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理科の合否を分けた一題

早大学院入試対策・理科の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A
問7 A  問8 A  問9 A  問10 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 B  問6 B
問7 A  問8 A  問9 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 B  問6 A
問7 A  問8 A  問9 A  問10 A  問11 A  問12 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A
問7 A  問8 B

A…早大学院中学部合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2017年度の早大学院中学部は、例年通り、幅広い知識と思考力を問う問題が中心です。
生物分野の問題は、生物全般についての問題。
物理分野の問題は、ふりこと音についての問題。
化学分野の問題は、中和反応と物質の分類についての問題。
地学分野の問題は、地震のゆれと天体についての問題。
各分野で、2つ以上の題材を取り上げているのが特徴です。
どの問題もよく練られていて、正面から取り組み、しっかり考えさせる問題となっています。
早大学院中学部特有の、通り一遍の知識だけではない生物・実験器具・実験方法に関する問題・作図や図を読み取る力を問う問題が出されています。比較的標準的な計算問題も数題出されており、これを的確に処理できたかどうかが、合否を分けるポイントとなると考えられます。
対策としては、覚えるだけの知識ではなく、「使える知識」を意識して身につけること。苦手分野を残さないように、偏りのない勉強を心掛けること。また、普段から科学関連の話題や生活に関連したことがらを、理科的な視点で考える姿勢をもつことが大切です。また、データ処理や計算問題に対しては、物事の本質を考えながら手を動かし、正攻法で取り組むように意識しましょう。
作図の対策も必要です。ものごとの本質をとらえた表現ができているかどうかが見られますから、ふだんから形やしくみについて考えながら手を動かして、慣れておきましょう。
試験時間は40分。いわゆる難問に類される問題がない分、合格者平均が高くなると考えられます。最後まで気を抜かずに解き切る気持ちをキープしましょう。

問題構成は、4分野から大問4題、小問49問。
解答形式は、言語が11問、記号選択が25問、作図が2問、記述が1問、数字が10問。
作図は、配線を書き入れるものと、蒸発皿をかくものでした。
記述は、一行程度で、言葉を選んで的確に書く必要がありました。
計算は、化学分野が特に手間がかかるものでした。後回しにしてじっくり取り組むとよいでしょう。
選択肢はよく練られていて、「すべて」選ぶものもあり、しっかり考えないと正答できません。日本語の言い回しにも注意し、ひとつひとつ丁寧に読み取る必要があります。

問題別寸評

(生物)植物全般についての問題です。
植物の分類・多様性・育て方・光合成など、広範囲な知識問題で、そのメカニズムについての総合的な理解ができているかを問う問題となっています。

問1

花をつけるのは、種子植物だけです。

問2

アブラナとアサガオは完全花です。

問3

イチョウは、雌雄異株です。秋になると、種子が熟して雌株の下に落ちます。種子は特有のにおいがあるあり、銀杏として食用となります。

問4

果実というのは、被子植物の種子を包んでいる、子房が成長したものです。

問5

虫媒花の目安としては、花弁がある花を選びます。花弁は、花粉を運ぶ虫や鳥を誘うことを目的としたつくりだからです。

問6

図は、マツの花粉です。特徴のある形なので、おぼえておきましょう。

問7

単子葉類の葉脈は平衡脈、双子葉類の葉脈は網静脈です。

問8

文中の「多くの種類の植物や動物」という表現を手掛かりにします。
生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルで多様性があるとしています。

問9

ジャガイモやサツマイモの育て方は、基本の知識ですから、しっかりおさえておきましょう。

問1 光合成は、二酸化炭素(気孔から)・水(道管から)を原料に、でんぷん(師管へ)と酸素(気孔へ)を作り出すはたらきです。

(物理)ふりこ・音に関する問題です。
ふりこは、周期とふりこの長さとの関係式を使って、周期を計算する問題。
音は、基本の知識を問う問題です。

問1

ふりこの長さを1/4倍にすると、1/4=1/2×1/2 より、周期は1/2倍になります。

問2

関係式に、あてはめて考えます。
1.6×1.6=□×64 □=0.04

問3

ふりこの長さが100cmのとき、周期×周期=0.04×100=4 より、周期は2秒。
求める時間は、周期の1/4なので、2×1/4=0.5(秒)。

問4

Bを支点としたふりこの長さは、100×1/16(cm)。
周期×周期=0.04×100/16=1/4なので、周期=1/2=0.5(秒)
100cmのふりこと100/16(cm)のふりこが、1/2周期ずつなので、
0.5+0.5×1/2+0.5=1.25(秒)

問5

Oの真下から一番右にくるまでにかかる時間の比は。Bを支点としたふりこの周期の比と同じになります。問4から、アの場合のBを支点としたふりこの周期は、0.5秒。
イの場合のBを支点としたふりこの周期は、周期×周期=0.04×100/9=4/9なので、周期=2/3(秒)。
よって、ア:イ=0.5:2/3=3:4

