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社会の合否を分けた一題

聖光学院中入試対策・社会の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問1⑴A ⑵A ⑶A ⑷A ⑸B ⑹A 問2 B 問3 A 問4A 問5 B 問6 A問7 A 問8 B 問9 A 問10 B
問1 B 問2 A 問3 (a) C (b)C 問4 1 B 2B 問5A
問1 B 問2 B 問3 B 問4 A 問5 A 問6 (a) A (b)B 問7 B
問1A:A B:B C:A D:A E:A 問2 熊谷市 B 那覇市B 京都市 B 問3 B問4 (a)A (b) A 問5 ゴルフ場 B 高温温泉 A問6 (a) B (b)

A…聖光学院中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2019年度の聖光学院中の入試問題は、例年通り、基本的知識を問う問題が中心です。

地理分野では、例年通り地図の読み取りが出題されていました。また気候に関連する問題が今年も出題されました。
グラフや資料の読み取りに基づく形での出題となっており、制限時間内に正確に処理する力が求められました。問題を解くために必要な知識は基礎が中心ですが、選択肢には紛らわしいものが含まれており、知識の曖昧さを少なくする学習が必要です。

歴史分野では、並べ替え問題が増加しました。並べ替え問題は年号のみでなく、因果関係が掴めているかどうかも問われています。したがって、因果関係を意識し、定着度を高めていくことが必須となります。例年、幕末~近現代の出題が多くなっていますが、今年も同様の出題が見られます。

また、公民分野は二題で政治分野と国際分野からそれぞれ一題という出題でした。
聖光学院中では、公民分野への対策も他の学校より入念に行う必要があります。
中学入試全体での出題が多い三権や憲法だけではなく、経済や社会保障といった手薄になりやすい部分も過去に出題されていることから、まんべんなく学習することが必要です。
さらに国際分野の問題では、2019年入試で出題の多かった世界の国の位置を問う問題も見られ、上記の公民分野のみでなく、国際分野も今後比重が高まっていくことが予想されます。

問題構成は、3分野から大問4題、小問46問。
解答形式は、語句形式が19問、記号選択が26問、記述が1問。
記述は、75字程度で、差がつく問題と言えます。語句形式の問題は数が多いため、瞬時に正確に書くことが要求されています。
一方、選択肢には、「誤っているもの」選ばせる問題も見られ、限られた時間で得点するためには、高い定着度と判断力が必要です。

問題別寸評

(歴史分野)近現代を中心とした外交史についての問題です。
外交史は、因果関係や関係性の移り変わりを正確に把握する必要があります。受験生にとっては曖昧になりがちで、対策次第では、差がつく問題が頻出しています。
聖光学院受験生であれば、文化史や産業史などのテーマ史ごとの要点を定着させたうえで入試に挑みましょう。
今回の大問では並べ替え問題が数問見られました。年号だけの暗記だけでは解けない、因果関係の理解度を問う問題でした。
その他、3行程度の大型記述が1問出題されました。例年の2問出題のパターンから1問出題に減少していますが、字数が増加したため、この記述問題で時間をかけすぎずに書くことができたかどうかで合否に影響したといえます。

問1

適語補充の問題。聖光学院では、毎年適語補充の問題が出題されています。
漢字記入が原則のため、日頃から漢字表記の意識を持つようにしましょう。
⑴ドイツを参考にして作られたのは「憲法」です。当時のドイツは君主制が強いこともあり参考にされました。また、⑴はページ下部にもあります。こちらも参考にして考えましょう。
⑵オランダの学問は「蘭学」と呼ばれていました。
⑶直前の「630年から始まる…」という部分がキーワード。遣唐使は630年~894年に菅原道真によって廃止されるまでおよそ260年続きました。これは江戸時代と同じ期間です。
⑷中国は古くより日本を「倭」と呼んでいました。
⑸奈良時代初頭に編纂された書物は『古事記』、『風土記』、『日本書紀』です。直後に「…歴史書が政府によって…」とあるので、『日本書記』があてはまります。
⑹『東方見聞録』を著したのは「マルコ・ポーロ」です。

問2

明治時代初期の頃の様子に関する問題。
イ、1869年に版籍奉還により、土地と人民が天皇に返され、1871年の廃藩置県により中央集権国家が完成しました。
ウ、アメリカ式の自由な…という部分が誤りです。
エ、四民平等となりましたが、華族などの特権は認められていました。

