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理科の合否を分けた一題

城北中入試対策・理科の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問1 A  問2 A  問3 B  問4 A  問5 A  問6 B  問7 A
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A
問1 B  問2 A
問1 B  問2 B  問3 B

A…城北合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2019年度の城北も、例年通り、大問ごとに物理、化学、生物、地学の順に出題されました。計算よりも知識を問われる問題が多かった一方で、一般的な知識を手掛かりに考える応用問題が多く、それができたかどうかが合否の分かれ目になったという印象です。
また70点満点で受験者平均点は45点、合格者平均点は50点とあまり差もなく、今年の理科は一問の重みがあったように思います。

物理分野の問題は、定滑車とてんびんの組み合わせの問題。
化学分野の問題は、銅の酸化と実験器具の使い方の問題。
生物分野の問題は、目のはたらきについての問題。
地学分野の問題は、火山に関する問題でした。

今年も例年通り大問1で力のつり合いから出題されました。力学にはてこ、てんびん、ばね、ふりこ、滑車、輪軸、浮力とありますが、ものが動くということはどこかに力がはたらいているはずです。どの単元も苦手や穴を作らず、根本原理を理解し、基本問題はスラスラ解けるくらいにしておく必要があるでしょう。
大問4は火山から出題されましたが、白っぽい溶岩と黒っぽい溶岩の含有物の比率に加えて粘り気まで出ました。一つのことを覚えるだけでなく掘り下げて結び付けて覚えておく必要があります。普段の学習をする際は、基礎を固めたうえで、一つ上の問題にも対応できる応用力も身に付けられるよう、知識を貪欲に吸収し、演習を重ねましょう。

問題構成は、4分野から大問4題、小問31問。
解答形式は、選択肢が18問、数字が7問、言語が3問、記述が1問でした。
選択肢は基本から少し難しいものまで幅広く知識が問われる問題が出題されました。
数字は問題の意味がしっかり把握できていれば難しい問題ではありませんでした。
言語は目のはたらきについてでしたが、目に限らず人体のつくりとはたらきは覚えておきたいところです。
記述は一言程度でしたが、わかりやすく、キーワードは必ず入れて書きましょう。
また、試験時間の40分は問題量から考えて、余裕があると思いますので、ひとつずつ着実に解きましょう。

問題別寸評

(物理)定滑車とてんびんの組み合わせの問題。
定滑車は力の向きが変わるだけで、重さはそのままです。棒の重さがどの向きにどのくらいかかっているか考える問題です。実際にこのような実験を行うことはありませんが、今まで勉強した内容から推測して考えることができます。一つずつイメージしてみましょう。

問1

おもりの重さ以上の力で引けば持ち上がり、それ以下では床に付きます。

問2

もともと定滑車は力の向きを変える装置です。下に引くものを上に引いても横に引いても力の量は変わりません。

問3

おもりが床に付いた状態であるなら、おもりの重さ以下の力でないと持ち上がってしまいます。

問4

おもりが持ち上がるということはそのおもりの重さと同じ力が上向きにかかっているということです。イメージしにくいですが、床が上皿ばかりになっているとしてそのはかりが0gを示しているときを考えます。

問5

左側が床についているので、棒の重さを床と糸で持っていると考えます。
ちょうど半分ずつ持っている状態です。

問6

おもり以上の重さでは床から離れてしまいますし、おもりの半分以下の重さでは右側も床についてしまいます。

問7

棒の真ん中に糸がついて水平になっているのなら、真ん中の糸が棒の重さをすべて持っている状態です。

(化学)銅の酸化と実験器具の使い方の問題
多くの金属は熱すると酸素と結びつきます。皿の重さと、もともとの銅の重さ、酸化銅になったときの重さから、何g酸素と結びついたのか考えましょう。
また、石炭や木、ろうなど、加熱し続けなくても燃焼するものには炭素や水素が入っています。加熱すると炭素や水素は酸素と結びつき、二酸化炭素や水になります。そのとき、もとの重さより軽くなるということを考えましょう。

