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算数の合否を分けた一題

筑波附属中入試対策・算数の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

[1] (1)A (2)A (3)A (4)A (5)A (6)A (7)A (8)A
[2] A
[3] A
[4] (1)B (2)B
[5] C
[6] (1)A (2)A
[7] (1)A (2)B (3)B
[8] (1)A (2)B (3)A (4)B

A:筑波大附属中合格を目指すなら必ず得点すべき問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題  ➡ 合否を分けた一題
C:難易度や処理量から判断して、得点できなくても合否に影響しない問題

問題別寸評

[1]
(1)計算問題

小数、分数が入り混じった計算問題です。小数は分数に直し、また同じ数はまとめてかけ算することで計算回数を減らし速やかに結果にたどり着きましょう。

(2)計算問題

同様に小数、分数が入り混じった計算問題ですが、71と142の関係に注目し解き進めると計算量を減らすことができます。

(3)平均の利用

条件を面積図でまとめると計算の手順が見えてきます。

(4)割合と比

まずは割合で与えられた条件を式の形で表しましょう。大小関係は比でとらえると、改めて割合にもどすこともスムーズです。

(5)平面図形

一組の三角定規を用いた角度の問題です。日常で使用する道具については理解を深めておきましょう。

(6)縮尺

地図上の長さから実際の距離を換算し、与えられた時速から移動にかかる時間を求める問題です。解答は「何分何秒」と答えるため、日頃から単位の換算を素早く正確にできるように練習しておきましょう。

(7)周期算

周期算の典型題です。繰り返している数字のならびをいち早く見つけ、題意をみたす位を探しましょう。

(8)周期算

最小公倍数を用いて考える問題ですが、解答は最後に細かい計算をする必要があります。途中経過を結論としないように気をつけましょう。

[2]平面図形

おうぎ形を重ねた複合図形の出題です。等しい面積の活かし方は類題を解いたことがあれば判断できると思います。この出題パターンを事前に押さえていることが重要です。

[3]水量変化

水の体積が「水を入れる速さ×時間」と「底面積×高さ」の2方向から求められることから、底面積・高さ・時間の比率を考えましょう。水そうの様子は、面積図で整理すると理解しやすくなります。

[4]
(1)規則性

条件で与えられた数値のまま作業をしようとすると膨大な量になってしまいますが、最大公約数を利用すると簡潔に解けます。理解度によって作業量に差がつく問題で、この問題に費やした時間によって、他の問題に使用できる時間も変わっていきます。合否を分けた一題で詳しくお話しします。

(2)立方体の展開図

見取り図と展開図を照らし合わせて正確に作業を行います。選択肢から答えを選ぶというよりは、自分の作業結果と一致したものを選んだ方が精度は高くなります。

[5]線対称

紙を折る問題は線対称の問題で良く扱われますが、今回の出題は辺と辺が重ならない部分が生まれる折り方をしています。折り返しの前後を正確に追いかけなければ正しい折り目が見えてこないため、実物が無い状態でその作業工程を考えることには時間を要します。費やす時間を考えると、その時間で他の問題の精度を上げた方が得策と思われます。

[6]積み木
(1)

条件を満たす組み合わせが何種類あるか考えます。個数が確定しない箇所が4つあるので、「条件を満たすものを書き出す」よりも「組み合わせを書き出してから、条件を満たすものを選ぶ」方が確実に数えることができます。

(2)

使用する積み木の数が最も多い場合はシンプルな形になるため、ここは立体の様子を正しくイメージし、確実に得点しておきたい問題です。

[7]条件整理・推理
(1)

与えられた条件から、確定している部分と不確定な部分をはっきりと分けましょう。そのうえで、不確定な部分にどのような可能性があるか、順に追いかけて整理していきましょう。

(2)

ルールの変更に関するアイデアを考える問題です。まずは、現状把握を正しく行い、条件を満たすためにどのような変更を行えばよいか、出来るだけシンプルに考えましょう。

(3)

推理する場合、極端な条件から手を付け始めると少しずつ状況が見えてきます。今回の問題では、Cが4勝しているということは全チームと試合をして勝っていることが分かりますので、そこから考え始めましょう。

[8]資料整理・統計
(1)

グラフから読み取れることを選ぶ問題ですが、誤っているものだけでなく、不確実なものも選ばないように注意しましょう。

(2)

グラフは種類によって、読み取りやすくなる事柄が変わります。エの円グラフのみ割合で表しているため目的の比較を行うことができます。

(3)

グラフをかく問題は読み取った数値から正しく完成させましょう。

(4)

 (3)で1組のグラフをかいた後の出題ですので、まずは2組の状況もグラフに書くことから始めましょう。グラフ化することで視覚的に状況をとらえることができるため、はっきりと比較することができます。

合否を分けた一題

例年の合格者最低点(割合)のデータから得点率7割をきちんと超えることを想定して難易度を分類しています。A問題の9割、B問題の5割を得点化できると、7割5分ほどの得点率となります。今年度の問題の中で、特に合否を分けた一題は大問4の(1)といえるでしょう。この問題を得点できたかどうかだけでなく、いかに短時間で結論を導くことができたかによって、他の問題にあてることができる時間も大きく変わります。それでは、内容を見ていきましょう。

問題文で示された例から、以下のように正方形を数えていくことが分かります。

上の図の色を付けた正方形が対角線の通る4つの正方形ということになります。

これを踏まえ、縦に正方形を45個、横に正方形を75個ならべて長方形をつくり対角線をひいたとき、対角線はいくつの正方形を通るか考えます。

十分な時間と余白、そして気力があれば、実際に正方形をならべて長方形をつくり、対角線をひいて、正方形を数えることもできますが、現実的ではないでしょう。

それでは、最大公約数を利用して作業量をぐっと減らしてみましょう。
次の図より、最大公約数は15、縦に並べた正方形の個数と横に並べた正方形の個数の比は3:5です。縦に3個、横に5個正方形を並べてできる長方形が15組並ぶことが分かります。

この範囲であれば実際に書いて確認することもできます。対角線は7個の正方形を通っているので、7×15=105より、105個の正方形を通ることが分かります。

さて、さらに手数を減らすことはできないでしょうか?3:5は書き出せる範囲かと思いますが、最大公約数で割っても、もう少し大きな数が残る場合はどうしましょう?

先ほどの図のとらえ方を工夫してみましょう。

分かりやすくするために、一度縦と横に分けてから、対角線と交わる点を色分けし、元の図に戻してみました。2つの点の間に正方形が1個あることが分かります。すなわち、点の個数が分かれば正方形の個数も分かることになります。

黒い点・・・両端の2個
赤い点・・・縦に3個正方形を並べるので、3-1=2より2個
青い点・・・横に5個正方形を並べるので、5―1=4より4個

これらの点をすべて合わせると、2+2+4=8より8点となり、
さらに正方形の数は、8-1=7より7個となります。このようなとらえ方ができれば、図は一切書かずに結論を出すことができます。とはいえ、このような問題について初めて考えるときに急にアイデアが思い浮かぶわけではありません。たとえ典型題であっても、工夫して素早く結論にたどり着けないか、常に意識しながら、日々のトレーニングを積み重ねましょう。

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