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算数の合否を分けた一題

慶應湘南中入試対策・算数の合否を分けた一題(2015年度)

難易度分類

[1] (1) (2) (3)
[2] (1) (2) (3)
[3] (1) (2) (3)
[4] (1) (2) (3)
[5] (1) (2) (3)
[6] (1) (2) (3)

A:慶應湘南藤沢中合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:知識・着眼点・解法により正答率やかかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、自信がなければ一旦とばすべき問題

本年度の出題では難易度Cとすべき設問はないのではないかと思います。
[5]は細かい状況の処理が必要ですが、それほど時間がかかるものでも複雑なものでもなく、
[6]は立体図形と相似からの出題ですが、(1)で正確かつ丁寧に図を描いていればそれを(2)以下で流用することができます。

問題別寸評

[1]設問短めの小問集合

(1)は計算問題。
アを含む分数の処理がポイント。
割り算なので仮分数にして、÷(ア+10)/5 → ×5/(ア+10) にして、
これ全体を1つの□と考えるとよい。

(2)約数倍数。
連除法をきちんと使うことができれば正解を出せるはず。

(3)単位換算。
mLまたはLに単位を統一して解きましょう。

[2]少し設問の文章が長めの小問集合

(1)「バス代」「小学生1人あたりの入場料」「大人1人あたりの入場料」の3つの数が不明なのでやや迷うかもしれないですね。
「バス代」を□円、「小学生1人あたりの入場料」を②、「大人1人あたりの入場料」を③として式をつくればすんなり解けます。
③+□/24=7800
②+□/30=6000
この2つの式の○か□をそろえれば正解を導けますね。

(2)この問題は「水の体積」ではなく「空気の体積」に注目することが手早く解くポイントです。
面ABCDにおいて、相似を利用して「空気」の面積を求めると 3×4.5÷2 になり、これに40をかけ算すれば「空気の体積」になりますね。
これを面ABCDの面積で割れば、「空気の高さ」がわかります。
(計算はまとめてやりましょう。)
40センチからこの値を引けば、水面の高さになります。

(3)この設問は正六角形の基本事項を理解しているかを問う問題ですね。
ポイントは、内側の正六角形を30度回転させて、頂点が外側の正六角形の辺の中点に接するようにすることです。

そうすると、影のついた部分が6つになるはず。
あとは正六角形の知識があれば、
そのまた半分、すなわち影のついた部分の12分の1が三角形ABCになることがわかります。

[3]数列

(1)まずは書き出していくのが基本ですね。
設問の文章にしたがって書き出していきます。
ポイントは「作業」が終了した後の水量を書き出していくことでしょうか。
すると、

4、10、20、34、52、74、100 ・ ・ ・ ・ ・

となりますね。

(2)先ほどの数列を細かくみていきましょう。
考え方はいくつもありますが、一例を。

4、10、20、34、52、74、100 ・ ・ ・ ・ ・
の差をとっていくと
6、10、14、18、22、26 ・ ・ ・ ・
と、公差が4の等差数列になります。

これをつかって、「□番目の数を求める公式」を考えましょう。
すると、
□番目の数=4+(2+2×□)×(□-1)

という式になるはずです。

あとはこの□に29をあてはめれば正解がわかりますね。

では、これに気が付かなかった場合はどうするか?
その場合、「強引に29番目まで書き出していく」のも立派な方法です。
29個書き出すくらいなら、そんなに時間もかかりません。

もっとシンプルに、
□番目の数=(□×□+1)×2
という式を求める方法もありますが、(この2つの式は同じ式です。)
はじめに紹介した式で充分かと思います。

(3)これは先ほどの式の「□番目の数」に5204をあてはめて、□を求めれば正解できます。
□=51
になりますが、数値が大きくなっていくため、
「強引に51番目まで書き出していく」のはちょっとつらいかもしれませんね。

[4]図形、特に半円を題材に相似比と面積比の関係を問う設問

1つ1つの設問は典型的なものなので、設問にとりつきやすかったはずです。

設問自体は奇をてらったものではないのですが、比を的確に用いることができるか否かでかかる時間がかなり変わってくる設問といえます。

(1)イの半円の弧とウの半円の弧の長さの和はアとイとウが含まれる半円の弧と等しいことは、慶應湘南藤沢中の受験生にとっては基本事項のはず。
3つの弧の長さの和は直径24㎝の円周と等しくなりますね。
周りの長さは24×3.14になります。

(2)半円オと半円カの面積比が4:1なので
半円オと半円カの相似比が2:1になります。
相似比が
「半円オ:「半円カ」:「エ、オ、カを含む半円」=1:2:3になるので
面積比は
「半円オ」:「半円カ」:「エ、オ、カを含む半円」=1:4:9になりますね。
エの部分は
「エ、オ、カを含む半円」-「半円オ」-「半円カ」=9-1-4=4になります。
あとは
4÷1=4 で 4倍 ですね。

(3)これも典型的な設問ですね。
「コの面積」=「サの面積」
から
「コの面積」+「イ、サ、コ、オで囲まれた部分の面積」=「サの面積」+「イ、サ、コ、オで囲まれた部分の面積」
に気がつくかが勝負です。

