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国語の合否を分けた一題

聖光学院中入試対策・国語の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

① 満天 ②連呼 ③挙行 ④腹案 ⑤刻(み)
① みず ②いま ③まめ ④ずう ⑤うや
問一 Aオ  Bイ  問二 ウ  問三 ウ  問四 解説参照    問五 オ 問六 エ 問七 エ  問八 解説参照
問一 解説参照  問二 ウ  問三 雪だるま現象  問四 ア  問五 オ  問六 ウ  問七 イ  問八 解説参照

【難易度】

A
A
問一 A  問二 B  問三 B  問四 B  問五 A 問六 B 問七 C  問八 C
問一 B  問二 B  問三 B  問四 A  問五 A 問六 B  問七 C  問八 B

A…合格者平均は8割を超えることが予想され、確実に得点したい問題。
(漢字・知識問題なども含む。)
B…やや難度が高い問題であり、合格者平均が6割~7割程度の問題。
C…かなり難度が高く、合格者平均は5割を切ることが予想される問題。失点しても致命的ではないが、正解すると得点差がつく問題。

問題総評

満点は150点、試験時間は60分です。首都圏の最難関男子中において試験時間が60分の学校は、麻布中、駒場東邦中等が挙げられますが、いずれも記述問題が主体であるのに対し、聖光学院中は選択肢問題が主体です。これは「時間に追われることなく、丁寧に文脈を追い、じっくり思考をしなさい」という学校のメッセージといえるでしょう。今年度の聖光学院中は、難易度・分量共に例年並みでした。昨年度は100点を下回った合格者平均点が、今年度は100点を超えたという観点からみると、「やや易化」と言えるかもしれません。ただ、聖光学院の特徴である、「長い選択肢」は健在です。前後の文脈だけで処理できるものは少なく「主題」「要旨」を念頭に置いた解答が要求されていること、盛り込まれている要素が多く、消去法等のテクニックは安易に通用しないこと、等が難度を高くしています。近年は簡単には太刀打ちできない記述も増えており、男子校の国語では最難関のレベルに入る部類です。日ごろから「出題者の意図する方向性や、文章中の根拠を的確につかみ、正しく、文章を読み解く」ことを意識することが大切です。

問題別寸評

一 漢字の書き取り

漢字の書き取りのみで、「読み」はありません。すべて小学校で習う漢字からの出題です。ただ、聖光学院の漢字の特徴として「語彙としては有名ではなく、文脈からその場で類推する漢字」が1~2問出題されることがあります。これは神奈川の私学の雄として双璧をなす栄光学園とは対比的です。「腹案」は語彙としては難しいですが「先週から練ってきた」という文言から「腹」という漢字を類推したいところです。

二 ことばに関する知識問題 

聖光学院では毎年出題される「ことばに関する知識問題」です。この大問は、その場のひらめきや思考ではなく、普段から語彙に対する意識を高めていき「知っている」だけでなく「使える」ようにすることが肝要です。「知識としてのことば」を重視する最難関の男子中学としては「灘」が有名ですが、「初見の問題をその場で思考させる」ことを重視する灘とは志向が異なります。 
今回は、同じ二文字を繰り返す形容詞でした。正解である①「みずみずしい」②「いまいましい」③「かいがいしい」④「ふてぶてしい」⑤「うやうやしい」ということばは一般的な受験生であれば難しい部類ですが、聖光学院の受験生であれば⑤以外は正解したいところです。また、余談ですが聖光学院の読解問題における文章の注釈は多くない(説明文の専門的な語を除く)ことからも、学校が受験生に求める語彙の高さがうかがえます。対策として、ことばは一朝一夕では身に付きませんので、文章問題を解くときに分からない言葉があったら、こまめに辞典で調べる習慣をつけましょう。

物語文。出典は渡辺優の「彼女の中の絵」からの出題でした。女性(吉川)が夢の中で見た絵画のイメージを「作品」として具現化しようとする、絵の模倣が趣味の男性(古賀)の話でした。文章の設定や、主体が変化する「きっかけとなる出来事」が単数ではなく複数ある部分が少し分かりづらかったこと以外は難解な部分はなく、本文内容の大枠をつかむのはさほど難しくありませんでした。よってどれだけ深く読めたか?という「深度」で正答率が変わるでしょう。

