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理科の合否を分けた一題

青山学院中入試対策・理科の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

[1] (1) A  (2) A  (3) A  (4) B  (5)① B ②B
[2] (1) A  (2) A  (3) A  (4) A  (5) B
[3] (1) A  (2)① A  ② A  (3)① A  ② A  (4) A
[4] (1) A  (2)① A  ② A  (3)① A  ② B
[5] (1)① A  ② B  (2)① B ② A  (3) B

A:青山学院中等部合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:やや難しく差がつく問題
C:難問

出題総評

2017年度の青山学院は、例年通り、基本的知識を問う問題を中心に、思考力を必要とする問題がちりばめられている印象です。ただし、年々難易度が上がってきているので、注意が必要です。
小問集合では、青山学院特有の時事問題としてのノーベル賞をはじめ、基本の知識、論理的に考えるもの、雑学的な知識と、バラエティーに富んでいます。
生物分野の問題は、蒸散作用の基本的な実験と知識が扱われ、確実に得点したい問題となっています。
地学分野の問題も、川のはたらきの基本の問題となっていて、ここも落とせないところです。
化学分野の問題は、気体の性質について、少しひねった問い方のものもありますが、基本的なものとなっています。
物理分野の問題は、光の三原色について、規則性に基づいて考える問題が中心ですが、条件の読み取りや、ことばの解釈で戸惑った生徒もいたかもしれません。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるだけでなく、普段からテレビや書籍で科学関連の記事をチェックしておくこと。また、ノーベル賞や宇宙・気象・災害・環境問題などの時事問題にも、目を配りましょう。
一方で、表面的な知識ではなく、どうしてそうなるのかを考えながら、根本原理を理解しようとする姿勢が大切です。さらに、理解した事柄を使って、論理的に思考できるよう、演習問題にあたってみましょう。この際、過去問よりも少し上のレベルの問題にあたって、慣れておく必要があります。

問題構成は、4分野から大問5題、小問31問。
解答形式は、言語が8問、記号選択が21問、数字が2問。作図・記述はありませんでした。
計算は、原理さえ理解できれば、簡単な計算で出せるものでした。
選択肢は、「すべて」選ぶものが2問あり、注意が必要です。
試験時間は25分と、必ずしも十分ではなく、確かな知識力とすばやい判断力が必要とされます。

問題別寸評

[1]

(総合)定番の小問集合です。
時事問題は、必ず出るので、得点できるようにしておきましょう。

(1)

ノーベル賞を受賞した、大村智博士の研究に関する問題です。

(2)

地温・気温・太陽高度の変化に関する問題で、基本中の基本です。

(3)

ヘリウムは、水素の次に軽い気体で、安定しており、無色・無臭・無味・無毒です。

(4)

月面には空気がなく抵抗がないので、コインと木の葉は同時に落ちますが、重力が地球の1/6なので、加速がゆっくりです。

(5)

自然現象で「電気」といえば、静電気・かみなりです。フランクリンは、アメリカ合衆国の政治家であるだけでなく、外交官・著述家・物理学者・気象学者でもあります。

[2]

(生物)植物の蒸散に関する問題です。
ヒマワリの茎を使った、蒸散の実験です。基本の知識の問題です。確実に得点しておきたいところです。

(1)

ビニール袋の水滴は、ヒマワリの茎が赤く着色した水を吸い上げて、葉の気孔から水蒸気として出したものです。水の赤色は、道管を通りますが、気孔から出ることはありません。

(2)

「すべて」選ぶ、選択肢の問題です。蒸散のはたらきについて、丸覚えするのではなく、根本的なメカニズムを理解しておくことが大切です。

(3)

スイレンは、葉が水面に浮いているため、葉の裏側で気体の交換ができません。

(4)

道管と師管の位置は、基本中の基本です。取り違えないように、注意しましょう。

(5)

種子に脂肪を多く含むものには、他に、アブラナ・ゴマなどがあります。

[3]

(地学)川のはたらきに関する問題。
川の水の3つはたらきである、浸食・運搬・堆積について、基本的な知識があればとける問題です。

(1)

曲がっている流れでは、外側は浸食されてがけに、内側は堆積によって小石などが積り、川原ができます。

(2)