「半円オ」の直径を1、「半円コ」の直径を2として
上の式の左辺の台形と右辺の三角形の面積が等しいことを利用して等式をたてると
「半円キ」の直径が2㎝になります。
「半円ク」の直径は22㎝にあるので、

相似比
「半円キ」:「半円ク」:「キ、ク、ケを含む半円」=2:22:24=1:11:12
面積比
「半円キ」:「半円ク」:「キ、ク、ケを含む半円」=1:121:144
ケの部分の面積は
144-1-121=22
になるので、
22÷1=22
で、22倍になりますね。

[5]流水算

比ではなく、速さや距離が実数で示されているので戸惑うことはないはず。
(2)と(3)は速さというよりむしろ船Aと船Bの動き方を調べていくことがポイントになる問題ですね。

設問を解く前にざっと数値の確認をしておくことが大切です。
PQ間の距離は25㎞。
荷物を載せた船の時速は 上り10㎞、静水時12㎞、下り14㎞
荷物を載せてない船の時速は 上り16㎞、静水時18㎞、下り20㎞
使わない数値もありそうですが、先にこれを書き出しておくとよいでしょう。

(1) 上記の数値を用いて、
25/10+25/20を計算すると、3時間45分になります。

(2) 問題文をよく読んで、船A 船B がそれぞれどの時刻にどこにいるか丁寧にしらべましょう。
上りには2.5時間、下りには1,25時間かかることを利用します。
ダイヤグラムを使ってもかまいませんが、書き出すだけでも対応できます。

船A
8:00 P
10:30 Q
11:45 P
14:15 Q
15:30 P
※船Aは2往復運航することになる

船B
10:00 P
12:30 Q
13:45 P
16:15 Q
17:30 P
※船Bは2往復運航することになる

2つの船が最後に出会うのは、「Pを13:45に出発する船B」と「Qを14:15に出発する船A」が出会うときになります。

あとは旅人算の向かい合わせのパターンの問題として解くことができますね。

(3) これも丁寧な書き出しが必要な設問です。
まず、「船着き場を閉める時間を2時間遅らせる」と船Aと船Bの運行状況は以下のようになります。

船A
8:00 P
10:30 Q
11:45 P
14:15 Q
15:30 P
18:00 Q
19:15 P
※船Aは3往復運航することになる

船B
10:00 P
12:30 Q
13:45 P
16:15 Q
17:30 P
※船Bは2往復運航することになる

船Bの運行状況は変わりません。

次に、船Cの運行状況

船C
09:00 P
11:30 Q
12:45 P
15:15 Q
16:30 P
19:00 Q
20:15 P
※船Cは3往復運航することになる

船A、船B が一往復で運ぶ荷物を「1」とすると、船Cが一往復で運ぶ荷物は「1.5」になる。

はじめは 船A、船Bがそれぞれ2往復していたので、運べる荷物の量は「4」。

会社が対策をとったあとは
船Aは3往復、船Bは2往復、船Cは3往復なので
「3」+「2」+「1.5」×3=「9.5」の荷物を運べる。

あとは  「9.5」÷「4」を計算すれば正解にたどりつけますね。

合否を分けた一題

本年度で合否を分けた一題は[6]かなと思います。
立体図形と相似からの出題で、一見難しそうです。
しかし、(1)を解いていく際に設問の図2に電灯からの光の線を書き込むことでかげがどうできるかを判断し、かげがどこにできるのかを図1に書き加えていけば、比較的短時間で正解を導けるはずです。
また(1)で正確かつ丁寧に図を描いていればそれを(2)以下で流用することができるため、処理する量をかなり減らすことができます。

では、いってみましょう。

[6]立体図形と相似

(1)以下の白い3×3の格子を面アとします。

面ア
□□□
□□□
□□□

すると、Aに電球があるときに影になる部分は以下の■になります。

電球がAにあるとき
■■■■■■
■■■■■■
■□□□■■
■□□□■■
■□□□■■
■■■■■■

よって、6×6-3×3=27㎠になります。

(2)電球がA、B、C、Dにあるときの影をそれぞれ確認します。
前の設問で用いた図を90度ずつ回転させていくと簡単ですね。

電球がBにあるとき
■■■■■■
■■■■■■
■■□□□■
■■□□□■
■■□□□■
■■■■■■

電球がCにあるとき
■■■■■■
■■□□□■
■■□□□■
■■□□□■
■■■■■■
■■■■■■

電球がDにあるとき
■■■■■■
■□□□■■
■□□□■■
■□□□■■
■■■■■■
■■■■■■

ずっと照らされている部分は上記の4つの図で電球がどこにあっても影になっている部分、すなわち3×3の面アの周りの5×5の格子の部分になります。
よって、
5×5-3×3=9㎠ になります。

(3)電球のあかりによって0秒以上1秒以下かげになる部分は、
「上記の4つの図で1度だけかげになっている部分」になります。
その部分は、以下の7×7の格子の角の☆部分です。

☆■■■■■☆
■■■■■■■
■■□□□■■
■■□□□■■
■■□□□■■
■■■■■■■
☆■■■■■☆

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