問6

OとBの長さが長くなると、周期は短くなります。その変化は、「OとBの長さ」に比例しないので、イを選びます。

問7

基本の知識です。音の高さは、弦が細く、短く、張る力が強いほど、高くなります。

問8

ペットボトルの中の空気が振動することで音が出ます。振動する空気の量が少ないイが、最も高い音になります。アは、振動する空気がないので、あてはまりません。

問9

音が伝わる速さは、温度が高いほど速くなります。音の大きさや高さには関係しません。

(化学)中和反応と物質の分類に関する問題。
中和反応の計算問題は、やや込み入った実験手順があり、計算が煩雑です。
物質の分類は、基本の知識ですが、広い範囲を聞かれているので、抜けがないようにしておくことが大切です。

問1

水溶液A10cm3から水を蒸発させたとき残る固体は、8.0×10/100=0.80より、水酸化ナトリウム0.80gです。

問2

④では、水溶液A10 cm3と塩酸B10 cm3が中和し、水溶液Aが10 cm3余ります。このとき、食塩1.17gと、水酸化ナトリウム0.80gが残ります。

問3

蒸発皿の絵をかきます。シンプルな線で、形が伝わるようにかきます。
実験器具に関する問題は頻出ですから、しっかりおさえておきましょう。

問4

③の半分の量なので、含まれている物質は、水溶液A5 cm3と塩酸B10 cm3に同じになります。これに水溶液A10 cm3を加えているので、水溶液A15 cm3と塩酸B10 cm3の反応と考えられます。このとき、水溶液A10 cm3と塩酸B10 cm3が中和し、水溶液Aが5 cm3余るので、食塩1.17gと、水酸化ナトリウム0.40gが残ります。

問5

→合否を分けた一題参照

問6

使う乾電池は2個なので、これを豆電球と銅板に直列につなぎます。

問7

フェノールフタレイン溶液が赤くなったので、アルカリ性です。

問8

塩酸と反応して気体が発生するのは、炭酸カルシウムと重曹です。このとき発生する気体は二酸化炭素です。

問9

Aは、水によく溶けて、熱すると黒くなるので、さとうです。Dは、水溶液がアルカリ性なので、重そう。Cは、塩酸と反応して気体を発生するので、チョークの粉(炭酸カルシウム)。Bの水溶液では、電流が流れるので、食塩。Eは熱すると茶色になったので、片栗粉(でんぷん)です。

問10

二酸化炭素は、空気より重い気体なので、下方置換法で集めます。水に少しとけますが、水上置換法で集めることもできます。

問11

アは上方置換法です。

問12

塩化水素・アンモニアは、水にとてもよく溶けるので、集気びんにほとんど集めることができません。塩素は少し溶けますが、水素はほとんどとけません。最も適している気体として、水素を選びます。

(地学)地震のゆれと天体に関する問題。
地震計のしくみの理解と、揺れに関する知識知識の問題です。
天体は、一般的な知識と、1光年の距離を計算する問題です。

問1

立体的なゆれを、3方向で測ることで、詳しく測定することができます。

問2

上下方向については、地面が上向きにゆれたので、地震計の記録は下向きからはじまります。東西ほうこうについては、地面が東向きにゆれたので、地震計の記録は西向きからはじまります。南北方向にはゆれません。

問3

マグニチュードは、地震のエネルギーの単位です。地震のエネルギーは、地面を動かすことに使われるので、大きな揺れ(主要動)が長時間続くと大きくなります。

問4

イ:震源の真上の地点が震央です。
エ:震度は、「0,1,2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7」の10段階です。
オ:震度は、測定する場所のゆれの大きさです。マグニチュードは、1つの地震に1つ決まります。

問5

ア:彗星・流星・小惑星などがあります。
イ:恒星の周りをまわる星は、惑星です。
エ:夕方に見える惑星は、宵の明星です。

問6

空気による光の散乱や天候の影響を受けないという利点があります。ハッブル宇宙望遠鏡は、多くの観測結果を残しています。

問7

1光年は、光が1年に進む距離です。

問8

30万×60×60×24×365≒946000000万(km)
選択肢は、桁がわかれば選べますから、工夫して概算し、時間をかけないことが大切です。

合否を分けた一題

問5

粉末中の金属AとBの合計が1.5gあります。十分な塩酸に入れると、金属Aは1gで1.25L、金属Bは1gで0.4gの気体が発生します。つるかめ算を使います。もし、粉末中すべて金属Aだったら、1.25×1.5=1.875L気体が発生します。ところが、実際には気体は1.0gしか発生していません。1.875−1.0=0.875Lの差が生じたのは、実際には粉末中に金属Bがいくらかあるのに粉末中がすべて金属Aと仮定したからです。そこで、金属Aを金属Bにどれだけ取り換えていったら良いのか考えます。0.875÷(1.25−0.4)=約1.0g。これが金属Bになります。金属Aは残りの0.5g(1.5−1.0)です。よって、粉末中の金属Aと金属Bの比は0.5:1.0=1:2 となります。

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