問二 【比喩を戻す選択肢問題】

選択肢問題は、ついつい先に選択肢に目がいってしまい、正答を見つけようとしてしまいがちです。しかし、それは正しい選択肢問題の解き方ではありません。特に聖光学院レベルの学校の選択肢になると安易に「消去法」のテクニックでは太刀打ちできず、「なんとなくよさそう」な誤答の選択肢に引き付けられてしまいます。記述問題であろうと、選択肢問題であろうと、問題の解き方は3つのステップを踏みます。 ①問の明確な理解(何を問われているか)②文章に戻り、文中の根拠から自分なりの解答を考える③②に最も近い選択肢を選ぶ。④自分が選んでいない選択肢を②に基づき消す。確かに以上の作業は「面倒」です。ただ、この手間を惜しんで問題を解こうとすると、先ほど述べたように、紛らわしい選択肢に惑わされてしまい、かえって時間がかかり、正解を見誤るということが起きてしまいます。「思考のないところに正解はない」と肝に銘じることが大切ですね。
傍線部①「彼女の審査を無事通過した」に関して、実際に「彼女(吉川)」は「審査」をしているわけではないので、これは比喩を戻す問題であると理解できるでしょう。「吉川」は「夢の中の絵」を「忠実に」再現することを望んでいます。それに対して、「うまくいっているらしい」ということから解答にたどりつけます。一般的に比喩問題は「心情」と結びつくことが多いですが、この問題が問うているのはあくまで「吉川の審査を通過した」とはどういうことか?という「事実」ですので、「吉川が絵を認めた」という事実で十分です。よって「心情」の入っているものに惑わされてはいけません。いずれも「満足している・ほっとしている」等「相応しそうな心情」が並んでいますので、「物語文=心情」と考えていると思わぬ落とし穴にはまります。

問三【行動の意味=言い換え問題(具体化)】

まず、「どういうこと」と聞かれているので、言い換え問題であることが分かります。そこで傍線部②で、「吉川」が「もがいている」のはなぜか考えましょう。「もがく」というのは「溺れまいともがいている」のように①「手足を動かして、もだえ苦しむ」という身体意味と②「あせっていらだつ」のような精神的意味があります。ここでは明らかに後者ですね。心情の根拠ですからすぐ前を探すと、直前にある「自分が見た夢を思い出そうとしているが、記憶が薄れて詳しく思い出せない」から「もがいている」のだと分かります。具体的なイメージを思い出せないと「古賀」に伝えられず、正確な作品になりませんからね。注意点はあくまで「言い換え問題」ですので「もがく」のマイナスのニュアンスが出ている、ウの「苦心している」が対応しますね。アも一見悪くはなさそうですが、最後の「頼んでいる」という部分が「もがく」と全く対応しません。「明確な根拠」と、「傍線部との対応」がポイントでした。

問四【①指示語の把握 ②心情の理由の記述=事実の整理 ③表現の意味】

まず、傍線部③の「その声」は誰の声かをおさえましょう。当然「吉川」ですね。次になぜ「寂しそうに沈んでいた」のか。これも直前の事実をとらえることで解決できます。「描きたい絵がたくさんある」のに「それを実際に書き出す能力はない」というセリフがありますので、この部分が「寂しそうに沈んでいた」という心情表現につながります。ただ「描きたい絵がたくさんあるのにそれを実際に書き出す能力がないから」では解答欄の半分しか埋まりません。そこで傍線部③の中の表現「ほんの少し」の意味を考えましょう。「寂しさ」が「ほんの少し」しかないということはその「寂しさ」を紛らす「プラスの何か」があるということです。直後に「古賀さんの絵に関われるのがうれしい」とありますから、この部分を盛り込んで書きます。「古賀さんの絵」はあいまいさが残りますので、「絵を描く才能がある古賀さんの作品づくり」等に具体化して対比的に書き上げましょう。また、あくまで記述の中心は「寂しさ」ですので、「うれしい(+)⇒寂しい(-)」という流れで書きましょう。最後に、なぜ「80字という字数なのか」考えると、要素が複数あることに気づけますね。また傍線部の細かな表現に注目することも求められていました。
【模範解答】
絵を描く才能がある古賀の作品づくりに関わることができてうれしい反面、自分は描きたい絵がたくさんあるにも関わらず、実際に描く能力はないので、もどかしいから。(77字)

