[1] | 1 A 2 A 3 A |
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[2] | 1 A 2 A 3 A 4 A 5 B |
[3] | 1(1) A (2) A (3) A 2 A |
[4] |
1(1) A (2) A (3) A 2(1) B (2) A (3) A (4) A (5) B |
[5] | 1(1) A (2) A 2 A 3 A 4 B |
A:フェリス女学院中学校合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:やや難しく差がつく問題
C:難問
2017年度のフェリスは、例年通り、実験や観察を通して、基本的知識を問う問題が中心です。
物理分野の問題は、豆電球のつなぎ方を作図する問題。
生物分野の問題は、植物の芽生えと成長の実験から、結果を考える問題と、冬越しの仕方についての知識の問題。
地学分野の問題は、天体全体、特に星座や天の川の見え方を確かめる問題。
化学分野の問題は、熱の伝わり方と膨張についての実験からわかることを考える問題。
フェリス特有の記述の多さは、今年は特に顕著で、根本原理の理解に基づいた、過不足のない表現が求められます。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、理科的な視点で考える姿勢をもつことが大切です。また、原理原則を理解・確認したら、そうなる理由を、人に伝えるつもりで書き出してみましょう。普段から記述に慣れておくことで、記述にかける時間を短縮できるようになります。
問題構成は、4分野から大問5題、小問37問。
解答形式は、言語が11問、記号選択が9問、作図が4問、記述が12問、数字が1問。
記述は、いずれも20~50字程度の回答欄が準備されていて、字数の指定はありません。
計算は、桁の多い数字の計算が1題だけでした。
選択肢は、基本の知識ばかりで、迷うようなものではありませんでしたが、ほとんどの問題が、選んだ理由を書かせる記述がセットになっています。ここで時間がとられることを想定して、すばやく処理するよう心がけましょう。
(物理)豆電球についての問題です。
3つの豆電球と乾電池のつなぎ方を、実験の結果から推定して、図にかく問題です。豆電球と乾電池の端子を、線で結ぶだけですが、導線どうしが交差しないように、注意します。
アとイは並列つなぎ、ウは、ア・イそれぞれに直列につながっています。
ア~ウは、並列につながっています。
イとウは直列、これにアが並列につながっています。
(生物)モヤシに関する問題です。
ダイズの芽生えと成長について、実験の結果を予想させる問題です。どれもごく基本の問題なので、確実に解答できるようにしましょう。
ダイズなどマメ科の植物は、発芽のための養分を、子葉に蓄える無胚乳種子です。
発芽に必要な酸素が十分ではありません。
成長に必要な養分は、光合成によって作り出します。光が不十分なとき、光を求めて背たけがのびます。
花をつけるためには、たくさんのエネルギーが必要です。ふつう、光合成ができないと、花をさかせることはできません。
発芽には、適当な温度と水と空気が必要です。冬であっても、モヤシを育てる上では、光は必要ないので、室内で発芽させることができます。また、温泉地であることから、温泉の熱を、利用できます。
(生物)動物の冬越しに関する問題。
冬越しは、取り上げられることが多いテーマなので、今一度確認しておくとよいでしょう。
どこで、どのようなすがたで過ごすのかを、簡潔かつ具体的にかきます。
季節によって変わることとして、日照時間があげられます。昼や夜の長さの変化によって、花をつけるるなどの変化がおきる植物が少なくありません。
(地学)銀河系に関する問題。
天体が見えるのはなぜかというテーマにそって、恒星とそれ以外の天体について考えます。
(1)発光する生物には、ホタル・ヒカリゴケ・ホタルイカ・チョウチンアンコウ・ヤコウチュウ・発光細菌などがあります。
(2)①は恒星です。②は惑星や衛星などをあげます。
(3)地球照は、月から見た地球が丸く光って見える「満地球」に近い時期に強くなります。これは、新月の前後の27日から3日月のころで、肉眼でも確かめることができます。
(1)→合否を分けた1題参照。
(2)図3に「夏の大三角」とあります。夏の大三角は、夏の真夜中ごろに南中します。
(3)・(4)夏の大三角をつくる星は、こと座のベガ(おりひめ星)、わし座のアルタイル(ひこ星)、はくちょう座のデネブです。
(5)地球から見た銀河系は、天球をぐるりと一種する白い帯のように見えます。地球の公転面上の、冬の位置は銀河系のはしに近く、夏の位置が銀河系の中心に近くなっています。
(化学)熱に関する問題。
熱の伝わり方の実験を導入として、加熱したことによって、起きることがらについて考えます。
オーソドックスな、熱の伝導の実験です。
(1)ガラスより銅の方が、熱伝導率が高くなっています。銅の鍋は、焦げにくいのもこのせいです。
(2)伝導においては、熱が伝わるまでにかかる時間とq、距離と比例します。
金属は、ガラスに比べると、熱を伝えやすいだけでなく、加熱したときの膨張率も大きくなっています。びんを加熱すると、ガラス容器より、金属のふたのほうが大きく膨張し、そのちがいから隙間ができて、ふたが開けやすくなります。
これも、よくある対流の実験です。理由の記述では、「あたためられて膨張」「軽くなって上昇」「まわりから流れ込む」といった、キーワードを落とさないように注意しましょう。
試験管の中には、空気が入っています。これを下半分からあたためると、対流がおきて、試験管の中の空気全体の温度が上がります。空気は温度が上がると膨張し、試験管内の圧力が高くなります。この圧力に、ゴムせんが耐えられなくなると、外れてしまします。
本年度理科の唯一の計算問題です。もともと、フェリスの計算問題は、複雑なものはなく、データーの数字を整理する程度のことが多いのですが、この問題では、桁数が多く、煩雑に感じた生徒もいたかもしれません。落ち着いて計算し、桁数が合っていることを確かめることが大切です。
1光年は、1年間に光が進む距離です。光の速さは、1秒当たり30万kmなので、
30万(km)×60(秒)×60(分)×24(時間)×365(日)=946080000万(km) より、約9兆5千億kmになります。