問1

銅は赤銅色で赤色ともいいます。加熱してできる酸化銅は黒色です。

問2

今回はガスバーナーの使い方でしたが、H.29には乾湿球湿度計が出題されています。
アルコールランプ、顕微鏡、上皿てんびんなどは各名称や使い方の手順を覚えておきましょう。

問3

実験前と後のステンレス皿の重さを引きましょう。

問4

1.2gの銅が加熱後、酸化銅になると1.5gになっていることに着目し、比で求めます。

問5

ほとんどの金属は加熱すると酸素と結びつき、酸化します。

問6

加熱して重くなるのは酸素と結びつく物質です。木や石炭には水素や炭素が含まれていてそれ自身が燃えて、空気中に二酸化炭素や水蒸気として出て行ってしまうため、加熱後は軽くなります。

(生物)ヒトや昆虫の目のはたらきについての問題。
人の目の仕組みや昆虫の見えている光の種類についての問題でした。
目に限らず耳や肺、小腸のつくり、関節と筋肉、消化や血液の循環など
ヒトのからだのつくりで覚えたものを手掛かりに、会話文を分析して答えましょう。

問1

目に入ってきた光が視神経に行くまでどのような過程を経ているのか考えましょう。
カメラなどのつくりと同じように、暗いところではどこを大きくすれば光が取り込めるか、明るいところではどこを小さくすれば眩しくないのか想像しましょう。

問2

会話文のおじさんのセリフとグラフ下の可視光線の説明に着目します。
そこから見当を付け、虫が集まりにくいが人からは明るく見えるあかりにするためにどのような工夫がされているか考えます。

(地学)火山に関する問題。
今回の地学分野の問題は特に知識を求められました。空欄に入ることばは前後に組み合わされる言葉がヒントにはなっていましたが、語句そのものを覚えていないとすぐには出てこなかったかと思われます。空欄補充の文章全体もヒントになっていたため、図と言葉を手掛かりにして考えます。

問1

火山が噴火するメカニズムと噴火による噴出物、溶岩の種類や溶岩別の火山の作られ方、それに伴う用語の空欄補充です。空欄の前後もヒントになっていましたので、そこから覚えていることを手掛かりに考えます。

問2

火成岩を探します。堆積岩とともに名称を覚えておくとできる問題です。

問3

粘り気が少ない場合、噴火回数はどうなるか、ためこみやすいかどうか、頭の中でイメージできているかどうかが解くための手掛かりになります。

合否を分けた1題

全体的にほとんどが、理科の基礎的なことをまんべんなく覚えているかどうか。また覚えるだけでなくその知識を使って頭の中でイメージができるのかどうかが問われる問題が多かったと思います。
その中でも特に大問4がイメージしにくいと思い、この問題を取り上げました。

問3

16個の選択肢の中から1つだけが正解ですので、偶然正解することは困難な問題でした。
白っぽい溶岩は二酸化ケイ素を多く含んでいます。黒っぽいということは二酸化ケイ素の含有率が少ないということです。ただ、城北を受験されるお子様はここまでの知識は持っていらっしゃったと思います。粘り気までとなるとなかなかいらっしゃらなかったのではないかと思います。二酸化ケイ素はガラスの原料になります。
ガラス工房などで熱したドロドロのガラスに息を吹き込んでグラスなどの形にしていく様子をテレビや実際にご覧になることはあるかと思います。あのドロドロとしたガラスのようなものを多く含んでいれば粘り気も大きくなることは想像しやすいかと思います。
教科書を読んで、ただ言葉を覚えるだけでなく、赤銅色、白っぽい火山、黒っぽい溶岩、という言葉が出てきて、どんな色なのか疑問に思い、それを実際に調べてみるという姿勢が、今回の問題のように知識を手掛かりにイメージして解く問題に必要だったのではないかと思いました。

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