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算数の合否を分けた一題

豊島岡女子中入試対策・算数の合否を分けた一題(2020年度)

難易度分類

【1】 (1)A (2)A (3)A (4)A 
【2】 (1)A (2)B (3)A~B (4)A 
【3】 (1)B (2)B
【4】 (1)A (2)B
【5】 (1)A (2)A~B (3)A~B
【6】 (1)B (2)B~C (3)C

A:豊島岡女子合格を目指すなら必ず得点すべき問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題 ⇒ 合否を分ける問題
C:難易度や処理量から判断して、得点できなくても合否に影響しない問題

出題総評

今年も、大問1・2は計算および各単元からの小問集合が計8問、大問3~6は4つの単元にわかれて、という昨今の形式が踏襲された入試となりました。
詳細については大問1が計算1問+小問3問(場合の数・割合・数の性質)、大問2は文章題が3問と平面図形が1問、大問3は規則性の問題、大問4は2点の移動の問題、大問5は場合の数の問題、大問6は立体図形の応用問題でした。

問題別寸評

【1】
(1)計算問題

整数・小数・分数の順算です。
いたって普通の計算問題で、込み入った数値でもないので
確実に得点することが求められます。

(2)数の性質

長方形から正方形を切り取る問題です。
面積に注目して
200000㎠÷36㎠=5555枚 余り5㎠
と考えてしまうと不正解。
ちょうどぴったりの枚数を切り取ることができずに、余りが生じてしまう場合には
面積に注目して解くとこのように誤答につながります。
「たてにとれる正方形の枚数×横にとれる正方形の枚数」で
全体の正方形の枚数を求めましょう。
400cm÷6cm=66個 余り4cm
500cm÷6cm=83個 余り2cm
よって、 66×83=5478枚 となります。

(3)数の性質

既約分数の個数を求める問題です。
既約分数の問題における定石は「分母を素因数分解する」。
202=2×101 より、分子が2の倍数と101の倍数以外は既約分数となります。
ベン図で整理して確認してもよいでしょう。

(4)約束記号

約束記号が示す計算のルール・手順を読み取り、正しく処理しましょう。

【2】
(1)3量の分配算

線分図をかいて整理してもよいですが、ここでは式だけで処理してみます。
A=①とすると、B=②-3、C=③+13 と表すことができるので
①+②-3+③+13=100
⑥+10=100
⑥=90
①=15
より、Aは15本 となります。

豊島岡女子を目指すのであれば
このような「丸数字を含む等式の処理」をスムーズにできるように練習を積んでおきましょう。

(2)場合の数

【2】の小問集合のなかで最も得点しにくかったのが本問です。
すべて書き出そうとしても漏れが生じやすい、緻密さが問われる問題です。

桁数で場合分けして考えていきましょう。

          
類似問題として、桜蔭中2017年度(H29年度)大問Ⅰ(2)が挙げられます。本問より難易度は高めですが、ぜひ取り組んでみてください。

(3)時計算

長針が短針に重なる前と後に分けて考えるとわかりやすいでしょう。
重なる前:0~180°の範囲なので、とりうる8の倍数は180÷8=22 余り4 より22個
重なった後:0~150°の範囲なので、とりうる8の倍数は150÷8=18 余り6 より18個
よって、22+18=40回 です。

(4)平面図形

瞬殺のボーナス問題です。一見してすぐに「ヒポクラテスの三日月」だと気付きましたか?
色つき部分の面積は、直角二等辺三角形ABCの面積と等しくなります。
下の図のように、半分だけで出題されるケースもあるので、覚えておきましょう。

【3】速さと比

後ほど詳述します。

【4】平面図形と比

難易度は抑え目なので、合格のためには完答したい大問です。

(1)

AG:GEを求めるにあたり、△ADGと△EHGのピラミッド型相似がありますが、相似比がとれません。そこで、ADとFCを左方向に延長する(交わった点をPとします)“角出し”で処理します。
まず△PAFと△CBFのクロス型相似、次に△PDGと△CHGのクロス型相似の順に用いて、AG:GEを求めましょう。
もちろん、“角出し”ではなく、FからBCに平行な補助線を引く“内部平行線”で相似を作って処理しても構いません。

(2)

