一 | A |
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二 | A |
三 | 問一 B 問二 B 問三 B 問四 B |
四 | 問一 A 問二 B 問三 B 問四 B |
A…芝中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
昨年同様に、大問一が音読みの漢字5問、大問二が訓読みの漢字5問、大問三が論説的文章、大問四が文学的文章という出題でした。芝中は2015年度から国語の出題内容をがらりと変え、抜き出し問題や選択肢問題の出題を無くし、全問が記述問題になっています。記述問題の全てに字数制限があるのも特徴的です。設問に「○○という言葉を使うこと」や「○○を明確にして」など、はっきりとした指示がある条件記述問題が多くなっています。自分が考えたことをなんとなく書くのではなく、設問の指示に従って書くことを常に意識しましょう。
音読みの漢字を書く問題です。
訓読みの漢字を書く問題です。
ロメオ・ダレール著 金田耕一訳『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』より
傍線部で述べられている本文の内容をまとめる問題です。この文章全体のキーワードになっている「第一世界」や「第三世界」について、本文の最後にある注で述べられているので、問題を解く前に必ず読んでおきましょう。第一世界=豊かな国々、第三世界=豊かではない国々であることが読み取れます。傍線部の「第一世界に住む私たちが当然のことであると思っているような環境」についての記述は本文に書かれているわけではありません。ですから、同じ段落の直前の文章をまとめたものがヒントになります。直前の文章には「人口の増加」「世界の富」「読み書きできない」「栄養不足」「安全な飲み水がない」「きちんとした家に住んでいない」「大学教育を受けていない」の七項目があります。ここから「地球に住む人びとのほとんど」が暮らしている環境について書いてあるところを選びましょう。そして豊かな第一世界に当てはまることなので、選んだことの逆の状況を書きます。その際、設問の指示に従って否定表現を使わないようにしましょう。
傍線部の原因となる状況を答える問題です。「彼ら」とは傍線部の3行前にある「第三世界の若者」であり、その「怒りの原因」は同じ箇所にある「未来への希望が見出せない環境で生きていくこと」にあります。「【人生】という言葉を最低一度は使う」という指示が設問にあるので、人生という言葉を使って「生きていく」を言い換えましょう。また、なぜ希望がないのか、その原因も書いてまとめましょう。
傍線部の原因となった筆者の経験を答える問題です。設問にある「<私たち>が何かを明確にして」という指示が大きなヒントになります。問一や問二と同様に「私たち」=「第一世界の豊かな国に住む人びと」、「彼ら」=「第三世界の豊かではない国に住む人びと」となります。この構図を頭に入れて傍線部を言い換えると、「第一世界に住む人びとは、第三世界に住む人びとを同じ人間だと信じていない(=差別している)」ということになります。このことを象徴する出来事は、最後の段落の一つ前にある「あるアメリカ人士官」や「ベルギー人」の発言です。この出来事をまとめて書きましょう。
傍線部で述べられている筆者の主張を詳しく書く問題です。問一で述べられている第三世界の人々の絶望的な状況、問三で述べられている先進国の人々の差別意識が大きなヒントになります。上記の2つを改善するために、先進国の人々が「しなければならない」ことを書きましょう。先進国の人々が、自分たちも第三世界の人々も「人間としての価値には違い」がないことを意識し、傍線部④の前にあるような「覚悟」を決めて、傍線部③の後にある具体的な行動で第三世界の生活状況を改善することが、<人間性の世紀>を作り上げることとなります。
相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』より
主人公の心情のきっかけとなった出来事を答える問題です。「誰が」「どうした」ことが主人公に影響を与えたのかを考えると、傍線部の前にある、「サエが保健室登校を卒業」したことが正解だと分かります。20字以上なので、その結果として主人公が孤独になったことまで書きましょう。
隠喩から主人公の心情の理由を答える問題です。設問に「<ぐちゃぐちゃになった卵>は<ナツ>のどうしてよいか分からない状態の比喩です」とあるので、ナツの心が混乱していることが分かります。短い字数で心情の理由を答えるので、きっかけとなった出来事を探しましょう。そうすると、長谷部先生の発言がきっかけにあたると分かります。発言の内容が主人公に与えた影響を書けば正解です。
主人公の心情を答える問題です。傍線部の後の長谷部先生の「なっちゃんは、だから泣いているんでしょう?」という言葉がヒントになります。泣いた理由にあたる、この言葉の直前の部分が正解です。
主人公の心情変化を答える問題です。合否を分けた一題で解説します。
主人公の心情変化を答える問題です。時系列に従って起こった出来事と心情変化を結び付けて書くには、記述の型を意識することが必要です。制限字数だけに目を向けてしまうと、「誰の」行動が「誰に」どういう影響を与えたのか、はっきりとした言及がないまま、だらだらと修飾語だけが増える記述になりかねません。受験生自身の思考を整理する力があるかないかでかなりの差がついた問題だと考え、合否を分けた一題として取り上げることにしました。
考え方
主人公の心情変化を、設問の条件に従って丁寧に答えていきましょう。設問に「当初の<ナツ>はどのような気持ちで」とあるので、まずそこを考えていきます。どういう出来事が起こって、その結果、ナツがどういう気持ちになったのかを書きます。問一の(ナツに起こった二つの出来事)が大きなヒントになります。
けんかをした後のナツの気持ちを本文の中から探します。長谷部先生とのやり取りでナツが「あたしは、教室なんて戻らないよ」と発言した後の独白に注目しましょう。
この二つの部分の内容をまとめてみます。
これが当初の<ナツ>の気持ちです。
次に、変化した後の<ナツ>の気持ちを書きます。きっかけとなったのは長谷部先生と話したことです。長谷部先生の「でも、サエちゃんにはきちんと謝りにいかなきゃ。なっちゃんは、だから泣いているんでしょう?」という発言の後で、泣いている自分を自覚したナツは「一つだけ確かな気持ちを見つけ」ます。「サエに会いたい。ごめんねって、言いたいよ。」という部分です。この部分を抽象化します。傍線部の「狭かった世界が開けた気がした」という表現は、ナツが広い世界に出ていく決意をしたことの比喩ですから、そこの部分も加えましょう。そうすると、変化した後のナツの気持ちが分かります・
当初のナツの気持ちと、変化した後のナツの気持ちをまとめます。
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