「算数の傾向分析」で述べた出題傾向を踏まえて、これまでの筑附合格者と共に私自身が実践してきたそれぞれの攻略法をお伝えします。
算数+社会に割り当てられた50分を最大限有効に使うためには、社会→算数の順番で取り組むべきでしょう。社会に割く時間をどれだけ短縮できるかです。
過去の合格者が社会に割いた時間は10分前後です。それでも、JGとの併願組で算数の処理速度に自信がある生徒やパズル問題を得意とする生徒でない限り、残り40分であの算数に取り組むのは、時間的な圧迫感との戦いになります。
①ひらめくまで考える時間が必要なパズル問題、②ある程度の作業時間が必要なグラフ作成問題・作図問題、この2項目について、生徒個々に応じて時間配分の作戦を立てることは必須です。制限時間を設けて取り組むのか、一旦とばして他の問題を解き終わってから最後に取り組むのか、他の問題の得点状況により「捨て問題」にするのかなど、過去問演習を通じて、最善の時間配分方法を確立・実践していきます。
国立的色彩の強い他の国立中学の入試問題と比べると、筑附の入試問題にはH19〔1〕(7)ニュートン算、H15〔2〕N進法(4進法のメーター問題)といった中学受験生にはおなじみの問題が顔を出すため、少々違和感があります。
ただ、それはあくまでも、国立中学の入試問題として見たときの違和感であって、私立的な問題に慣れた受験生にとってはむしろ国立的な問題の方が違和感をおぼえるでしょう。
国立らしさが感じられる問題は、①グラフの作成問題、②作図問題、③表とグラフから情報を整理する問題、あたりです。
①・②については通常の学習の範囲内ですから、特段慌てる必要はありません。ただ、作業を伴うため、一定の演習量が必要となります。
③で与えられるグラフは、円グラフ・棒グラフ・柱状グラフ・帯グラフetc.です。これらは小学校の授業では出てきますが、受験用の学習で触れる機会はそう多くないでしょう。大抵の塾では4年生・5年生のカリキュラムに含まれています。グラフの読み取り方を押さえたうえで、割合や比の計算が絡むため、丁寧に計算を進めていきましょう。情報を整理する必要があるとはいえ、易しい問題ばかりなので、計算ミスは命取りになります。
また、タクシー料金問題、郵便小包料金問題の階段状のグラフは、受験生にはおなじみですが、苦手とする受験生が多いテーマです。「出たらイヤだな」と思っているなら、早目につぶしておきましょう。
なお、円周率については、H16以降「3.1」の指示が出されています。3.14の円周率計算の数値を覚えている受験生が多いでしょうから、それに引きずられないよう注意が必要です。
個人差が大きい、この分野。この手の問題が苦手な生徒は、大概、図形全般を苦手としています。
まずは「平面図形の分割」「立体図形の分割」「サイコロ問題」といった、一般的な塾での学習範囲内にある、似たような分野の問題演習で必要な知識を会得し、着眼点のつかみ方の練習を行います。
その後、過去問演習でパズル問題に実際にあたってみることで、目の付けどころ、頭の使い方が徐々に自分のものになっていきます。
毎年出題されているため、遡って過去問からパズル問題だけを抜粋して取り組みましょう。また、それだけでは素材が不足するようであれば、他校の過去問から平面図形の分割問題や知能テスト的な問題を引っ張ってきても良いですし、市販のパズル本や脳トレ本も十分使えます。
「算数の問題を解いている感じがしない」と言う生徒がほとんどなので、楽しみながらトレーニングできるのでは。とはいえ、この手の問題が苦手な生徒にとっては、苦痛以外の何物でもないはず。頑張りましょう。
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