問3

大正時代の外交史に関する問題。
第一次世界大戦と第二次世界大戦では対立国や対立関係が異なる点に注意が必要です。
第一次世界大戦下では、ドイツは、オーストリア・イタリアとともに三国同盟の中心国として、イギリス・フランス・ロシアの三国協商と対立していました。日本は日英同盟を口実に三国協商側で参戦しました。しかし、第二次世界大戦下では、日本・ドイツ・イタリアで日独伊三国同盟を結び、アメリカ・イギリス・フランスと対立していました。
第二次世界大戦の敗戦後は、ドイツは東西に分断されて、東側にあった主都ベルリンは、さらに西側と東側に分断され、ベルリンの壁が建設されました。

問4

軍事に関連する問題。
太平洋戦争では、日本がポツダム宣言を受け入れたのち、軍隊が解散されました。

問5

室町時代、足利義満の頃~足利義政の頃の出来事を並べ替える問題。
金閣の完成は1398年。その後、1401年に日明貿易(勘合貿易)が始まる。
1428年には、近江の国の馬借らによって正長の土一揆が起こる。
足利義政の頃、後継者問題や守護大名、管領らの争いから1467年に応仁の乱が起こる。

問6

シャムはタイの旧国名です。

問7

南蛮貿易に関連する問題。
当時の日本の輸出品として代表的なものは金ではなく、「銀」です。
主に島根県の「石見銀山」で産出したものが輸出され、当時世界の銀のおよそ3分の1が石見銀山で取れたものと言われていました。

問8

ロシアとの外交史に関連した問題。
アは、「社会主義国と国交を結んだ…」とあることから大正時代であることが分かります。
これは1925年に結ばれた日ソ基本条約です。
イは1905年のポーツマス条約の内容です。
ウは、日本が国際連合加盟を果たすことが可能となった日ソ共同宣言の内容。1956年に出されたものです。
エは、千島樺太交換条約の内容。1875年のことです。

問9

奈良時代~鎌倉時代までの仏教に関する問題。
アは、桓武天皇ではなく聖武天皇が相応しいです。
イは、天台宗ではなく真言宗が相応しいです。
エは、浄土真宗は念仏を唱えることによって救われると説きました。座禅を組んで悟りを開くのは禅宗。

問10

リード文を参考にしながら、17世紀後半のイギリスとの関係を記述する問題です。
「Ⅰ~Ⅲを参考にしながら」という指示がありますが、これはⅠ~Ⅲの内容を記述に含めるという意味でもあります。以下、Ⅰ~Ⅲの内容を整理していきます。
Ⅰ:大航海時代に入り、イギリスやオランダがアジアまで直接来航することができるようになった。
Ⅱ:幕府は次第に紅毛人と貿易相手にふさわしいと考えるようになった。
Ⅲ:イギリスはオランダとの貿易戦争に敗れて貿易から撤退せざるを得なくなった。

① 江戸幕府は1600年台初頭に、ウィリアム=アダムスを外交顧問として迎え入れて貿易を行った。
②キリスト教布教を警戒していた幕府は、キリスト教布教の中心であったスペインやポルトガルを
次第に排除するようになった。
③イギリスはオランダとの貿易戦争に敗れて貿易から撤退し、日本との交易が途絶える。
以上3点をまとめて記入します。

(政治)公民分野に関する問題です。
聖光学院中の社会の一つの特徴とも言える公民分野。
中学入試全体と比べ、出題量や出題の難易度が高いことが特徴です。
テキスト部分の基礎知識を吸収するだけでなく、根本的な仕組みを理解し、細かな言葉の差異や数字などを理解するよう日頃の学習から心掛けることが大切です。
大問2は「ジェンダーギャップ」をテーマとした政治分野からの出題です。

問1

2018年に国会で成立したのは「候補者男女均等法」です。

問2

参議院議員定数増加は、「一票の格差」を是正するためのものです。
「一票の格差」とは、一人の議員が当選するために必要な得票数が、選挙区によって異なるため、有権者の一票の価値に格差が生じることで、憲法第14条の「法の下の平等」に反するとされています。

問3(a)

歴代の衆議院議長では、「土井たか子」氏が女性初となる議長を務めました。

問3(b)