問五【①心情説明=事実の整理 ②主題へのつながり】

問四と同様「その心情になった理由」を文脈から探しましょう。ここでは傍線部④「そわそわした気持ち」になった理由を探します。「そわそわ」という言葉自体は「落ち着かない」という意味ですので、プラスの意味もマイナスの意味もありますね。文脈を整理すると、「古賀」は「彼女のイメージ」を実際に絵に描き上げることができました。そのことについて、「一発で合格をもらえる出来」「完全に修復して見せた」と非常に満足しています。あくまでここでのそわそわは「彼女を喜ばせることができる」という他者に向けた気持ちからくるものでした。(これが主題へつながります)アのような「優しいねぎらいの言葉をかけてもらえるのではないか」という自分自身に向いた気持ちではありませんね。また、イやエのように「心配」や「不安」が残っている選択肢は選ばないようにしましょう。「心情の二面性」という考え方は重要ですが、ここでは「プラス心情」しかありませんね。

問六【①心情説明 ②表現の意味 ③主題へのつながり】

まず、傍線部⑤の「あぁ…」は言葉が省略されていますので適切な言葉を補いますが、セリフを補うときは「ダレがダレに向けた言葉か?」を考えましょう。ここでは「吉川」が「古賀」に「何か言葉を伝えたかったが伝えられなかった」ということが読み取れますね。その「何か」は直後の「ごめんなさい」というセリフから「古賀への謝罪」であることが読み取れます。これで中心となる心情は決まりました。ただ、「何に対する」謝罪であるか?は付近には書かれていませんので、読み進めていきます。この後の文脈から「私が夢の中で見た絵」は、実際は「展示会で見た絵が夢に出てきたもの」であり、絵は「私の想像」で「実際に存在していた」という事実が分かりました。そして、「あなたの時間を奪ってしまいました。あなたがほかの絵にかけられたはずの絵を」という部分から「何に対する謝罪であるか」が分かりました。それは「絵の実物が存在していることも知らず、その絵を再現するために、古賀の貴重な時間を無駄にしてしまったこと」に対する謝罪ですね。上記の要素が含まれている選択肢はエしかありません。
それではなぜ、すぐに謝罪できなかったのでしょうか。それは「こちらの絵のほうがずっと好きです。(中略)あぁ、本当に完璧です…」とあることから「あまりにも古賀の絵が素晴らしすぎて、言い出せなかった」からだとわかりました。「イメージで描いた絵」が「オリジナルの絵」を超えることなど普通はあり得ませんから、それほど古賀が「時間」と「想い」を込めて制作したことが分かりますから、それが「吉川の古賀に対する申し訳なさ」をより一層強くしたのでしょう。そのニュアンスも正答の「いざ謝罪しようとしたときに絵が目に入り…」という部分と合致しますね。

問七【①心情の理由 ②主題へのつながり】

傍線部⑥「怒る理由がない」と思った理由を問われていますが、傍線が短い場合は伸ばすと手がかりが見えてきます。傍線⑥を伸ばすと「吉川さん、わたしは、なんというか、あなたに何も奪われてはいないと思います。だから、怒る理由もありません」と「順接の接続詞」がありますので、言葉を補うと「古賀は吉川に時間も労力も奪われていないと思った」から「怒る理由がない」と考えていることが分かりますね。それではなぜそのように思ったのでしょうか。実はここまでの問題で考えた内容から、ほぼ答えは出ています。問5の中で、「吉川の喜び」は「古賀の喜び」であり、①「古賀は吉川を喜ばせること」のために苦心していることを確認しました。そして問6で②「吉川は古賀の絵をオリジナルの絵を超えるほど素晴らしいと思っている」ことが分かりました。以上の2点を踏まえると、「吉川が喜んでくれたので、時間と労力は無駄ではなかった」ことが「怒る理由がない」ことの理由になりますね。また直前にある「もう一度賞を狙えるかもしれないと期待したこの心が…(中略)わたしの胸の中は凪いでいた。なんて穏やかな。」という部分が正答の「創り上げた作品で人と争うような野心もなく…」と明確に対応します。以上からエが正答です。イと間違いやすいですが「今の古賀の技術では、仮に別の題材をもとに他の絵を描いていたとしても賞をとれるはずもなく…」が明確に誤りです。「絵を描く技術」に関してはそもそも言及されていませんし、そのような表面的なことではなく、「絵を描く目的」という「内面的な動機の有無」がここでは重要なのです。要は「模倣の作品で他人と争う」ことに対して「そんな立場にすらない」と気づいたわけです。この設問の難しさは、近くの根拠から答えが出るわけではなく、先行設問も踏まえて考える問題であった点です。ここまでの文脈が抑えられていないと、迷ってしまうような選択肢が散らばっている点もこの設問の難度を上げています。

