、きちんと読めば正解できたはずの問題です。ここは確実に得点するべき所です。

地学分野、星の日周運動、年周運動の問題です。基本的な星の名前、星座の名前、日周運動は1時間で15°、年周運動は1か月で30°、北の空では反時計回りに、南の空では東から西へ動くという基本を押さえていれば問1、問2は確実に得点できたはずです。問3で差がついたと予想されます。南半球から見た星の動きを正確に理解していないと(a)(b)(c)全て不正解となってしまう問題構成です。

オリオン座のベテルギウス。この問題を間違えた受験生はいないと思います。

2月4日の20時から昨年の12月4日の19時にさかのぼって星の位置を選択する問題です。12月4日の20時として60°戻し、更に19時なので1時間分の15°戻すので、75°東の方向へずらせば良いので、答えは「②」となります。難易度は高くない問題です。

3(a)(b)(c)

南半球から見た星の動きを問う問題です。合否を分けた一題として以下に記載いたします。

合否を分けた一題

【問題】大問4・問3(a)(b)(c)

図1は地球を南極の真上から見た図です。12月中旬の真夜中に南半球の地点Aから北の空を見上げると、図のようにオリオンがほぼ真北の方角に観察できます。

図2は南半球から見たときの、北の空と南の空の星の動きを表した様子です。北の空に見える星は東から昇り、北の空を通って西に沈みます。南の空の星は南極の真上に位置する、「ポラリスアウストラリス」という星(5.4等級程度の明るさなので肉眼では見えず、正式に南極星とはされていませんが)を中心に時計回りに動いているように観察されます。これは地球が西から東へ自転しているため、北半球でも南半球でも恒星は東から西へ動いているように見えます。ただし、赤道は北半球では南側に南半球では北側に位置するので、オリオン座の見える方角は北半球と南半球では真逆になります。

以上のことが理解できていれば問3の解答が導き出せます。

問3(a)

オリオン座を南半球から見ると北半球から見た状態を逆立ちしてみることになりますので、上下左右が正反対に見えます。よって答えは「エ」となります。

問3(b)

図2より、答えは「オ」となります。

問3(c)

(a)で選んだ図を、図2のように西の方向へ90°回転させたときの状態が答えとなりますので、答えは「キ」となります。

以上の3問は、(a)を間違えば3つとも不正解となる可能性大という設問になっています。
この問3が「合否を分けた一題」となったと推測できます。

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