女性に初めて選挙権を認めた国はニュージーランドです。

問4

憲法第24条の語句補充の問題です。
日本国憲法第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

問5

間接的な性差別禁止を明記した、改正男女雇用機会均等法に関する問題です。
リード文の読み取りが重要なポイントとなります。
リード文中には「女性であることを、あるいは男性であることをまさに理由とした差別ではなく、さまざまな要件を設けて性差別をおこなうことを意味します。」とあるので、この部分に該当する事例を考えます。
「事務職」は男女の差別には当たりません。
「男性65歳、女性55歳」は、女性の年齢要件が10歳以上若いことから、この間接的な性差別に該当します。その他に関しても、男女の差別には当たりません。

[3]

(国際分野)世界平和をテーマとした国際組織や世界地理についての問題です。
中学入試全体をみても、国際分野の出題は増加傾向にあります。
また、今後はオリンピックなども開催されることから、出題の機会も増加していきます。
特に、今回の問1の出題のように国の位置を選ばせる問題は今年多くの上位校で出題されました。
公民分野に加えて世界地理への対策も必須といえます。

問1

中東情勢に関連した問題。
2003年にアメリカが戦争を行った国は「イラク」です。
イラクの国の位置は「ウ」があてはまります。
アはリビア、イはシリア、エはイランです。

問2

戦争や自然災害、貧困などのために住む家がなく、路上で物売りなどをしながら生活をしている子供たちを「ストリートチルドレン」といいます。

問3

核兵器に関連した問題。
ア:包括的核実験禁止条約が採択された後も核実験が行われています。

問4

カタカナ用語に関連する問題。
開発途上国の生産物を、その生産者の生活を支援するために、適正な価格で継続的に購入する取引を「フェアトレード」といいます。
ステルスマーケティングは、「ステマ」とも呼ばれるマーケティング用語の一つ。
消費者に宣伝と気づかれないように宣伝を行うこと。
トレード・オフとは、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態・関係のことである。
フリーマーケットとは、リユースを目的として個人が公演や広場などで物を販売すること。

問5

ステレオタイプなものの見方に関する問題。
ステレオタイプとは「固定観念」のことです。
予め決めつけた視点を通して物を見ていくことです。
エは固定観念では、古くからのしきたり、伝統的な作法です。

問6

マララさんの国連でのスピーチ内容に関する問題です。
(a)「社会的性差」のことをカタカナでジェンダーと言います。
(b)日本での教育の近代化に努めた人物に関する問題。
『学問のすすめ』は、伝統的な朱子学に基づくものではありません。
世界の情勢から日本を鑑みた福沢諭吉が、日本の儒教思想を否定し、近代的な欧米の政治思想や民主主義の理念を説き、日本人に民主主義国家の主権者であるという意識を持たせるために書かれたものです。

問7

20世紀に平和のために活動した人物に関する問題。
ネルソン・マンデラ大統領は、南アフリカ共和国の元大統領で、人種隔離政策(アパルトヘイト)を廃止した同国初の黒人大統領。

[4]

(地理分野)埼玉県をテーマとした問題です。
都道府県ごとの特色が把握できているかを問う問題が中心でした。複合的な出題形式でもこたえられるよう、知識の定着のみでなく、着眼点や知識の使い方を練習する必要があります。
地図の読み取りや気候の問題は例年出題されているため、対策が必須となります。
また、グラフや表をもとに解く問題も多く出題されていることため、普段の学習から素早く正確に読み取る練習を行う必要があります。

問1

表・説明文から都道府県の判別を行う問題です。
A:リード文より、1段落目からAが近畿地方にあり、河川による平野が多いことが分かります。
2段落目では、東京など同じように人口が多い都道府県であることが読み取れます。したがって、
「大阪府」があてはまります。
B:リード文より、1段落目からBは九州地方にあり、西部は山地で県境となっている都道府県であることが読み取れます。2段落目から、徳島県などと並び人口が少ない都道府県であることが分かります。したがって、「宮崎県」です。
C:リード文より、1段落目からCは四国地方にあり、県庁所在地付近と県南西部の平野以外は山地を中心としているとあることから、「高知県」があてはまります。
D:リード文3段落目から、筑後川が流れ、総面積が小さいとあることから、「佐賀県」であると分かります。
E:リード文3段落目の後半の部分より、南部の盆地が人口集中地域で、中央部から日本海側まで山地が連なるとあります。Aの大阪府と隣接しているという部分も踏まえると「京都府」があてはまります。

問2

合否を分けた一題で扱います。

問3

地図の読み取りに関連する問題
坂本地域は、背後に山の斜面があることから、土砂崩れによる被害が予想されます。
断面図では、影森駅と円隔寺の標高差は断面図ほど大きくはありません。