問八 【主題(変化の記述)】

80字の記述問題です。後ほど「合否を分けた一題」で解説します。

説明的文章。出典は亀田達也の『モラルの期限‐実験社会科学からの問い』によります。生物種としての「人間の社会性」を、人間と同じく社会的とされるハチやアリなどの昆虫による「集団での意思決定」という具体的事例を通じて差異を論じています。文章レベルは高いのですが、解答根拠が明確なため、比較的取り組みやすいものが多いでしょう。

問一 具体化の記述

「どのようなもの」と聞かれたら言い換え問題であると理解しましょう。ここでは傍線部①「集団の意思決定」という短い言葉を40字で説明するわけですから、「具体的」に言い換えればよいでしょう。さて傍線を含む一文を見ると「集団の意思決定を題材に考えてみましょう」とありますので、これより後に書かれていることが予測できます。読み進めると具体例が続き、その後に「つまるところ、集団意思決定とは…」と書かれていますので、「集団意思決定」がまとめられており、定義されていることが分かります。そのあとの部分をほぼ書き抜けば解答が作れます。40字以内であれば解答根拠は単数であることが多く、また論説文は比較的書き抜きとつなぎ合わせで記述答案が作れることが多いです。勝手に自分の言葉に言い換える解答から遠ざかっていきます。
【模範解答】
個々のメンバーの意思を、群れ全体の行動選択にまとめあげる集約の仕組み。(35字)

問二 具体化の選択問題

傍線部②「『投票』」がどういうものか説明する問題ですが、選択肢をすぐに見ずに、本文中から考えてみましょう。傍線部を伸ばすと「こうしたかたちでメンバーの『投票』は、…」と書いてありますので指示語に従い直前を確認します。すぐ直前に「ヒト以外の動物種においても、動物たちの示す特定の身体姿勢や運動のパターン、発声の仕方などが投票や意見表明と同じ機能をもつことが明らかにされています」とありますので、ここでの「投票」とは「言語能力を持たないヒト以外の動物種」が「姿勢」「運動」「発声」等の言語以外の要素により「意見を表明する」ことであると分かります。ここで初めて選択肢を見ましょう。ウの「言語を必要としない意見表明」が今つくりあげた解答に最も近いですね。また少し本題からはそれますが、傍線部中の「『投票』」に「」(かぎかっこ)がつけられていることに気づきましたか。かぎかっこが付いている言葉は、筆者が自分なりの定義でその言葉を使いたい場合であり、辞書的な意味ではありません。通常「投票」とは「言語」により行われます。しかし、この場合の「『投票』」は言語で行われないのであえて「」(かぎかっこ)をつけて違いを強調しているわけです。

問三 同義表現の書き抜き(比喩的表現)

傍線部③「人気が人気を呼ぶ社会的な増幅プロセス」と同じ意味で用いられている言葉を探します。注意するべきは、書き抜き問題は「字数を手掛かりになんとなくそれっぽい表現を探す」わけではありません。文中のどこかには答えがありますので、皆さん頑張って探すのですが、結局時間がかかりすぎてしまったり、探しきれなかったりと注意しなければならない問題なのです。結局どの部分と同じなのか?という文章の論旨が分かっているかがポイントです。ここでは「人気が人気を呼ぶ」という「ミツバチ」の文脈で使われている表現が、後の「人間」の文脈で繰り返されています。そのあたりに答えがあるのではないか?と目星をつけましょう。さて「人気が人気を呼ぶ」という言葉の意味をイメージしてみましょう。人気がどんどん増えていくのですから、「だんだんと程度が強くなる」、「輪をかける」という意味に近いですね。近くから同義語を探すと「雪だるま現象」という言葉が見つかります。もちろんここでの「雪だるま」は「小さいものがだんだん大きくなっていく」という比喩的意味ですね。

問四・五 接続語・慣用句

説明は省略します。

問六 文脈の理解(理由説明)

傍線部④「多数での意思決定が、必ずしも集合知を生むとは限らない」理由を説明する問題ですが、ここで気づいてほしいことがあります。傍線部の中の「多数での意思決定」は先行設問(問三)で考えた「人気が人気を呼ぶ社会的な増幅プロセス」=「雪だるま現象」と同義であるということです。なぜこれらの現象が起きるのか確認すれば解答にたどり着きます。傍線部④の直後に「たとえば」という具体例で「一時的な流行現象」について述べられています。「評判」につられて「冷静な判断」ができなくなってしまうからです。また次の段落にある「株式市場」の例では「自分の持っている情報よりもほかの人の行動を情報源として優先し」てしまうと述べられています。以上の二つの例を抽象化すると「他者の評価」に影響を受けてしまい「客観的な評価」ができなくなるため、その結果、評価の「質が落ちる」という因果関係になります。今後も「理由説明」の際は「何」が原因でその結果になるのかを明確化しましょう。