様々なアプローチの仕方があるので、まずは思いついた解答方針で解ききってみましょう。
そのあと、複数のアプローチの仕方を研究してみてください。

△ABEに着目するのが最短距離の解答方針でしょう。
△ABEと平行四辺形AECDの面積は、BE:(AD+EC)=1:1より、同じ面積です。
あとは、①△AFGと△ABE、△EGHと△ABE、それぞれ「エース型(三角形の先端部分は三角形全体の何分のいくつ?)」を利用する、②BGに補助線を引き、「双子山(高さが等しい三角形)」を利用する、どちらでも構いません。

【5】条件整理

2点の動き方の規則を正しく読み取れたか、この一言に尽きます。
リード文の太枠で囲まれた内容を読んだだけでは、点Qの動き方がなんとなくよくわからない。次の文からの、「例えば、・・・」以降の事例を読み、結局のところ「点Pが1周すると、点Qが正方形の1辺分を動く」という規則がわかります。
この規則を読み取れた受験生にとっては完答できる平易な大問、読み取れなかった受験生にとっては設問(2)(3)が苦しくなります。

設問(2)(3)においては、それぞれ
「点Qが頂点Bで3回止まる ⇒ 点Qが9辺分動く ⇒ 点Pが9周、つまり36cm動く」
「出た目の合計300 ⇒ 点Pは300÷4=75周 ⇒ 点Qは75辺分、つまり18周と3辺分動く」
このように考えを推し進めることができるかがカギです。

【6】立体図形

豊島岡女子の最終大問はほぼ立体図形。女子校の中では、立体図形の出題頻度、難易度、ともに群を抜いています。
今回の【6】は、「立方体の一部を切断し、その中に埋めることができる最大の立方体の1辺」がテーマ。類似問題を経験していたとしても、なかなか解き切れない出題です。枝問による誘導がないため、各設問とも自分で作図をしたうえでの処理となります。

(1)

正面から見た図(台形AEHN)に、埋まっている立方体の面を書き込むことで、平面だけで処理できます。
NからEHに直角に交わる補助線を引いて直角三角形を作ることで、お馴染みの「直角三角形に長方形が内接している問題」となります。

(2)

この設問も平面でとらえて処理しますが、長方形AEGCで考えることに気づけたでしょうか。そこに考えが至れば、真上から見た図で必要な長さの比はとらえることができるので、あとはクロス型相似で処理します。
立方体を対角線で2等分したときの切り口は、立方体切断の問題ではよく利用します。おさえておきましょう。

(3)

立方体が埋まった状態で、真上から見た図と正面から見た図で処理します。
高難度であるため、今回の入試においては合否に影響しない設問です。豊島岡女子の立体図形の最高難度がどの程度かを経験しておきたいのであれば、時間無制限で取り組んでみてください。現時点では保留にするのであれば、投影図を描いて考えるという手法そのものは忘れないようにしておきましょう。

合否を分けた一題

例年の豊島岡女子の算数は、基本的な問題が6割~7割を占め、残りの問題で差がつくセットです。ところが、2020年度第1回の算数は、基本的な問題が減り、受験者間で差がつく問題が多かったといえます。

合格者平均68.95点、受験者平均56.52点、その差は設問2つ分です。差がつく可能性があるところは、冒頭に示した【難易度分類】でのBないしA~Bにあたる問題。そのうち、【3】速さと比の大問を合否を分けた一題として取り上げます。

例年、豊島岡女子での速さの出題は、同じ偏差値帯の他校と比べると難易度は抑え目です。
この【3】も決して難易度は高くないのですが、一見すると各塾の平常授業テキストにはあまり収録されない「差の比例関係」が絡む問題であるため、戸惑った受験生がいた様子。でも、本問は「差の比例関係」をとらえなくても、いつもの「距離一定」「時間一定」の考え方で解くことができます。見た目に惑わされずに、これまで練習してきた解法をとれたかで合否が分かれたといえます。

(1)

「Aは往復で同じ速さ、Bは帰りが行きの1.5倍の速さで進み、かかった時間が同じ」ということから
Aの行き:Aの帰り:Bの行き:Bの帰り の時間の比がわかると判断できたかがカギです。

時間の比は、Bの行き:Bの帰り=3:2 ⇒ ⑥:④とする
Aの行きと帰りの時間は、それぞれ (⑥+④)÷2=⑤
⑥と⑤の差が10分なので、Aの行きが50分、Bの行きが60分とわかります。

(2)

設問(1)を解く過程で、設問(2)に必要な数値はすべて出そろっています。
7.5㎞を進むのに60分かかっているので、時速7.5㎞ です。

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