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国語の合否を分けた一題

フェリス女子中入試対策・国語の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

A…フェリス女学院中合格を目指すなら、確実に得点したい問題。標準的な知識問題など。
B…やや難度が高く、論理的思考力で文脈をとらえることが求められる問題。
C…かなり難度が高く、失点しても致命的ではないが、正解すると得点差がつく問題。

問一 ア A イ A  問二 A  問三 B  問四 B  問五 B
問六 B  問七 C  問八 B  問九 C  問十 B
問十一 B 問十二 A  問十三 A  問十四 B  問十五 B
問十六 B 問十七 B  問十八 B
問一 B  問二 B  問三 B 
1 A  2 A 
すべてA

問題別寸評

一は例年通り、物語文の文章読解問題でした。出典は下村湖人の「次郎物語 第一部 十五 地鶏 / 十六 土橋 」です。
主人公の「次郎」は日ごろから、兄の「恭一」や弟の「俊三」に比べて、母や祖母から不当な扱いを受けていると感じています。そんな中、鶏同士の争いに出くわし、果敢に戦いに挑んだ若い鶏のように、今後は祖母や母に抵抗しようと決意します。そして本文の最後は、「恭一」をいじめている上級生たちに立ち向かっていく場面へとつながります。

これまでの入試でもよく出題された文学作品ということもあり、場面は違っていても塾のテキスト等で読んだことはある人は多いでしょう。本文内容もさほど複雑ではありません。
とはいえ、「母や祖母が息子の『次郎』に愛情を注いでいない」という設定は特殊だといえますし、また、「次郎」がいじめっ子に立ち向かう目的が兄の「恭一」を助けるためではないなど、典型的な展開ではないため、ていねいに読み進めていく必要があるでしょう。

問一

本文で用いられている語句の意味と同じものを選ぶ問題です。単純に意味を問うのではなく、例文で正しく使われているものを選ぶ形式なので、難度は高めです。
アの「おうぎょう(=おおげさ)」、イの「はばかる(=遠慮する)」は中学入試でもよく出題される重要語句なので、しっかりと覚えておきたいところです。

問二

家族構成を問う問題で平易です。本文を初めて読む際に、登場人物(「恭一」「次郎」「俊三」など)にマルを付けるなどしておきましょう。

問三

「もどかしい」とは「自分の思い通りにならなくていらいらする」という意味です。傍線部の前に「地鶏の首毛の立ちぐあいが、しだいに勢いよくなってきた」とありますが、それでもなお、思い切って戦ってみる勇気がない地鶏に対して、「次郎」は歯がゆく思っています。

問四

傍線部中にある「わざわざ」「ぬけぬけと」という表現から、「次郎」が「祖母」に対して否定的な気持ちを抱いていることが分かります。この場合の「否定的な気持ち」とは、他の兄弟たちに比べて自分だけが不当な扱いを受けているという気持ちです。

問五

問四の傍線部と場所が近く、連動した問題といえます。傍線部直前に「そんなときの次郎の無念さといったらない」とあります。「誰に対する、どのような無念さか」を考えれば、さほど難しくない問題です。

問六

傍線文中の「ふたり」とは「祖母と母」を指します。この二人が「ぼく(次郎)のためになにを心配するのだ」と「次郎」は言っています。二人の気持ちは「次郎をのけ者にしよう」とするものですから、それに該当する箇所を探しましょう。

問七

傍線部に「こんなこと」という指示語が含まれていますから、まずは指示語の内容を確認しましょう。それまでの様々な出来事を思い出して、「次郎」の気持ちが沈んでいくことが描かれています。自分だけが肉親(祖母や母)の愛情を受けられないことをつらく感じているのです。

問八

これまでの展開も踏まえて考えましょう。今まで若い地鶏は老レグホンに戦いを挑めず、その勢いに屈してしまっていたのです。その地鶏が意を決して戦おうとしています。そこから、不利な状況にある地鶏を「次郎」自身に重ね合わせていると考えられます。ですから、地鶏の攻撃が不発だと、まるで自分のことのように悔しがっているのです。

問九

少し紛らわしい問題です。
傍線部の前に「次郎はきゅうに勇壮な気持になった」とあります。老レグホンとの戦いに勝利した若い地鶏を目の当たりにし、自分も意志さえあれば現状を打破できると考えたのです。傍線部より3行前の「老英雄(※老レグホンを指します)は、夢にも予期しなかった若い反逆者(※若い地鶏を指します)のために、そのながいあいだの支配権をうばわれて、ひっそりとかき根に身をよせている」という描写も、問題を解くヒントになるでしょう。

問十 

問九と連動しています。傍線部後の展開を考えて選択肢を選びましょう。「次郎」はこの時以来、「祖母」や「母」にあからさまに逆らうようになります。今まで自分をしいたげてきた人たちに挑もうと決心したのです。

問十一 

傍線部に含まれる指示語である「それ」の内容を確認しましょう。傍線部の前に書かれているように「恭一や俊三が次郎のそばに寄り付かずちょっかいを出してこないので、不当な扱いを受けることもなかった」ということです。「せっかく戦う決心したのに…」と思う一方で、前よりも良い状況ではあると思ったのです。

問十二

物語文の典型描写です。傍線部のように、うめの実がなる季節になったことを描くことで、時間の経過を表しています。

問十三

傍線部直前に「真智子のしょんぼりした姿が、どうしても彼(=次郎)をおちつかせなかった」とあります。この場面では、いじめられている「恭一」を助けようと思ったのではなく、ひそかに好意を寄せていた「真智子」に悲しい思いをさせたくなかったから、上級生たちをおしのけたと考えられます。

