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国語の合否を分けた一題

暁星中入試対策・国語の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

A…暁星中合格を目指すなら、確実に得点したい問題。標準的な知識問題など
B…やや難度が高く、論理的思考力で文脈をとらえることが求められる問題
C…かなり難度が高く、失点しても致命的ではないが、正解すると得点差がつく問題

問1 A 問2 AB BB CB 問3 B 問4 A 問5 A 問6 A 問7 B 問8 A 問9 A 問10 A 

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

今年度の暁星中学は例年同様、物語文一題構成でした。物語中にある漢字が10問出題されます。設問は記述問題主体ですが、数問は記号問題が出題されます。記号問題は5択、表現は文章の言い換え率が高く易しいとはいえません。一方の記述問題は〇がとれるレベルのものもあり、暁星中は、やはり記述で合否が分かれると言えます。最後に課題作文が出題されるのも、暁星中の国語の特徴といえます。

問1

漢字の書き取り 
物語文中から出題という条件があるため、ときにはとても難しいもの出ますが、基本的には平易な漢字ばかりです。全問正解が求められます。

問2

言葉の意味
選択肢の表現がかなり練られています。特にA「おそれおおい」は表象的な言葉の理解では落とすこともあります。線の前後を深く考えてから選ぶ慎重さが必要です。

問3

主人公の心情記述
何に対し「あいまいに笑う」のかをまず考えます。直前のできごとをおさえるのですが、この時に自分が抱いていた思いと、それに対する相手の反応をまとめる必要があります。これを、長くても50字程度にするのはかなり骨の折れる仕事です。そのうえで、線の直後の行動も鑑みた心情を考えて書く。暁星中学から、本当の国語力があるかを問われていますね。

問4

主人公の心情の理由
正解の選択肢の抽象度が高い(本文の言葉で書かれていない)一方で、他の選択肢は具体的なので、正解を選ぶことはできるでしょうが、自信をもって、という感じにはいかないでしょう。しかし、選び方はいつも一緒です。いくつかの部分に分けた選択肢を、個々に本文と照らし合わせ、合っているか、違っているかを確かめていくのです。

問5

主人公の受け止め方の記述
後ほど、合否を分けた一題で、詳しく説明します。

問6

主人公のイメージ想起の理由記述 
ヒロシと同じチームで走る可能性が直前のできごとに書かれたうえでの線部です。線の中に「ヒロシの完ぺきな走り」とあることから、また、直後に「おれがそのチームに入っちゃったら、足ひっぱっちゃうもん」「走哉のあせった目」あることから、ヒロシと自分の実力差を思い知るイメージ想起だったと言えます。線の中にある言葉で、答えの方向が見える記述です。〇に近い点数を取りたい問題です。

問7

主人公が思わず答えてしまった理由
線の中の「滑り落ちた」という表現から、また続きを読んでも、本心ではないことを言ってしまったことが読み取れます。ではなぜ本心ではないことをしてしまったのか。ここからが暁星が求めていることです。直前のできごとに注目です、走哉が毎朝走っていたことを知られていた、そして走ることが好きなんだと言われたことに、走哉は居心地が悪くなっています。走哉の恥ずかしさや申し訳なさが感じられます。そして、自分をほめる言葉の途中で、言葉が滑り落ちます。ただし、選択肢の言い換えが激しく、簡単には選べない問題です。

問8

主人公の心情記述
直前「首もとがすうすうした。頭皮がざわざわする。金メダルなんて、別にほしくねえし」、直後「やっぱり、康介に断る」という表現からヒロシに侮辱されたことへの怒りが答えの中心と分かります。それに、もともと補欠に対し後悔していたことも付け足します。ここが差のつく部分です。

問9

主人公の動作の理由記述
「くちびるをかみしめた」という表現から「くやしさ」は容易に発想できるでしょう。くやしさを引き起こしたできごとの正確な記述が勝負です。直前の内容で本当に思っていることと思っていたいことを具体的に書けば正解となります。

問10

課題作文 
暁星中学を目標としてきた人が頑張ってきた記述練習が花開く場です。努力の継続しかこの問題で正解を勝ち取る術はありません。先生の指導の下、頑張っていきましょう。

合否を分けた1題

今回は問五を取り上げます。物語の記述の基本パターンである「根拠となるできごと+気持ち」という形の、「できごと」の要素をどれだけ入れられるかがポイントの問題です。

問5 主人公の考えの根拠

―線③「『あっ、走哉が出たいって』」について、走哉はこの陸の言葉をどのように受け止めているか。五十字程度で説明しなさい。

解き方の手順
まずは「どのように受け止めているか」を考えます。線部の直前に「余計なこと」、直後に「お、おい。陸」と陸の発言に戸惑いを感じさせる言葉を発していることから、「言ってほしくなかった」言葉であったとわかります。

それはなぜでしょうか。

さらに後ろに、「『えっ?走哉が?』 また同じ反応だ。しかも。かおりから。あっという間に、耳まで赤くなった。」と書かれています。線部「あっ、走哉が出たいって」という陸の発言もふまえて、この部分をまとめると、「走哉が駅伝大会に出たがることは、みんなが驚くことである。走哉はそれをわかっていたので、恥ずかしい思いをしている」とできます。

なぜか?

走哉は走るのが早くないからです。
このことは、ヒロシのチームに誘われたときに、「おそれおおい」と考えたり、「足ひっぱっちゃう」という発言したりしていることから読み取れます。

また、今話し相手になっているのはかおりです。かおりとはどのような人なのか?

線部の少し後に「かおりのこと、ちょっと気に入っていた」とあります。
なので恥ずかしいのですね。
これらを根拠となる出来事としてまとめます。

少し気に入っていたかおりに、早くない走哉が駅伝に出たいと知られるのは恥ずかしいので、陸は余計なことを言った。(54字)

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