石灰岩は、炭酸カルシウムが主成分で、水中の生物(サンゴ・貝類・ウミユリなど)の殻が堆積してできる堆積岩です。土地の隆起によって陸地になると、川のはたらきによって、浸食・運搬され、再び海で堆積します。火成岩に比べるとやわらかく、酸性雨などの影響も無視できません。

(3)

基本の知識です。正しいことばで解答しましょう。

(4)

山から平野にでるところでは、急に流れがゆっくりになり、堆積作用が強くなります。このような場所では、よく扇状地が見られます。

[4]

(化学)気体の性質に関する問題。
代表的な5つの気体についての問題です。基本的な性質(発生方法・重さ・水に対する溶けやすさ・水溶液の性質など)がしっかり身についているかを確かめる問題です。

(1)

ガラス板をはずしただけですので、空気とふれあう状態です。化学反応か起きることは考えにくいので、一部が空気中ににげて、入れ替わったと考えます。空気と入れ替わって、重くなったのですから。入っていた気体は、空気より軽い水素とアンモニアであったと考えられます。

(2)

① 水素と酸素は、水にほとんど溶けないので、水は中性のままなので、あてはまります。塩化水素の水溶液の塩酸と、二酸化炭素の水溶液に炭酸水は、酸性です。アンモニアの水溶液のアンモニア水は、アルカリ性です。
② 亜鉛は、塩酸にとけて、水素を発生します。

(3)

① 表から、60℃の水100mLに溶ける二酸化炭素の体積は36mLなので、はじめ、36+64=100(mL)溶けていたことがわかります。
② 気体は、温度が低いほど、水によく溶けます。二酸化炭素を100mL溶かすことができる温度は、0℃と20℃の間です。20×117-100117-88≒11.7より、イを選びます。

[5]

(物理)光に関する問題。
光は、電磁波の一種で、基本的には、人間の目の網膜を刺激して明るさを感じさせるものです。この問題では、マイクロ波や紫外線まで、光の解釈を広げています。

(1)

→合否を分けた1題を、参照。

(2)

マイクロ波も電磁波の一種で、電子レンジなどで使われています。電子レンジが物を温める性能は、エネルギーの量であらわすことができます。
① [W](ワット)は、1秒間に発生するエネルギーの量を表す単位です。表示から、このお弁当を温めるのに必要なエネルギーは、[W](ワット)×[秒]=60000で一定であることに着目しましょう。800Wの性能の電子レンジを使うと、60000÷800=75(秒)=1分15秒であたたまります。
② マイクロ波には、光と同じ性質があると考えると、ガラスは通り抜け、金属は反射すると考えられます。

(3)

説明から、可視光線のうち、赤色は波長が長く、紫色は波長が短いことがわかります。赤外線は、赤色の光のとなりなので、Aの位置です。また、紫外線は、紫色の光のとなりなので、Bの位置です。X線は、さらに波長が短く、ガンマ線に近い位置です。

合否を分けた一題

光の三原色は、身近に利用されているため、イメージはしやすいのではないでしょうか。色の重ね方をおぼえる必要はありませんが、示された結果から規則性を見つけ、条件を変えたときの結果を予想する問題として、よく出されます。

[5]
(1)

赤・緑・青色の光は、組み合わせることで、ほとんどの色の光を作り出すことができるため、光の三原色と呼ばれています。これは、パソコン・テレビ・携帯電話の画面にカラーで表示するときに、使われている方法です。問題では、色の重ね方と、作り出す色の例があげられていて、これを手掛かりに、問題を解いていきます。
(図1)から、赤色と緑色の光を重ねた楕円の部分が、黄色になることが確認できます。
(図2)から、赤色の光の影には、赤色の光がとどかず、緑色の光だけがとどくので、緑色になります。同様に緑色の光の影には、緑色の光がとどかず、赤色の光だけがとどくので、赤色になります。
① 影Aは、緑色の光の影なので、赤色と青色を重ねた色になります。
② 影Bは、青色の光の影です。これが赤色になったことから、緑色の光を消したことがわかります。このとき、影Cは青色、背景は、赤色と青色を重ねた赤紫色になります。

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