問十四

問八にもあったように、「次郎」は若い地鶏と自分を重ね合わせています。若い地鶏は勇気をもって老レグホンに挑んで勝利したのですから、自分もやれないはずがないと思っています。

問十五

「次郎は、しぼった着物を帯でくくって肩にかつぐと、はだかのまま、みんなの先頭に立って、軍歌をうたいながら帰っていった」という表現から、「次郎」の気持ちを考えましょう。いつもなら「真智子」は「恭一」と仲良く帰るのに、今はその二人を従えた形になっているのです。しかも、勇ましい軍歌も歌っていることも併せて選択肢を選びましょう。

問十六

空欄の直前の文をヒントにします。「恭一とけんかをしてみようなどという気は、そのときには、彼の心のどのすみにも残っていなかった」とあります。それは、いじめられていた「恭一」を助けたのは「次郎」なのだから、二人の力関係がはっきりしたということです。もはや「恭一」はけんかの相手にならないと思ったわけです。

問十七

「次郎」の性格を端的に説明する問題です。解答欄の大きさから推測すると一語でよいようです。他の兄弟とのけんかに負けることに納得がいかないことから「負けず嫌い」「勝気」な「次郎」の性格が分かります。また、いじめっ子と取っ組み合いをしたときに、いじめっ子の着物をつかんだまま、わざと橋の上から落ちるなど「向こう見ず」な一面も見られます。

問十八 

フェリスの大型記述は大きく分けて「意見型記述(「あなたはどう思いますか」という問い)」と「創作型記述(「このあとの展開を考えなさい」という問い)」があります。いずれも、内容そのものよりも「文章構成力」や「日本語運用能力(文法的に正しく文章が書けているか)」を問うています。
この場合なら、「祖母」と「母」を必ず登場させるという条件ですから、「次郎」のことをさらに叱責するか、もしくは、「恭一」を助けたので愛情を注ぐようになっていくか、という流れが妥当でしょう。ちなみに、原作では「真智子の母」が訪ねてきて「次郎」のことをほめる場面が続きますが、もちろん、そのことを書く必要はありません。

論説文で、出典は野矢茂樹の「哲学な日々―考えさせない時代に抗して」です。「『考える』とはどういうことなのか」を説明しています。一の物語文が長かったためか、二の論説文はかなり短く、テーマも分かりやすかったため、解く時間はかからなかったのではないでしょうか。15分以内で解き切りたいところです。

問一

筆者の言う「考えるとはどういうことか」を本文全体の内容をふまえてまとめる問題です。こうした要約型の記述は、具体例をまとめた箇所(一般化された箇所)を解答要素として使うのがポイントです。3段落に「待つことこそ考えることにほかならない」とあります。また、4段落には「問いのきん張を持続させ」と、5段落には「かかえこんだ問いの観点から、すべてを見、すべてを聞く」と書かれています。このあたりをうまくつなぎ合わせて解答作成するとよいでしょう。

問二

「現代」の問題点について書かれている段落は6段落しかありません。「分からないことがあると…」以降の箇所をまとめればよいでしょう。さほど難しい問題ではありません。ただし、40字以内という字数制限があるので、本文の語句を丸写しするのではなく、ある程度、自分の言葉でまとめる必要があります。

問三

後ほど「合否を分けた一題」で解説します。

修飾語・被修飾語の問題で、標準的なレベルです。「つなげて読んでみて意味の通じるもの」を選びましょう。
フェリスは文法的な問題をたびたび出題していますので、塾のテキストに載っているような典型問題はきちんと解けるようにしておきましょう。

漢字の読み書きです。すべて小学生で習う漢字ですので、全問正解を目標としたいところです。ただし、「もぞうひん(模造品)」「白昼夢(はくちゅうむ)」あたりは、差がつく問題でしょう。

合否を分けた一題

本年度のフェリスの問題は、突出して難解なものや解きにくいものはありませんでした。「本文の内容がしっかりとつかめていれば、きちんと解ける問題」で構成されているといえましょう。

今回は「合否を分けた一題」として、二の問三を解説しましょう。

本文の空欄に当てはまる文章を自分の言葉で考える問題です。文字数の指定はありませんが、解答欄一行に収まるように答えなければいけません(「二行以上書いてはいけません」という指示があります)。傍線部問題と同様に、空欄の前に着目しましょう。

空欄直前に「私たちも、考えるためには」とあります。「も」とあることから、だれかと並立して述べているわけです。それは、さらに前の文に書かれている「数学者の高木貞治」という人です。

[数学者 高木貞治]
第一次世界大戦で専門書や論文が手に入らなくなった
→そのおかげで自分の考えに沈潜することができた
「沈潜」は小学生にとっては難解語句ですが、注釈はついていませんでした。字面で何となく意味が類推できれば十分でしょう。
「沈潜」とは「落ち着いて深く考えること」という意味です。

では、これらを「私たち」の場合に置き換えてみましょう。
現代社会は多くの情報があふれている
→取捨選択して自分の頭で考える必要がある

上の解答パーツをつなぎ合わせて「私たちも、考えるためには」につながるように解答作成します。

(記述解答例)現代社会にあふれている情報を取捨選択しなければならない

ちなみに、原文では「少し情報を遮断しなければならない」となっています。この通りに書くことは不可能だと思いますが、近い内容であれば正解となるでしょう。

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