問4

(a)果実といえば青森県のリンゴや愛媛・和歌山のミカンが有名ですが、Bの図には含まれていません。
(b)小麦は、比較的涼しい気候での栽培が適していることから、北海道では二期作が行われていると予想できます。九州地方の方が温暖な気候にあるため、Bが九州地方であると考えられます。

問5

「ゴルフ場」は都市近郊に多く見られることから、エ。
「高温源泉」は、火山活動がさかんな地域であることから、九州地方や東北地方を多く含むアがふさわしい。

問6(a)

各県の特色をもとに考えます。今回の判別で用いる都道府県の特色は以下の通りです。

愛知県:三大都市圏の一角である名古屋市。経済の中心地でもあり、商業もさかんであることから
「出張や業務」で滞在する人が多くなる。
埼玉県:埼玉県は多くの人口を有することや、1970年代に都市郊外へ多くの人が移り住んだことからも「帰省」する人が他県よりも多くなることが考えられます。ニュータウンとしての側面も強いことも特徴の一つです。
山梨県:富士山や山中湖をはじめとした観光資源が豊富なため「観光」のために訪れる人が多くなります。

問6(b)

表読み取りの問題です。イ・エ
表に圧倒されることなく、素早く正確に処理することが必要です。
イ:「韓国」の上位10位に千葉県は入っていません。
エ:「アメリカ」の上位10位に岐阜県は入っていません。

合否を分けた1題

聖光学院中の出題のポイントは、知識の使い方にあります。
解くために必要な知識一つ一つは、基礎レベルです。基礎知識で解くことのできる問題をしっかりと得点することで十分合格ラインに届きます。
しかし、問題の「聞かれ方、問われ方」が難しいです。
グラフや表と合わせて問題が出題される分、難易度が増していると言えます。
したがって、上記に上げた公民分野以外でも、普段の学習の中で資料やグラフを読み取る力を養う必要があります。
もちろん、一問一答形式だけでの練習では足りません。読み取る力を鍛えることが重要です。
読み取る力を鍛えるということは、「着眼点」を養うことです。
グラフのどの部分を見ることが正解なのか、どの部分を使うのかといったところを、直しをする際にノートなどに書き入れるようにしましょう。
また、リード文や設問、資料を読んだ際に、自分なりの言葉で言い換えることも効果的です。
上記のポイントを意識しながら以下の解説を参照してみてください。

大問4 問2

日本の気候に関する問題です。
雨温図の発展パターンのグラフです。
見慣れないグラフが出てきた場合、焦らずにそのグラフの「読み取り方」をしっかりとおさえましょう。

【着眼点①】グラフの見方を整理する
縦軸は「年間平均気温」、横軸は「気温の年間差」を表しています。

【着眼点②】グラフの特徴を整理する
アを例に考えます。
アは、縦軸「年間平均気温」の高い位置にあります。ここから、1年を通して温暖であることが読み取れます。また、横軸「気温の年間差」では、0に近い(左寄り)であることから、気温の差は少ないことがわかります。

【着眼点③】読み取った情報から、社会で学習した知識にあてはめて考える

上記のことから、気温差が少なく1年を通して温暖な気候は那覇市、南西諸島の気候であることがわかります。

上記のように、読み取りから判別していく方法以外にも、考え方があります。
設問中の「都市」の気候の特徴を考え、グラフにあてはめていく方法です。
学習した知識から考えていきます。

「長野市」を例に考えてみましょう。

長野市は気候区分では「中央高地の気候」となります。
中央高地の気候は、1年を通しての気温差が大きく、降水量が少ないという特徴があります。

したがって、横軸「気温の年間差」は右によっているもの。
平均気温は、比較的低いことから、縦軸「年間平均気温」は低い位置にあります。
したがって、長野市はオがあてはまります。

考え方は様々ですが、着眼点は変わりません。
したがって、普段の学習の中で自分の着眼点が合っていたかどうかを、解説などを利用して確認していきましょう。

(解説の続き)
上記の方法にあてはめて「熊谷市」を判別していきます。
熊谷市は内陸部に位置し、ニュースなどでも話題になる程夏は暑くなります。
したがって、横軸「気温の年間差」は右よりになります。
また、夏は高温となることから縦軸「年間平均気温」は高くなります。
これに該当するのは「ウ」となります。

「京都市」も熊谷市や長野市と同じように、内陸部に位置します。したがって、「キ」があてはまります。

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