問七 理由説明(対比)

傍線部⑤「ミツバチがエラーの連鎖を防ぐメカニズム」について説明をします。問六のから対比的に考えてみましょう。そもそも「エラーの連鎖」とは「他者の評価に影響を受けてしまい客観的な評価ができなくなった結果、評価の質が落ちる」ことによってもたらされるものでした。なぜミツバチがこれを防げるのかというと「ミツバチはほかのハチたちに同調して「行動」はするが、「評価」に関しては、他のハチたちの影響を受けずに「完全に独立して」行われるという、「自分の評価」で行うわけです。要は「行動の同調」はするが「意見の同調」はしないということですね。よって「エラーの連鎖を防ぐ」ことにつながるわけです。この点が「人間の意思決定」とは異なる部分ですね。

問八 条件付き対比記述

傍線部⑤「評価の独立性」について、「人間の場合」について説明する40字記述です。これも問六で確認をしましたね。ミツバチが評価の独立性は「保ちやすい」のに対し、人間の場合は評価の独立性は「保ちにくい」です。ただ、「人間の性質に触れながら」という条件が付いていることから、「なぜ保てないのか」人間の性質から分かる理由を書きましょう。また要求されている型は「(人間は)○○○性質なので、△△△」であることが分かります。ただここでは「ミツバチ」を盛り込んでしまうと40字を超えてしまうので、対比記述ではありますが、「ミツバチ」のほうを書く必要はないでしょう。
【模範解答】
人間は他人の行動を情報源として優先する性質なので評価の独立性を保ちにくい。(37字)

合否を分けた一題

《記述問題(変化)のポイント 大問一 問八》

変化の記述の記述です。物語文はそもそも「人物が、ある出来事をきっかけに何かが変わる話」であることが多いです。その点で「主人公」は「最初と最後で何かが変わった人物」であると言えましょう。そして「変わる何か」とは、「身長」のように分かりやすいものではなく、目には見えないものであり、心情や認識等が多いです。気づかなかったものに気づいたり、見えなかったものが見えたりすることも「変化」といえるでしょう。多くがマイナスからプラスへと変化していきます。そして「変化後」の部分に子供であれば「成長」、大人であれば「回復(忘れていた大切なものを思い出す)」等を見出します。

変化の記述には明確な「型」があります。

変化前の心情⇒変化のきっかけ(事実)⇒変化後の心情
この型に当てはめて、記述を作りましょう。この文章であれば変わったのは「古賀」ですから、「どのような状態であった古賀」が「何」をきっかけにして「どのように」変わったかをまとめます。また、今回は「心情」に限定をする必要はありません。

【変化前】
A①自分では描きたい絵が浮かばず、常に他の模写ばかりしていた
B①コンクールで入賞し、他者からの名声を得ることを目的としていた
  ↓
【きっかけ】
A②感性豊かな若者の作品に触れ、感銘を受けた
B②吉川の切実な思いに応え作品づくりに熱中した
  ↓
【変化後】
A③自分の描きたい絵が定まり、自分の内面を表現したいと思った
B③目の前の一人に喜んでほしいという気持ちになった

以上を抽象化すると

Aは「自己表現」
Bは「利他」

となります。80字とあまり長くないので、以上の要素から「古賀」の「絵を描く目的」が変化したと抽象化します。
【模範解答】

以前は絵を描く目的が見いだせず、他の模写で自分のために絵を描いていた。しかし、自分の作品が他人に感動を与えたことで、他人のために自分の内面を表現したく思えた。(79字)
「芸術」とは「自分の内から湧き出る形のないものを、形のあるものに表現する行為」であり、他の真似ばかりしていては真の「芸術」とは言えません。また、「表現」することそのものが目的であり、「見ず知らずの誰か」にそれを評価され、それにより「名声を得る」ことが目的ではありません。ただ、「自分のため」ではなく「他人のため」に突き動かされた結果、自分の作品が「目の前の一人」に感動を与え、直接的な反応を得たとき、また次の作品へのゆるぎない力が生まれるのではないでしょうか。このように聖光学院はものごとの本質を題材にすることが多いです。HP上にも、聖光受験生にとって意識するべき「視点」について説明されていますので、ぜひ熟読してください。
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